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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇

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第百二十話 自由と運命

               第百二十話 自由と運命
ニコルはまだグン=ジェム達と一緒にいた。もうかなり打ち解けてきていた。
「そうだったんですか、色々あったんですね」
「おう、逃げる時がな、一番大変だったんだ」
ガナンがニコルに何かを話していた。
「何でもな。逃げるのが一番大変なんだ」
「撤退ですよね」
「そうだ。坊主のガンダムは姿消せるんだよな」
「はい」
「だったらそれも楽だな。便利なモンだぜ」
「確かに僕のガンダムは隠密行動専門ですからね」
ニコルはそれに応える。
「撤退はかなり容易です」
「電子妨害もあるんだよな」
ジンが問う。
「あれもあるから御前のガンダムはかなり違う」
「そうですね。ジャマーもあります」
「いいガンダムだよ」
「はい」
「お、おでもガンダム好き」
ゴルが言う。
「こっちにいると頼りになる」
「頼りにですか」
「そういうことだ。わしとしてはな」
「ええ」
今度はグン=ジェムに顔を向けた。
「御前と一緒にいたい位だ」
「貴方達とですか」
「駄目か、それで」
「いえ」
実はニコルも彼等に対して悪い感情はなくなっていた。一緒にいると気さくで闊達な者達であった。
「ですが僕は」
「ザフトだからか」
「はい、プラントの為に戦わなければ」
「じゃあ仕方ねえな」
グン=ジェムはそれを聞いて少し残念そうに述べた。
「御前のやるべきことだからな、それは」
「はい」
「じゃあそっちをやりな。そのうちお別れだな」
「ええ」
それを言われると少し寂しかった。
「それでだ」
グン=ジェムはまた口を開いた。
「そろそろオーブに行くぞ」
「オーブに」
「御前のガンダムの首を何とかしなくちゃいけないからな」
「あのままだと流石にやばいだろ」
「ええ。モニターが限られますから」
ジンに答える。
「やっぱり頭部は必要です」
「それだ。それにお宝だ」
「オーブは豊かだからな。アスハ家やセイラン家のお宝をごっそりよ」
「けれどそれって泥棒なのでは?」
「強い奴から盗む」
ガナンはニヤリと笑って言った。
「それがグン=ジェム隊なんだよ。それならいいだろ」
「強い人からですか」
「わしはな、弱い者虐めは嫌いだ」
グン=ジェムは言う。
「強い奴と戦いたい。それだ」
「そ、そういうことだ」
「ゴルさん」
「大体よ、弱い奴と戦っても面白くとも何ともないだろ」
ガナンがニコルにそう問う。
「やっぱりな。強いのを叩きのめしてだ」
「ロンド=ベルに負けたのは仕方なかったがな」
ジンがここで顔を顰めさせる。
「そういうことだ。御前も協力しろ」
「はい、皆さんには助けてもらいましたし」
これは受けることにした。
「ブリッツの頭部のこともありますから」
「よし、これで決まりだ」
「新しい四天王のメンバーだな」
「えっ、僕もなんですか?」
「ははは、そうだ」
グン=ジェムはその巨大な口を開いて言った。
「わしの部下は四天王といってな」
「はあ」
「今はロンド=ベルにいるミンがいたのだ」
「ミンさんっていうとあのチェーンソーを持った」
「おっ、知っているのか」
「何度もお見かけしましたので。強いですよね」
「うむ、頼りになる」
「女だけれど色気がないしな」
「あいつはそれとは完全にな」
「ち、ちょっとは可愛くなれ」
「面白い人みたいですね」
「最高に面白い奴だぞ」
「一度御会いしてみたいような」
「ははは、それは戦争が終わってからにしろ」
グン=ジェムは顔を崩して笑って述べた。
「今はまだ物騒だからな」
「はい」
「じゃあ三日後でどうだい?」
ガナンが提案してきた。
「オーブに向かうのは」
「おう、それでいいな」
グン=ジェムはそれに頷く。
「じゃあそういうことで」
「坊主、御前は俺と一緒に来てくれ」
「ジンさんとですか」
「そうだ、偵察にな。いけるな」
「任せて下さい」
ブリッツはその為のものである。ならば適任と言えた。
「よし、これで決まりだ」
「み、三日後が楽しみ」
ニコルは完全にグン=ジェム隊に受け入れられその中でオーブに向かおうとしていた。それが新たな運命のはじまりであった。
アスランはプラントに戻っていた。そこでは何かと騒がしかった。
「どうしたんだ、これは」
彼はプラントに着いてすぐにそれに気付いた。
