モンスターハンター 転生先でのお仕事はハンターです。
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第四話 俺は新人ハンターだが、もうダメかも知れない
前書き
仕事が早く終わったために投稿します。
第四話 俺は新人ハンターだが、もうダメかも知れない
ハンターとして生活し始めて一週間がたった。
ここ一週間でやっていたのはギアノスを10匹狩ったりブルファンゴ10匹の狩猟や素材集めばっかりだった。
おかげで狩場の地形や武器の性能を図るのにはいい機会だった。
その分報酬は少なかったが……そろそろ牙獣種のボスかドス系に挑んでもいいかなと考えているところだ。
俺がこの一週間話をしたのはギルドの受付嬢のトリシアとその父のハンスさん、後は集会所にいるギルド長(名前は知らない)ぐらいだ。
はっきり言って周りの目が気になる。
と言うか同期や下位ハンターたちの目が怖い。
恐らく俺の武器が原因だろう。
まだ入りたてで大型モンスターを一体も狩っていないのに武器だけは大層なものを使用しているところだろう。
そういう意味でもそろそろ大型モンスターを狩りださなければ何を言われるか分かったもんじゃない。
パーティを組んでいる奴らはもう鳥竜種やダイミョウザザミなどの大型狩りだしているらしい。
一ヶ月の早いのは伊達ではないな。
ただ俺が一人で大型モンスターを狩っても武器の性能のおかげだとか言われるのが落ちだろうしな。
だが、狩らないなら狩らないで腰抜け扱い。全く持って面倒だ。
まぁ大型を一人で狩れるようになれば依頼人やギルドからも信頼され名指しで依頼が来るようになるらしい。
そうなれば結構楽になるのだろうがとりあえずはここが頑張りどころだと思う。
集会所のクエスト案内板では今日も様々なクエストが張られている。
で、俺のお目当てはアオアシラだ。
アオアシラなら何とか一人でも狩れると考えたからだ。
狩場周辺に他の大型がいないことを確認してから受けることにする。
なぜなら今の武器で攻撃力は下位なら大抵の大型に通用すると思うが、防具が未だに剣士系はハンター装備のままなので防御力に不安を覚える。
もし乱入されたら狩りどころか生きて帰れるかも怪しくなると考えている。
人によっては臆病者と捉えるかもしれないが一人で立ち回るにはまだ経験が足りないのは事実だ。
それはこの一週間で嫌と言うほど理解した。
雑魚でも囲まれると厄介だ。
前後左右を常に注意するのは物凄く疲れる。
一度集中力が欠けてギアノスに後ろをとられて死にかけた。
この時は運よく横から突っ込んできたブルファンゴにギアノスが引かれたので助かったが二度も同じ幸運が続くとは考えていない。
だからクエストが終わって移動中に寝ていることがある。
ライトボウガンでなら生きて帰ることだけなら出来ると思うが弾代を考えるともう少し待った方がいいと判断した。
現状、殆どの下位モンスターの行動パターンは把握したのだが実践では別物だと考えている。
ここ一週間で他のハンター達が狩っているのを双眼鏡で安全な位置から覗き見していたからだけど。
おかげで嫌われる要素が増えたが命には代えられないので仕方がないとする。
俺の行動は肯定派と否定派に分かれているらしい。
否定派は下位クラスのハンターで肯定派は上位クラスのハンターだ。
なので俺の立場は微妙なものになりますますソロハンターとしてやっていくことになりそうだ。
今回は幸い他の大型モンスターは見られていないようなので依頼を受けることにした。
トリシア、このクエストを受けたいのだが良いかな?
