仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第四十四話 デンライナーでの騒動その七
「飲みなさい。いいわね」
「えっ、私もですか?」
「そうよ。飲みなさいよ」
「あの、ですが姫様は」
「いいのよ。一人で飲んでも面白くないのよ」
言いながらだ。その大杯にだ。
千姫は自分でワインを注ぎ込む。そうして溢れんばかりにしてからあらためて半蔵に突き出してからだ。あらためてこう命じたのだった。
「飲みなさい」
「こんなにですか」
「そうよ。飲むのよ」
真っ赤になり、目を座らせての言葉である。
「いいわね。こっちの世界じゃタバサだって飲んでるじゃない」
「あの人はまた飲み過ぎですけれど」
底なしの如くだ。確かにどんどん飲んでいるタバサだった。当然アイもだ。
「まるでウワバミですよ」
「貴女もそうなりなさい。いいわね」
「そんな、私は」
「飲まないと後でお仕置きよ」
サドっ気も見せたりもする。
「いいわね。だからね」
「わかりました。それでは」
「そうそう。一緒に飲まないとね」
半蔵が杯を受け取ったのを見てだ。千姫はその酔った顔でにこりと笑った。
「楽しくないから」
「すいません、御気遣いして頂いて」
「何言ってるのよ。貴女は私のね」
酔ってだ。とろんとした目での言葉だった。
「忠実な僕で」
そしてだった。
「友達じゃない。だから気兼ねしないでよ」
「友達ですか。私が」
「いつも言ってるじゃない。貴女がいないと後は訳のわからないまな板女と」
「わらわか」
幸村はすぐにわかった。自分のことだと。
「言ってくれるのう」
「十兵衛と褌女と金鎚女とそれとあからさまに怪しいのだけじゃない」
「意外と友達多くないか?」
「そうよね」
才人とルイズはそんな千姫の言葉を聞いてすぐにこのことを察した。
「というかこのお姫様いい人だよな」
「ちょっと素直じゃないみたいだけれどね」
「ははは、千は確かに意地っ張りだけれどいい娘だよ」
兄も出て来て太鼓判を押す。
「僕の自慢の妹だよ。ただちょっといじめっ子の傾向があるかな」
「というか多少エスね」
アティアがこう指摘した。
「私はドがつくけれどね」
「あんた自分でわかってるのね」
「多少はね。ただ貴女は」
アティアもアティアでルイズに言い返す。
「エスに見えて結構エムね」
「私が?」
「そう思うけれどどうかしら」
「というか私エスもエムもあまり興味はないけれど」
ルイズは眉を顰めさせて述べる。実はそこまですれていないのだ。
「特にどっちでもないんじゃないの?」
「そうなのね。自分では気付いてないのね」
「いや、気付くとかそういうのじゃないんじゃないの?」
「まあ気付かないならいいわ。とにかくね」
アティアはルイズにさらに話す。
「エムにはエムの楽しみがあるのよ」
「そういうものかしら」
「そうなのよ。まあそういう話は置いておいて」
言いながらだ。何処からかだった。
アティアは雀卓を出してきた。そうしてだった。
ハルキゲニアの面々にもだ。こう言うのだった。
「するこれ?」
「?何それ」
「はじめて見るわね」
キュルケとタバサが最初に反応を見せた。
「そこを囲んでどうかするの?」
「その四角いもので」
「そうよ。麻雀っていってね」
「麻雀。それをして」
「遊ぶのかしら」
「そういうこと。どう?する?」
牌を両手でじゃらじゃらと掻き混ぜながらだ。アティアは誘いを仕掛ける。
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