「何かおかしい」
軍人達が慌しく動き回っている。彼はそれを見ていたのである。
「何があったんだ」
「アラスカとは連絡が取れないのか」
「ああ、どうやらパナマにいるらしい」
「パナマ!?どうしてそこなんだ」
軍人達は基地で話している。
「わからん、どうやら瞬間的に全軍移動したらしい」
「馬鹿な、あれだけの数がか」
「どういうことなんだ」
「それもわからん。一体」
「それでロンド=ベルや連邦軍はどうなった!?」
「彼等もパナマにいるらしい。それでまだ交戦中らしい」
「ううむ」
「何が一体」
「スピットブレイクが失敗したのか?」
アスランはそれを聞いてまずはこう思った。
「いや、おかしいな」
だがそれはすぐに思い直した。
「それにしてはパナマで戦っているなんて。これは一体」
「あっ、アスランさん」
ここで緑服の少年兵が彼に声をかけてきた。
「どうしたんだい?」
アスランは落ち着いた静かな様子で彼の方を振り向いた。不安は表には出していない。
「議長がお呼びです」
「議長が」
「はい、是非こちらへ」
「わかった、すぐに行くよ」
アスランはパトリックのところに向かった。この時パトリックはシーゲルと話をしていた。
「パナマにか」
「そうだ」
パトリックは深刻な顔でシーゲルに語っていた。
「おそらくはボゾンジャンプだな。それで両軍が移動したのだ」
「そうだったのか」
「困ったことになった」
「今はパナマで交戦中なのだな」
「そうだ。部隊にはグングニールを放つように命じた」
「あれをか」
「あれで連邦軍を止める。そして勝つ」
パトリックは言い切った。
「ロンド=ベルは無理でもな。かなりの部隊を無力化出来る筈だ」
「それで戦いに勝つか」
「それで講和に持ち込みたいが。難しいか」
「どうかな。だがやってみるしかあるまい」
「うむ。ところでラクス嬢だが」
「駄目だ、行方はわからん」
「そうか」
「何処に消えたのやらだ。バルトフェルド将軍とその部下達も姿を消したしな」
「戦艦もだったな」
「エターナルがな。おそらくは」
「わかった。それはこちらで手を打つ」
「済まないな」
「何、御前が関係ないのはわかっている」
そう言って友を宥めた。
「だが。暫くの間は名目的とはいえ軟禁状態になってしまうが」
「それはわかっている」
シーゲルもそれを受け入れた。
「受け入れるから安心してくれ」
「済まないな」
「そしてグングニールを使った後はどうする?」
「連邦軍に降伏を勧告する」
パトリックは政治的な判断を下した。
「それもまた外交材料だ。プラントの寛大さを示すのだ」
「上手くいけばいいがな」
「少なくとも連邦軍は話のわかる人間がいる」
パトリックもそれは見抜いていた。
「ティターンズとは違う」
「そういえばそのティターンズだが」
「ああ」
「コロニーレーザーを改良すると共に新しいコロニーレーザーを作っているそうだ」
「新型のか」
「そうだ。それへの対策も講じていかないとな」
「わかった、ではそちらもだな」
パトリックはすぐに断を下した。
「すぐに調査及び対策を講じる」
「頼むぞ」
「ではな。早く話が終わればいいが」
「若しもの時は私が連邦と話をする。まさか軟禁中の人物が動くとは誰も思ってはいない」
「そうだな。それを考えると御前の軟禁も使えるか」
「そういうことだ。ではな」
「うむ」
シーゲルは兵士達に伴われて退室した。そのまま軟禁状態に置かれることとなった。
彼と入れ替わりにアスランが部屋に案内される。パトリックは議長の顔になり彼を迎えた。
「よく来たな」
「はい」
敬礼の後で話がはじまった。
「まずは聞きたいことがある」
「私にですか」
「ラクス=クライン嬢からは連絡はあったか」
「えっ」
「あったのか?」
「いえ、何も」
何かと思えばいきなり突拍子も無い話だったのでアスランは面食らった。パトリックはそんな彼にさらに言う。
「実は彼女はフリーダムを奪取したようなのだ」
「フリーダム!?あの新型を」
「そうだ。そのままバルトフェルド将軍達と共に行方をくらました」
「馬鹿な、何故」
「知らなかったのか」
「え、ええ」
戸惑いを隠せないまま答えた。
「まさかそんなことが」
「ならいい。それでだ」
「はい」
「そのフリーダムがアラスカに舞い降り今パナマで我が軍と戦っている」
アスランにとってはもう何が何なのかわからない話になっていた。
「貴官の任務はその新型ガンダムを奪還、若しくは破壊することだ」
「破壊ですか」
「あのガンダムは我がプラントの技術の粋だ。それが奪われては」
プラントにとってまずいことなのは言うまでもない。連邦に下手な外交材料を与えることにもなる。