「おはようスレイン。今日のクエストは……アオアシラの討伐ね」
ああ、そろそろ大型モンスターに挑戦していこうかと思ってな
それにそろそろハンター装備を卒業したいしな
「そっかー、まぁスレインなら大丈夫だと思うけど。でもこのクエストが終わったら一日でもいいから休みなよ」
ああ、分かった
トリシアが心配そうにこちらを見てくるが俺はまだ狩りに行けると判断している。
「本当に分かっているのかなー。あのね、ソロで狩りに出ると精神的な負担が大きくかかるのは分かっているよね。ましては今回は……大型」
ああ、そういうことか
要するにトリシアが言いたいことは、適度に休息を入れろと言うことか。
確かに毎日、常に命を危険に晒しているということで俺の自覚以上に疲れが溜まっていることを言っているのだろう。
そのための休息か。
よくよく考えてみたら週休なし、月休が二、三日で常に命が係っていると考えるとブラック企業も真っ青な職場環境だ。
うん、前世ならそんな仕事はごめんだな。警察?無理無理。
「分かった? ならこのクエストが終わったら明日は休むこと。ソロで活動するんだから体を労りなよ」
そうする
「よろしい。 じゃあ、受理したから頑張ってきてね」
あいよ
集会所を出て武具の確認し、ポーチの中身も確認。
ポーチの中には回復薬と砥石、こやし玉、ペイントボール、けむり玉、こんがり肉、双眼鏡が入っていること確認しておいた。
後は竜車に乗って移動するだけだ。
今回の狩場は渓流だ。
地形も把握している。
竜車に揺られること一時間でベースキャンプに着いた。
送ってくれたアイルーはそのままベースキャンプで待機しておくそうだ。
因みにベースキャンプにモンスターが入ってこないのはモンスターが嫌う臭いを周辺に撒いているかららしい。
アオアシラはハチミツが好物なためハチミツが採れるところに出没する。
そのため狩場に着いたら支給品を受け取ってからハチミツが採れるポイントに急行する。
もし行ったポイント以外にいなくても先にハチミツを回収することでアオアシラの行動をある程度誘導しやすくなるからだ。
後は魚とかも食べるので山から川に回って回収していくプランを考えた。
その手順で進めていったが、既に山側の蜂の巣が多いポイントは食べた後があったのでプラン変更した。
まだ新しい足跡を発見したのでそれを追っていくことにした。
程無くして川沿いで青い熊とアルマジロを足して割ったようなモンスターを発見した。
これが今回のターゲットのモンスターアオアシラだ。
周りにはジャギイが4頭ほどいるが、幸運なことにこちらに気付いていない。
俺は急いで風下の草むらに隠れた。
大型をソロで対峙する。
その緊張感に心臓が痛い。
指先や、丹田あたりが冷えていく感覚がする。
そして異常なほど周りの音に敏感になっている。
そんな自分に焦るなと言い聞かせながらポーチからけむり玉を取り出す。
けむり玉を使えば数秒だがモンスターの視界を奪えるのでその間に邪魔になるジャギィを始末してからアオアシラを狩ることにした。
風がやむのを待つ。
この間に発見されないようにじっと息をひそめる。
自分の心音が異常なほど響いているように感じる。
まだか、まだか。
このままだとアオアシラが移動してしまう。
それならまた後を追えば良いだけの話だが、次の狩場の条件が分からない。
もし、気配の察知能力が高いブルファンゴが居たらさらにやりにくくなる。
なので出来たらここで仕留めたい。
少なくとも瀕死にはしたい。
と考えていたら風がやんだ。
仕掛けるとしよう。
もう一度アオアシラとジャギィの位置を確認し、震える手を抑えけむり玉を中央あたりに投げ込んだ。
そしてジャギィの居た方向に一気に駆けより抜刀する。
影が見えたのでそのまま勢いを利用し最初の一体を鬼人化して斬りつける。
ブレイドエッジ改は難なくジャギィの首を飛ばし絶命させる。
次、三歩踏み込めば狩れる。
そのまま三歩目で左から逆袈裟で斬り上げるが絶命には至らなかったようだ。
直ぐに右手の剣で突きを繰り出し殺す。
まだいける。
三頭目と四頭目は少し離れていたが間に合うか?
と考えていると、向こうからやってきた。
どうやら仲間がやられたことに気付いてこちらに来たらしい。
そのまま二頭とも斬り捨て、アオアシラの居た方向に体を向けた。
その時車にでも当たったかのような衝撃が来て吹き飛ばされた。
突然の事に受け身がとれずにそのまま地面に叩き付けられながら転がった。
油断した。こっちに気付いていたのはジャギィだけではなかったのだ。
いや、普通に考えればそうか。
元々モンスターたちは気配や音、臭いに敏感なのだ。視覚を奪ったところで問題無いのだろう。
恐らくジャギィの血の匂いに反応してこちらに攻撃してきたのだろう。
訓練の賜物か武器は手放していなかった。
だが、直ぐに体勢を立て直そうとしたが俺の上に圧し掛かってきた。
そのまま前足を上げて振りかぶるのが見えたので慌てて右の剣を捨てポーチに手を突っ込みこやし玉を取り出した。
が、間に合わず、二回ほど引っかかれた。左手で頭を庇ったがほとんど役には立たなかった。
しかし、もう一度前足を上げたのでこやし玉をぶつけてやった。
これにより何とか拘束から逃れることが出来た。
直ぐに武器を回収してアオアシラと向き合う。
アオアシラは顔に着いた臭いを取ろうして顔を拭いている。
現状チェック。
胸の防具は大きく凹んでいる。後一撃に耐えられるかどうかといったところか?
