仮面ライダー　エターナルインフィニティ

「もうどっちも頑固でな」
「どうしようもなかったよ」
「そうでしょうね」
　アルセーヌもわかっていた。それでだ。
　察している目でだ。こうも言ったのである。
「特に明智さんですね」
「ああ、あの娘が凄かったな」
「一番嫌がっていたね」
「そうでしょうね。明智さんは実は意固地なところがありまして」
「というか子供っぽいな」
「一番年下のせいかな」
「だから余計に頑張ってな」
「ムキになってるね」
「そうです。明智さんはそうした方です」
　やはりわかっている口調のアルセーヌだった。
「それがいい方向に向かうこともあれば」
「悪い方向に向かうこともある」
「そういうことだね」
「悪い方向に向かうのはＧ４の他の方に神津さんが止めてくれますが」
　いつもそうしていることも確かだ。心衣の後ろには誰も言わないがいつもＧ４の面々がそっといて支えているのだ。
　だからだとだ。アルセーヌは言うのだった。
「それだけの方なのです」
「悪い娘じゃないからな」
「心根は奇麗だね」
「幼さが残る故に意地悪をしたり無理もしますが」
　だが、なのだ。
「心根は非常に奇麗な方です」
「それはあんた達もだな」
「怪盗帝国もだね」
「おいおい、それは買い被り過ぎだぜ」
　ラットは腕を頭の後ろに組んで笑って応える。
「俺達怪盗だぜ。心根が奇麗だっていうのはな」
「けれど腐ったことはしないな」
「プライベートでも何だかんだでミルキィホームズを助けているね」
「あ、あれはな」
　そのことを言われてだ。戸惑って返すラットだった。そこにもう出ていた。
「あいつ等があんまりにも見ていられなくて」
「そうそう。困るんだよね」
　トゥエンティーも言う。
「ああして駄目駄目だと。見ていていられないんだよ」
「見ている方が心配になる」
　ストーンリバーは瞑目する様に語る。
「全く。見ていられない」
「だからだよ。どうしてもさ」
　ラットは言い訳めいていたがそれでも語る。
「しようがねえなって思って」
「それに僕だって教師だしね」
「私も用務員、食堂のお兄さんだからな」
「ちゃんと教えることは教えないと」
「仕事で手を抜いてはならない」
「そう言うこと自体がだけれどな」
「もう心を出しているけれどね」
　左とフィリップにはわかることだった。
「やっぱりあんた達は悪い人達じゃない」
「例え怪盗であってもね」
「少なくとも。醜いことはしません」
　アルセーヌもそこは断る。
「怪盗としての美学がありますので」
「そしてミルキィホームズ、Ｇ４ともだな」
「正々堂々と競い合うんだね」
「正々堂々と競い合ってこそです」
　また言うアルセーヌだった。
「人は大きくなれるのです」
「卑劣なことはせずにだな」
「そうしてだね」
「そうです。そう確信しているが故にです」　
「あんた達は正面から競い合っている」
「そうしているんだね」
「心根が奇麗かどうかはわかりませんが」
　自分達についてはこう言うアルセーヌだった。
「少なくとも美学は忘れません」
「怪盗としてそして人間として」
「そうしていくんだね」
「そう考えています。それでなのですが」
　アルセーヌは話題を変えてきた。左とフィリップを見て言うのだった。
「Ｇ４には神津さんという指揮官がおられますが」
「そしてミルキィホームズにもな」
「指揮官がいるね」
「小林オペラという方です」
　ここでこの名前が出た。