「わかったな。貴官にも新型ガンダムを与える」
これは最初から予定されていたことである。
「それでフリーダムに向かえ。いいな」
「わかりました」
アスランはこうしてジャスティスを受け取った。そして彼の運命も動きはじめたのであった。
パナマでは場所が変わっても戦いが続いていた。とりわけキラとシンの戦いは熾烈なものであった。
「これで!」
シンが手の平からの攻撃でフリーダムを破壊しようとする。だがキラはそれを紙一重で左にかわす。
「くっ!」
「かわしたかストライク!」
シンはそれを見て叫ぶ。
「まだあがくつもりか!」
「あがいているんじゃない!」
キラはシンに対して言い返す。
「僕はやられるわけにはいかないんだ!」
そう叫んで間合いを離した。そしてフリーダムのビームを一斉に放つ。
「こんなところで!」
「その程度の攻撃で!」
シンは自分に向けて一斉に放たれたフリーダムのビームを前にしても怖れてはいなかった。
「俺を殺せると思っているのか!」
何とデスティニーが分身した。それでフリーダムの攻撃を全てかわしてしまった。
「なっ、分身!」
「何だあのガンダム!」
サイがそれを見てアークエンジェルの艦橋で叫ぶ。
「ミラージュコロイドを使って分身した!」
「とんでもない性能です!キラのガンダムよりもまさか」
「あれ、少なくとも接近戦かなり強いよ」
ミリアリアとサイも言う。
「それにあのパイロット」
「副長」
マリューがナタルに声をかける。
「助けに行けないかしら」
「今の状況では」
だがナタルは残念そうに首を横に振るだけであった。
「まだ敵が周りに展開しています。ですから」
「そう。仕方ないわね」
「はい。ここはヤマト少尉一人で」
「くっ」
「どうした!その程度か!」
シンは今度はビームライフルを放ってきた。
「御前は正しいんだろう!じゃあ俺を倒せる筈だ!」
「倒すとかそういう問題じゃないんだ!」
キラはシンに対して叫ぶ。
「今はナチュラルでもコーディネイターでもないんだ!人間なんて皆同じなんだ!」
「同じなものか!」
しかしシンはその言葉も聞き入れない。
「だったら何で戦う!違うからだ!」
「確かに人はそれぞれだ!けれど皆それでも同じなんだ!」
「何を言っているんだ」
シンはキラの言葉の意味がわからなくなってきた。
「違うっていいながら同じなんて」
「人間は心がそれぞれ違っていてもその価値は一緒なんだ。僕はやっとそれがわかった」
その表情のない目で言う。
「僕はキラ=ヤマトなんだ!それ以外の何でもない!」
「じゃあ俺は御前を倒す男だ!それでいいな!」
「君はまだ!」
「黙れ!貴様は何があっても殺す!」
その目がさらに赤く光る。
「貴様がいたらプラントが!俺の家族が危機に晒される!強い敵がいるだけで!」
「プラントを滅ぼそうとしているのは僕達じゃない!」
「まだ戯言を言うつもりか!」
「君は気付いていないのか!プラントと連邦を争わせている男がいることに!」
「何っ」
レイはその言葉に眉をひそませた。
「まさか彼もあのことを」
「そいつが原因だ!そいつこそがプラントを滅ぼそうとしているんだ!」
「そんな奴がいるものか!」
シンはクルーゼのことを知らなかった。
「嘘をそうして言い続けるのか!そうやって!」
「信じないのか!」
「敵の言うことなんて信じられるか!そうして俺を惑わすつもりなんだろう!」
「クッ!」
「待て、シン」
「レイ」
ここでレイの通信が入った。
「そこのフリーダムのパイロット」
「う、うん」
キラも彼に応えた。
「君はまさか知っているのか?彼のことを」
「君は一体」
「俺はレイ=ザ=バレル。ザフトのパイロットだ」
「君もザフトの」
「そうだ。君はまさかプラントにいたのか?ここに来るまでに」
「そうだけれど」
「そしてラクス=クライン嬢に会ったのかい?」
「!?まさか君は」
キラはレイの言葉からそれを悟った。
「そうか。やっぱり」
「君も彼のことを知っているの?」
「多分君と同じだと思う」
レイは答えた。
「俺もまたラクス嬢と会ったから」
「そうだったのか。じゃあ」
「そうだ。シン」
「何だ、レイ」
「彼の言うことは本当だ。今は」
「今は・・・・・・何なんだレイ」
シンは彼の言うことも訳がわからなくなってきていた。
「御前まで」
「それは・・・・・・」
「上から何か来ます!」
だがここでメイリンの通信が入った。
「上から!?」
「総司令部からよ。グングニールが投下されたわ」
「グングニールが」
「遂にか!」
何かがパナマに降り注いだ。そしてそこから異常な反応が起こった。