腕の防具もだ。左はもうほとんど使い物にならないだろう。ついでに痛みがあり過ぎて武器を持つことが精いっぱいだ。
アオアシラは、臭いが気にならなくなったのかこちらを睨んできた。
予想よりも立ち直りが早いな。
本来なら回復薬を飲む時間があったのにな。
アオアシラが体を伏せて力を溜めてからこちらに突っ込んできた。
だが、慌てずに左に飛んで回避する。
この動きはこの一週間での情報収集で予測できた動きだ。
アオアシラは、俺が避けたことが不満だったのか立ち上がってこちらに向かって体を捻って振り下ろそうとしたのでそのまま奴の後ろに回り込み回復薬を飲む隙が出来た。
回復薬を飲んだおかげで左手に痛みが引き再び剣を握る力が回復した。
後は大ぶりの攻撃を躱しながら隙をついて攻撃するだけだ。
アオアシラが再び立ち上がって両腕を横に開いた後に、前方へ進みながらクロスするようにひっかいてくるのをバックスッテプで回避し、ついでに目に一太刀を浴びせ片目を潰してやる。
そこからはただの作業だ。
片目を潰され興奮状態になったが、攻撃の隙が増えたので後ろ脚からお尻にかけては肉質が軟らかいのでそこを重点的に攻めてやる。
興奮状態が落ち着いても死角が出来ているので戦いやすい。
常に死角から攻撃し続けた結果、失血が増え動きが目に見えて悪くなり前足にも力が入らないようなのでそのまま前足を覆う甲殻も破壊する。
後は逃げようとするが転び続けているのを尻目に砥石で武器を研ぎ、止めを刺した。
つ、疲れたー。
毎回これだと体より先に精神が参りそうだ。
今回は動きが単調だったから助かったといった感じだ。
それにしても大型モンスターと対峙すると初めは緊張するが戦いだすと意外と冷静に戦えたのは良かった。
後は、もっとよく動けるように訓練だな。
「旦那ー、お疲れさまですにゃ」
ああ、迎えに来てくれたのか
「気球から狩猟の成功を聞いたので迎えに来ましたにゃ」
そうか、助かったよ
正直もう一歩も歩く元気がない
「ボロボロですにゃ。早く街に戻ってゆっくりすると良いにゃ」
そうする
そのまま竜車に乗って街まで戻ったが、竜車に乗っている間完全に意識がなかった。
街に戻ってからも報酬はあとでもらうと言って直ぐに宿舎の部屋に戻って寝た。
初めてソロで大型モンスターを狩った感想は達成感が霞むぐらい疲れた。
ただアオアシラでこれなら他はどうなるのかと考えると今から不安になってくる。
やはりゲームではなくリアルだと怖いな。
ゲームでは死んでも問題なかったし、ソロでもクリアは出来た。
それに簡単に仲間が集まったが……現実はどうだろうか?
モンスターの攻撃で死ぬ、ソロでは何とか倒せているがそれは武器の性能と多少の知識、もし自分の知らないモンスターが出てきたら勝てるかと聞かれると自信がない。
それにモンスターの攻撃を受けるとやはり防具は痛む。下手すればその場で壊れる。
ゲームではそんなことを気にしなくてもよかったが、今は違う。
それに仲間がいないことがこんなにキツイとは思わなかった。
広い場所で一人、命を懸けて狩りをする。精神的にかなりキツイ。
仲間が欲しいと切実に思う。
全く、生きてる限り柵だらけだ。
後書き
ここまで読んで頂きありがとうございます。
中々戦闘シーンがうまいこと書けないですね。
イメージしにくいと言いますか……今後の課題ですね。
とりあえず今日はあと一話でストックが切れるのでそれの修正が終わり次第投稿します。
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