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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第三十六話 心があるから人間なんだよその五

 乾達は門の前に来た。それはあの場所の前だった。
「これも因果かねえ」
「そうですね」 
 海堂と長田はその場所に来てだ。苦い顔で話した。彼等の前には巨大なビルがそびえ立っている。ここにいる誰もがよく知っている場所だ。
 そのかつてスマートブレイン社だったビルを見上げてだ。海堂はまた言った。
「今別の会社のビルになってるんだよな」
「そうみたいですね」
「何処の会社の持ち物なんだろうな」
「会社じゃないかも知れないですね」
「ゼクトとかボードだったら笑うんだけれどな」
 海堂はジョークでこんなことを口にした。
「それか鴻上ファンデーションとかな」
「あの会長さんですか」
「あの人もわからない人だからな」
「かなり変わった人ですよね」
「俺も人のことは言えないけれどな」
 海堂も自分のことはわかっていた。だが鴻上はというのだ。
「それでも。随分な」
「変わっているといいますか」
「謎だらけの人だからな」
「具体的にはどういった経歴なのかも」
「わからないからな」
 それが鴻上だった。彼等から見ただ。
 そうした話をしてだった。海堂は自分の前に座っているキュウべえに対して尋ねた。
「で、この会社は関係ないよな」
「僕の世界のビルじゃないからね」
 だからだとだ。素っ気無く返すキュウべえだった。
「ここは知らないよ」
「だよな。それじゃあな」
「うん、門はこれだよ」
 西洋の、何か監獄に入る様なアーチ型の門だ。扉は鉄のものだ。
 その扉を見ながらだ。海堂は言うのだった。
「これなあ。刑務所に行く様なのだよな」
「刑務所?君達の世界の悪人が行く場所だね」
「そうだよ。けれど刑務所もかよ」
「僕達にはないよ」
 インキュベイダーにはだ。無関係だというのだ。
「だって。僕達に感情はないからね」
「だから罪を犯すこともないんだな」
「そうだよ。僕達はそうしたことはしないよ」
 犯罪、それとは関係ないというのだ。
「あるのは。ただね」
「グリーフシードを集めることだけなんだな」
「その通りだよ。じゃあ行こう」
 今度はキュウべえから言ってきた。
「僕達の世界にね」
「さて、鬼が出ても蛇が出てもな」
 乾がその目を剣呑なものにさせて述べた、
「倒してやるか」
「いきなり魔獣達が出て来るかも知れないけれどね」
 啓太郎は少し怯えた感じだった。戦えない彼はだ、
「それでも。勇気を出してね」
「行くわよ」
 真理が言ってだ。そうしてだった。
 戦士達はキュウべえが前に立つとそれが合図だったかの様に後ろに開いた門の中を潜った。門から出て来るその白い光に包まれたのだ。
 そうして外に出ると。そこにいたのは。
「あれっ、キュウべえじゃない」
「今まで何処に行ってたんだよ」
 青のショートヘアの少女にだ。赤い長いポニーテールの少女だった。二人共上は白の紅い大きなリボンを胸に置いた制服で下は黒と白のタートンチェックのミニスカートをはいている。
 青い髪の少女の目はサファイアの色であり赤い髪の少女の目はルビーだ。その二人の少女がだ。キュウべえの姿を見てすぐにこう言ってきたのだ。
「それに何か大きな人達も連れてきたし」
「何か皆大きいな。大学生の人達かよ」
「君達の仲間だよ」
 キュウべえは二人にこう説明した。
「仮面ライダーっていうね」
「仮面ライダー!?」
「何だよ、それ」
 仮面ライダーと聞いてだ。二人の少女はそれぞれきょとんとした顔になった。
 
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