「電磁波反応です!」
「なっ、何だ!?」
大文字がそれを聞いて声をあげる。
「ザフトは何を仕掛けてきたというのだ!?」
電磁波の嵐が荒れ狂う。それは敵味方を問わず襲った。
これにより異変が起こった。連邦軍の戦車等が急に動きを止めたのである。
「なっ」
「これは一体」
「友軍の戦力が極端に落ちました」
ミドリが報告する。
「稼働率が一割を下回っています。電磁波の影響です」
「クッ、ロンド=ベルのマシンは」
「コンバトラーとボルテスに若干の影響が見られるようですがそれ以外は」
「そうか。それは何よりだが」
「ですが電磁波のせいで連絡がとりにくくなっています。このままでは」
「まずいな。指揮が」
「はい」
「ここは各員に期待するしかないか」
ロンド=ベルの面々はまだ戦闘を続けられた。だが戦闘能力を失った連邦軍の部隊は次々に撤退するか降伏するしかなかった。白旗を揚げる部隊もあった。
「降伏する部隊への攻撃は停止せよ!」
タリアは危急の際の非常通信を入れた。それで無差別攻撃を止めさせようとした。
だがそれが耳に入っていない部隊もあった。彼等は白旗を掲げる連邦軍の部隊にも攻撃を仕掛けようとする。
「貴様等っ!待てっ!」
そんな彼等にイザークが叫ぶ。
「相手をよく見ろぉっ!」
「えっ、ジュール隊長」
「敵はもう白旗を掲げている!攻撃をすれば貴様が軍法会議にかけられるぞ!」
「は、はい!」
「そ、そうでした」
その言葉に従い攻撃を慌ててロンド=ベルに向ける。とりあえずイザークは自分の部下達は制止出来た。
だが。そうはいかない部隊もあった。彼等は戦闘の興奮のまま連邦軍の部隊に攻撃を仕掛けようとする。
「こ、こちらに攻撃を向けています!」
「馬鹿な!降伏を認めないというのか!」
ミサイルが彼等に襲いかかる。だがそのミサイルが突如全て空中で謎の爆発をした。
「えっ、あれは」
「ラミアス少佐」
通信を復活させたルリがアークエンジェルに通信を入れてきた。
「アークエンジェルの艦橋の上に人がいます」
「えっ、艦橋に!?」
「まさか。今は戦闘中だぞ」
ナタルはそう言ってそれを否定する。
「艦橋の上に人なぞ」
「いえ、その」
今度はキラがモニターに出て来た。戸惑った顔を見せている。
「今からそちらに映像送りますんで。その」
「!?どうしたのだ一体」
まだナタルは事情がよくわかっていない。
「そんなに戸惑って。君は少し・・・・・・何ィ!?」
ナタルはその映像を見て我が目を疑った。
「か、艦橋の上に人がいます!」
ミリアリアが叫ぶ。
「ば、化け物か!」
「あ、あれは」
マリューも驚愕の顔で見ていた。
「マスターアジア」
「あれが」
「フハハハハハハハハハハハハハハ!」
マスターアジアはアークエンジェルの艦橋の上で腕を組み高笑いをしていた。
「コーディネイターといっても所詮はそれよ!歯向かえぬ者にまで剣を向ける不埒者よ!」
「マスターアジア!どうしてここに!」
「たまたま通り掛かったのよ!それがどうした!」
ドモンに返す。
「この未熟者があ!この程度の敵も倒せぬか!」
「何だと!」
「あのミサイル撃墜したのあの人みたいです」
「素手でミサイルをか」
ナタルはカズイの報告が信じられなかった。
「何ということだ」
「さあ来いマスターガンダム!」
彼は天高く飛び上がった。
「この不埒者共に真の力を教えてやるのだ!」
何処からともなく紫のガンダムが姿を現わした。マスターアジアはその中に入った。
「ガンダムファイトォッ!」
そして彼一人で叫ぶ。
「レェェェェェェェェイ、ゴォォォォォォォォォォォッ!」
空中で構えを取る。マスターガンダム降臨であった。
「あれがマスターガンダム」
アーサーはミネルバの艦橋で呆気に取られていた。
「まさかこんなところで見るなんて」
「行くぞ!」
マスターアジアは間髪入れず攻撃態勢に入る。
「超球覇王!」
マスターガンダムの身体が竜巻となる。顔だけが出ていた。
「電影弾ーーーーーーーーーっ!」
そして弾丸となりザフトに襲い掛かった。それにより無数のモビルスーツが薙ぎ倒されていく。
「う、うわああああっ!」
「に、逃げろーーーーーーーーーっ!」
「安心せよ、急所は外しておいた」
元に戻りすっくと立った姿勢で目を閉じて言う。
「命までは取らぬ」
今の攻撃でザフト軍は壊滅した。ロンド=ベルとの戦闘によりかなりの数を消耗していたところで彼の攻撃を受け戦闘力は壊滅状態に陥っていた。
「こちらの戦力一割までダウンです」
メイリンがまた報告した。
「あの、一割まで」
「え、ええ」
タリアがようやく我に返った。
「今のは一体」
「どうじゃドモン!」
