仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第三十三話 アイスプリンセスその四
「他の世界の連中はな」
「というとやはり」
「そうした面々が」
「いない訳じゃない」
手塚はシフォンとティシーにこう答えた。
「覚悟はしておいてくれ」
「そうですか。その時は」
「思春期の少年の視線を受けるのですか」
「そういうことになる」
手塚は話した。しかしだ。クレオは懐疑そのものの顔でだ。手塚のその占いを否定したのだった。
「まさかとは思いますがね」
「信じないか」
「あたしは占いを信じない主義なんで」
それでだというのだ。
「ですから」
「そうか。だがだ」
「占いは当たるんですね」
「俺のはな。それは言っておく」
手塚は淡々と述べる。この時点ではパンドラの面々は殆ど誰も信じていなかった。そのうえで夕刻を迎えた。だがその時もまだたった。
空はそのままだ。夕焼けが見えてきたが空は奇麗なままだ。その空を見上げてだ。
クレオは自分の腰の左右に両手を当ててだ。こう言うのだった。
「見ろ、そうそう雨なんてな」
「降らないわね」
「この天気でどうして降るんだ」
こうだ。傍らにいるイングリットにも言うのだった。
「降る筈がない」
「そうよね。私も実はね」
「傘は持っていないな」
「寮に置いたきりよ」
あっさりとだ。イングリットは述べた。
「占いなんて当たる筈がないじゃない」
「そうだな。手塚さんのライダーとしての強さは確かだがな」
「ライダーの強さと占いの腕は別物よ」
アーネットもこう言ってだ。その夕刻の空を見上げた。
「というか占い自体がね」
「当たるものではないからな」
「そうよ。じゃあ何を奢ってもらうか」
「今から相談するか」
こんなことをだ。笑顔で話しているとだ。急にだ。
空に雲が出て来てだ。それからだ。
雨が降ってきた。最初はポツポツと、だがすぐに大雨になった。その大雨の中だ。クレオはアーネットとイングリットにだ。こう言ったのだった。
「水着、用意してるな」
「水泳の授業で使うから」
「それはね」
「そうだな。まさか当たるなんてな」
三人は唖然としていた。かくしてだ。ウェストゼネティクスのプールに。
シフォン達がいた。全員授業に使う競泳水着だ。しかしだ。
その競泳水着のパンドラ達を見てだ。ムッツリーニが血の池の中にいた。その彼を見下ろしてだ。
竜司が心配する顔でだ。こう秀吉に尋ねた。
「これはムッツリーニ君にとってはかなり」
「刺激が強過ぎたようじゃのう」
「そうだね。だからこうなったんだね」
「全く。至急輸血が必要じゃな」
「確かに皆さんかなりのスタイルの持ち主ですね」
ジョージは冷静だった。何故かというとマルガ以外に興味がないからだ。
それでだ。落ち着いてこう言ったのだった。
「御見事です」
「しかし。何ていうかな」
宗朗が言う。
「手塚さんの占いが外れるなんてね」
「それは有り得ないからね」
優子も知っていた。手塚の占いのことは。
「それでこうなるって」
「迂闊でした」
恥ずかしい声でだ。シフォンは述べた。
「正直なところ」
「まさか本当に雨が降るとはな」
「思いも寄らなかったわよ」
クレオにだ。アティアが困った顔で話す。
「こんなことになるなんて」
「私も実は当たるとは思っていませんでした」
そうだとだ。ここで言ったのはキャシーだった。
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