マスターアジアはまたドモンに対して叫んでいた。
「これが本当の戦いというものだ!わかったか馬鹿弟子があっ!」
「何だとっ!」
「いい加減わかるのだ!人になぞ地球は預けられぬとな!」
「何のっ!俺はまだ!」
「それは違う!」
「ムッ!?」
キラがマスターアジアに対して叫んだ。
「人はまだ何かを知らないだけです!人は地球を愛しています!だから!」
「フン、何処の小童か知らぬが言いおるな」
マスターアジアはキラを見下ろして笑う。
「このわしに対して言うとは。それに免じて今はこれで下がろう」
「逃げるのか!マスターアジア!」
「逃げるのではない!時が来ればドモン!必ず貴様を倒す!」
「クッ!」
「その時を待っておれ!風雲再起!」
また何処からともなく馬とそのガンダムファイターが姿を現わした。
「さらばだ!その首預けておくぞ!」
そして彼は何処かへと去って行った。その姿は復活したレーダーからも確認された。
「帰って行きます」
「何だったの、あれは」
マリューはまだ何が起こったのかよくわかっていなかった。
「何かよくわかりませんが帰りました」
ナタルもまだ完全に我に返ってはいなかった。
「戦いを終えて」
「・・・・・・・・・」
「艦長」
沈黙するマリューにサイが声をかけた。それでマリューは我に返った。
「え、ええ」
そして戦局を確かめる。
「とりあえずザフトはどうなったの?」
「今撤退にかかっています」
「そう」
「艦長、追いますか」
「いえ、負傷者の救助を優先させて。どのみちザフトにはもうまともな戦力はないわ」
「確かに」
「彼等自身も負傷者を救助して必死に逃れてるしね」
見ればその通りであった。ザフトはマスターアジアの攻撃をかろうじてかわしたクルーゼの指揮の下残った艦艇に負傷者達を慌しく収容しそのまま撤退を開始していた。後詰はミネルバが行い足止めにかかっていた。
「一機たりとも近寄らせては駄目よ」
タリアが命じる。
「今は・・・・・・残った友軍を」
「了解です」
ハイネがそれに頷く。
「じゃあ今は」
「ええ、皆踏ん張ってね」
タリアは言う。
「全軍撤退するまで」
その間にザフト軍は必死にカーペンタリアまで逃れていく。だが収容しきれない者達は置いていくしかなかった。彼等は連邦軍、そしてロンド=ベルの捕虜となっていた。
「グローバル艦長」
サザーランドがマクロスのモニターに姿を現わしてきた。
「かなりの捕虜が保護されたわけですが」
「ええ。彼等はジャブローに送りましょう」
「そうですな」
「少なくとも三輪長官にはお渡しするわけにはいきません」
「それはこちらも同じ考えです。それでは」
「はい、では今から捕虜を」
「いえ、それはこちらでやっておきます」
「宜しいのですか?」
「何、これも仕事です」
サザーランドは述べた。
「少なくとも軍人として恥ずかしくない行動を取るのは」
「それではお願いできますか」
「ええ。貴方達にはまた仕事があるでしょうから」
「少しはゆっくりとしたいものですがな」
「残念ですがそれは無理かと」
サザーランドは苦笑いでそれに応えた。
「今こちらにオーブから連絡がありました」
「オーブから」
「はい。すぐにこちらに来て欲しいと」
「ウズミ首長からですか」
「それとムルタ=アズラエル議長から」
「アズラエル議長から」
「はじめまして、ロンド=ベルの皆さん」
金髪で青いスーツの男がモニターに姿を現わした。
「ムルタ=アズラエルです。おっと、はじめてではない方も大勢おられましたね」
「へっ、生憎な」
火麻が減らず口で彼に応えた。
「どうやら元気そうじゃねえか」
「まあこちらも色々とありましたが。ライオンロボ君は元気ですか」
「アズラエル、何の用だ」
凱がアズラエルを見据えて問う。
「おやおや、相変わらず元気そうで。これも勇気のおかげでしょうか」
「御前はまだ勇気というものの素晴らしさがわかっていないのか」
「戦争は数ですからね」
アズラエルはしれっとした顔で凱に応える。
「そんなものに頼るのは僕のスタイルではありませんよ」
「ふん」
「まあいいです。ところで」
「はい」
グローバルが応える。
「貴方達にお渡ししたいものがありまして。オーブまで来て頂けるでしょうか」
「オーブまでですか」
「何かとね。まあ悪いようにはしませんよ」
「あんたが言うとどうにも胡散臭いがな」
ルネがそう言うアズラエルを見て言う。
「今までが今までだからね」
「おやおや、信用がないんですね」
「だって一目でね」
「光竜、それを言ったら」
肩をすくめてみせたアズラエルに光竜と闇竜が突っ込みを入れた。ロボットにまで信用されないアズラエルであった。
「とにかくジャブローの方はザフトの捕虜収容で忙しいですし」
「はい」
「オーブに来て下さい。宜しいでしょうか」
「わかりました。それでは」
「はい。僕としてもライオンロボ君とはまたお話がしたいですしね」
「わかった、じゃあこちらからもな」
「ええ。それではまた」
アズラエルはモニターから姿を消した。そしてまたサザーランドが口を開いた。
「そういうことだ。では私は捕虜を収容してジャブローに向かう」
「了解」
「それではこれで」
サザーランドの連邦軍とロンド=ベルは捕虜の収容、保護が終わってから別れた。捕虜達はとりあえずはジャブローで収容されることとなった。
それが終わった時彼等の前にはキラがいた。キラはアークエンジェルの格納庫で仲間達と対していた。
「生きていたのか」
「うん」
サイに応える。
「しかしどうしてここに」
「あの紫の髪の人に助けてもらって」
「シュウだな」
「はい、あの人です」
マサキの言葉に答えた。
「あの野郎、今度は何を考えてやがるんだ」
「それでザフトに案内されまして」
「ザフトに!?」
それを聞いてピートが声をあげる。
「馬鹿な、どうしてザフトなんかに」
「僕に会って欲しい人がいるって言われて。それで」
「それは一体誰だったの?」
今度はマリューが問うた。
「すぐにこちらに送ってくれればよかったのにどうしてザフトに」
そが最大の疑問であった。普通はそうするからである。
「ラクス=クライン嬢に会ってもらいたいと」
「ザフトの歌姫の」
「はい、彼女です」
「どうして彼女に」
「ヤマト少尉、話が見えないのだが」
ナタルが言った。
「何が何なのか」
「ラクス嬢はプラントと連邦の間にある危機に気付いているんです」
「連邦とプラント!?」
「何だ、それは」
ヤンロンにもそれはわからなかった。
「教えてよ、それは何なのさ」
リューネも問う。彼等にとって聞き捨てならないことであった。
「まだ彼女も詳しいことはわかっていませんが首謀者はわかっています」
「それは誰?」
「クルーゼ。ラウ=ル=クルーゼです」
「あいつが」
「彼は連邦とプラントを争わせ互いを滅ぼそうとしています。その為に今暗躍しているのです」
「あの男、怪しいと思ったらそれか」
ムウはそれを聞いて呟く。
「一体何をしやがるっていうんだ」
「ラクス嬢はそれを止める為に今動いています。そして僕に」
「あのガンダムを渡したってわけだな」
「そうです。彼と戦い、皆を護る為の新しい剣として」
キラは言った。
「ガンダムフリーダム。それが僕の新しい剣です。彼女が授けてくれた」
「御前はそれで戦うってわけだな」
タダナオがそれを聞いて言った。
「フリーダムで」
「そうです。その為にここに戻って来ました」
「そうなの」
マリューは呟く。
「それでアラスカに」
「ラクス嬢もいずれ僕達と合流すると言っていました。コーディネイターもナチュラルもありません」
「そうだな、もうそんなことを言っている場合じゃない」
アムロが述べた。
「そのクルーゼという男を止めないと世界が危ない」
「はい、そして僕は皆を護る為」
キラは最後に言った。
「もう一度皆と。お願いします」
「ああ」
「また戦おうぜ」
ムウ達が彼を出迎えた。キラはまたロンド=ベルに復帰しフリーダムが加わった。彼とキース達を迎えたロンド=ベルはそのままオーブへ向かう。その途中であった。
「おい、これは本当なのかよ」
ミネルバの艦内でシンがレイに対して問うていた。その周りにはルナマリアとハイネもいる。
「クルーゼ隊長が本当に」
「間違いない」
レイが彼等に答えていた。
「俺は彼から直接聞いた。資料も見たな」
「ああ」
「だが。まだ信じられないな」
ハイネが眉を顰めさせてそう述べた。
「あのクルーゼ隊長が」
「俺を疑うのならいい」
レイはハイネに対しても答える。
「だが全ては本当のことだ。タリア艦長も信じてくれた」
「艦長も」
「そうね。あんたの言っていることは妙に現実感があるわ」
ルナマリアは深刻な顔で腕を組んでいたその顔で言った。
「この話・・・・・・本当ね。シン、あんたも本当はわかってるんでしょ」
「・・・・・・ああ」
シンは彼女の言葉に頷いた。
「これは・・・・・・本当だな。クルーゼ隊長は多分」
「だから俺はラクス=クライン嬢と会った」
レイはまた言った。
「そして結論を下した。俺は一旦プラントを離れる」
「ロンド=ベルにか」
「彼等ならできる。連邦とプラントを救うことが」
「けれどいいの?」
ルナマリアが問う。
「プラントの敵よ、彼等は」
「俺達の本当の敵は連邦じゃない。ラクス嬢もだからこそ決断したのだ」
「ロンド=ベルに入る」
「そうだ、それしかない。プラントを救うのは」
「あえて敵に入ってか」
「嫌か?それならいいが」
「いや」
だがハイネはそれには反対しなかった。ルナマリアも。
「艦長も同じ考えなのだろう?御前と」
「ああ」
「なら俺は反対しない。俺はそれに従う」
「あたしもね。あたしもプラントがなくなるのは嫌だから」
「わかってくれたか」
「シン、あんたもそうなんでしょ?」
「プラントがなくなったら俺の家族もいなくなるんだよな」
「そうよ。当たり前じゃない」
そう言ったシンにルナマリアは言い返した。
「今更何言ってるのよ」
「わかった、じゃあ俺もそれでいい」
シンも頷いた。
「マユ達を護る為ならな」
「わかった、じゃあ俺達はこれでな」
「ああ」
「それでいいわ」
皆頷くしかなかった。レイが見せた資料はあまりにも説得力のあるものだったからだ。それはタリアやハイネといった者達でも納得するしかない程の。タリアは念の為に自分でも調べてみたが偽りではなかった。だから彼女もレイに賛同しラクスについたのである。
「だが。あそこにはあのストライクのパイロットがいるな」
シンは最後にポツリと言った。
「あいつが」
「ああ、そうね」
ルナマリアはその言葉にはっとした。
「あんたが嫌いなのが」
「あいつ・・・・・・一体どんな奴なんだろうな」
シンはふと思った。
「まさかあいつと一緒に戦うなんて」
「嫌か?」
「いや。何か実感がな、沸かなくてな」
シンは複雑な顔を見せていた。
「どっちにしろ一度会ってみるといい」
「あいつとか」
ハイネに応えて顔を彼に向ける。
「そうじゃないとどういう奴かわからないからな」
「・・・・・・・・・」
「ロンド=ベルには入るんでしょ?」
「ああ」
ルナマリアに頷く。これには異論がなかった。
「それはもう決めた」
「だったらいいじゃない。会ってみれば」
「そういうことだな。じゃあ今からな」
「・・・・・・どんな奴なのかな」
シンはそれがやけに気になった。今まで何度も戦ってきた相手だからだ。この時彼はキラが化け物の様な男だと思っていた。だがそれは大きく裏切られるのであった。
アスランはカーペンタリアに向かう前に自分の部屋に戻った。荷物を纏める為だ。
部屋に入るとそこにはハロがいた。ラクスにあげた筈のピンクのハロであった。
「ハロハロ、アスラン」
「ハロ、どうして」
「ハロゲンキ!」
ハロは驚くアスランに対して言ってきた。
「オマエハドウダ?」
「どうだって・・・・・・んっ!?」
ここでハロに書かれている文字に気付いた。それはラクスの字であった。
「何だ・・・・・・白い薔薇の園で待つ。・・・・・・白い薔薇」
鋭い彼はそこに何かを悟った。そしてその場所へとすぐに向かった。
そこは劇場だった。今は休んでいて誰もいない。アスランはその中に忍び込んだ。
念の為銃を持って身を隠しながら中に入る。そして観客席に来た。
「ここか?」
「マイドーーーー」
「あっ」
ここでアスランのポケットからハロが出て行った。そして舞台の方へと跳ねていく。
「ハロ」
「ハロハロラクスーーーーーーーー」
舞台の上には彼女がいた。青いステージ衣装にその長い髪をツインテールにしたラクスであった。
「ラクスーーーーーアスラーーーーーン」
「やはりここでしたか」
「はい」
アスランはラクスのところに来た。そして正対した。
「覚えていて下さったのですね」
「ここは貴女がはじめて歌った場所でしたね」
「はい」
演出に使う豪勢な椅子に座ったラクスが頷いた。
「その通りです」
「以前俺に話してくれましたから」
「来て下さると思っていました」
「貴女に聞きたいことがあります」
アスランは言った。
「新型ガンダムのことで」
「あのことですね」
「ではやはり」
「はい」
アスランの言葉にこくりと頷く。
「あの方・・・・・・キラに新しい剣をお渡ししました」
「キラ!?」
その名を聞いたアスランは思わず声をあげた。
「まさか、あいつは」
「貴方が殺したと?」
「・・・・・・それは」
その言葉を聞いて俯いてしまった。
「御安心下さい。あの方は生きています」
「生きて・・・・・・」
「そうです。シュウ=シラカワ様がマルキオ様と連絡を取って私の所へ連れて来て下さいました」
「そうだったのだから。だからあの時」
「そうです」
「しかし何故貴方がキラを」
キラが生きていることはわかってもまだ疑問は残っていた。
「あの方は地球とプラントを救う為に必要な方だからです」
「あいつが」
「はい。そしてアスラン=ザラ、貴方も」
「俺が・・・・・・どうして」
「貴方はこの戦争について何か思われるところはありませんか?」
「思うところ」
「貴方は最初からこの戦争に参加しておられましたね」
「はい」
それは認めた。
「ユニウス=セブンの時から」
「その通りです。あの時俺はジンに乗っていました」
アスランは語った。
「そしてロンド=ベルが目の前でティターンズと戦っていて」
「しかし連邦軍の造反勢力がユニウスセブンに核攻撃をしました」
「そうです。それは貴女も御存知でしょう」
アスランはラクスを見て言う。
「俺の母さんもそれで」
「おかしいとは思いませんか?」
「えっ」
「何故こうも簡単に連邦軍に核が行き渡り、そしてユニウスセブンに近付けたのか」
「それは」
言われてみればそうである。今まで攻撃されたという事実だけを見て、その背後については深くは考えてはいなかった。連邦軍の造反勢力がティターンズへ向かう手土産にしたのだと思っていた。実際にジブリール達ブルーコスモスの急進派がティターンズに参加したからである。
「私はまずそれを不思議に思いました」
「そしてどうされたのですか?」
「詳しいことを調べました。そしてあることがわかりました」
「あること・・・・・・」
「あの事件の黒幕、そして連邦とプラントを戦いに誘い込む男のことが」
「それはブルーコスモスではないのですか?」
「違います。そしてティターンズでもありません」
「ネオ=ジオンでもありませんね」
「はい。彼等でもありません」
「じゃあ一体」
「それはプラントの中にいたのです」
「プラントの中に!?」
「そうです。その男の名は」
アスランは自分が唾液を飲み込むのを感じていた。二人の間を緊張が支配していた。
ラクスは遂に言った。その男の名を。
「ラウ=ル=クルーゼ」
「馬鹿な」
アスランはすぐにそれを否定した。
「クルーゼ隊長が。どうして」
「これを御覧下さい」
ラクスはここでファイルをアスランに差し出してきた。上着の袖に入れていたものだ。
「ここに証拠があります」
「嘘だ、まさか」
「私が嘘を言うと思われますか?」
アスランの目を見て問う。
「嘘だと思われるのならば何時でも私を撃って下さい」
「うっ」
ラクスの性格は知っていた。嘘を言う人間ではない。だがだからこそ。アスランは今の言葉を信じられなかった。
「これですよね」
だがまずはそのファイルを受け取ることにした。
「それは」
「はい、御読み下さい」
ラクスは言った。そしてそれを渡した。
「そこに今わかっている全てがあります」
「そうなのですか。この中に」
アスランはそのファイルを読みはじめた。そこには恐るべきことが書かれていた。
「まさか。それで人類を」
「彼がそう考えているのか、そしてその組織の名はまだ私もわかりません」
ラクスは述べた。
「それはまだ調査中です」
「そうなのですか」
「ですが。これでおわかりになられましたね」
「はい」
アスランはこくりと頷いた。
「彼が何を考えているかが」
「ええ」
「そして私は貴方にもまた力を貸して欲しいのです」
「俺にも」
「そのファイルはお渡しします。そしてそれを手に地球へ」
「地球へ」
「私は彼のことがよりわかり次第ロンド=ベルに合流します。ですから貴方も」
「プラントを裏切れというのですか?」
「違います。プラントの為、いえ人類の為にロンド=ベルに入って頂きたいのです」
ラクスは言う。
「私の同志達と共に」
「他にもいるのですか」
「はい、そして今はミネルバもまたロンド=ベルに入っている筈です」
「タリア艦長もですか」
「連邦とプラントは戦うべきではありません。ナチュラルもコーディネイターもないのです」
「・・・・・・・・・」
ラクスの言葉に沈黙してしまった。何も言えなかった。
「その為に私もまたロンド=ベルに」
「そして俺も」
「キラもまたロンド=ベルにいます」
「そうなのですか」
「ですから貴方もまた」
「ジャスティスと共に」
「わかりました」
アスランも遂に頷いた。
「では俺もまたキラと共に」
「はい。人類を救う為に力を貸して下さい」
「わかりました。しかしラクス=クライン」
アスランはラクスを見てすっと微笑んだ。
「何か?」
「貴女は。俺が思っていたよりもずっと素晴らしい方なのですね」
「うふふ」
ラクスもその言葉に微笑んだ。そして笑顔で手を握り合う。アスランもまた運命の中に入った。今運命はキラとシン、そしてアスランも巻き込んで大きなうねりになろうとしていたのであった。

第百二十話完

2006・10・13  
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