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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇

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第百八話 遥かなる凱歌

                第百八話 遥かなる凱歌
暗黒ホラー軍団との戦いを終え意気揚々とまではいかないまでもそれ程重い気持ちで帰路についてはいなかったロンド=ベル。だがそんな彼等をいきなり耳をつんざくような悲鳴が飛び込んで来た。
「すぐに戻って来て下さい!」
スワンのものであった。彼等に対して叫んでいた。
「ど、どうしたんだ一体」
「原種の襲撃デス!七体来まシタ!」
「何だと!?」
凱がそれを聞いて驚きの声をあげる。
「何てこった!大変なことじゃないか!」
「だからデス!すぐにも!」
「わかった!グローバル司令!」
「うむ、全軍全速力でオービットに戻るぞ!」
「了解!」
「くっ、暗黒ホラー軍団の相手をしている隙を突かれるとは!」
「敵も味なことしてくれるもんね!」
「そんなこと言ってる暇はねえ!とにかく戻るぞ!」
ボルフォッグとマイクにゴルディマーグが叫ぶ。
「そうよね!」
「とにかく今は一刻でも早くオービットに!」
光竜と闇竜もそれに頷く。
「オービットにはヘリオポリスからの避難民がいる」
「彼等のこともあるな」
「ヘリオポリスの」
キラは氷竜と炎竜の言葉にビクリとした。
「そうだ、あの娘も」
「キラ隊員、だからこそだ」
「僕達はすぐにオービットに戻り彼等を守ろう」
「う、うん」
風龍と雷龍の言葉に頷く。彼は今自分が焦っているのがわかった。
「キラ、焦りは禁物だぞ」
「凱さん」
それは凱にも言われた。
「勇気は持て!だが焦りは持つな!」
「勇気を」
「そうだ!それが全てを守ることになる!いいな!」
「は、はい」
「それにこちらには白兵戦の戦力だって凱さん達の他にもいてくれますし」
「誰!?」
ウッソの言葉に顔を向けると早速名乗りをあげてきた。
「ヘイ!このアーム=ド=ハッター軍曹だせ!」
「ハッターさんが」
「中での戦いもノープロブレム!派手に暴れてやるぜ!」
「派手にやり過ぎて市民に危害を及ぼすなよ」
「わかってるって!ここは慎重にな!」
チーフに返す言葉はどういうわけか異様なまでに説得力のないものではあったが。
「他には宙さんもいますし」
「宙さんも」
「万丈さんだって強いんですよ、懐からマシンガン出したりして」
「そんなのどうやってやるの?」
「ははは、まあ細かいことは気にしないことさ」
「はあ」
万丈本人に誤魔化されて突っ込む場所を失ってしまった。
「それにドモンさんも」
「あの人達も」
「ですからかなり大丈夫ですよ。それこそBF団でも来ない限りは」
「彼等が来たら恐ろしいことになってるわね」
「そうね、一人でもね」
ジュンコとマーベットがそれを聞いて言った。
「とにかく全速力だ、エンジンが焼き切れても行くぞ」
「ケーニヒ二等兵、全速力で」
「了解、それじゃあ」
八隻の戦艦はオービットに急行する。その時同時にオービットに向かう者達もいた。
「J」
白と緑の戦艦の中で紫の髪の少年が鳥の様な仮面の男に言っていた。
「奴等はオービットベースに侵入した」
「そうか、わかった」
Jと呼ばれた仮面の男はそれに頷いた。
「私とアルマは奴らを追う」
「うん」
「戒道、ここは任せるぞ!」
「わかった」
その戦艦もまたオービットへ向かう。オービットでは今原種への迎撃に追われていた。
「原種はその身体を人間サイズまで小型化させています!」
猿頭寺が報告する。いつもの何処かのどかな様子はなかった。
「その数七体!」
「そんな、オービットベースのプロテクトシェードをかいくぐって侵入するなんて!」
「牛山、驚いてる場合じゃねえ!長官、俺は迎撃部隊の指揮を執る!」
「現場は任せるぞ火麻参謀!」
大河はそれに応えて許可を出した。
「まさかロンド=ベルのいない隙を突いて複数の原種が現れるとは」
「おそらくこれが狙いだったんだろうな」
獅子王博士は兄の言葉に応えて言った。
「救援の要請はしたが時間がかかる」
「うむ」
「彼等が来るまでは僕達で持ち堪えなければ」
「ヘリオポリスからの避難民は」
「すぐに一番奥に避難させるんだ」
大河はスワンに指示を出した。
「まずは彼等の安全を最優先させる。いいな」
「ハイ!」
「レーダーに反応!」
「また敵か!」
「いえこれは」
猿頭寺が叫ぶ。
「八隻の戦艦!ロンド=ベルです!」
「そうか、間に合ってくれたか!」
「大河長官!」
「グローバル艦長!」
「今から基地に突入します!それで宜しいですな!」
「はい!是非お願いします!」
「よし!全軍突入だ!」
「よし来た!」
フォッカーが叫ぶ。
「白兵戦で原種を撃退するぞ!」
基地の中での白兵戦が幕を開けた。今その七体の原種が集まっていた。
「七体か」
それは不気味な姿をした者達だった。その中のリーダー格の男が呟いた。
「充分だ。支障などない」
それに七体のうちの一人が応えた。
「だがロンド=ベルの帰還が思ったより速かったな」
「そうだな」
「それが誤算だった」
「案ずることはない」
しかしリーダー格の男はそれでも焦ってはいなかった。
「充分過ぎる程の余裕がこちらにはある。それに奴らが揃ったならこちらにとっても手間が省ける」
「では目的の再確認を」
メンバーの一人の言葉に応えて彼等は言った。
「第一。GGGと呼ばれる組織の宇宙基地の占拠」
「第二。カインの遺産、アベルの遺せし災いの完全抹消」
「第三、ロンド=ベルの壊滅」
「よし」
そこまで聞いてリーダー格の男が頷いた。
「では行くか」
「うむ」
「さあ、いよいよショーの始まりよ!」
異様なまでに長い爪の男が言った。そして彼等はそれぞれ散ったのであった。
オービットの中は騒然としていた。ロンド=ベルもGGGも皆必死の形相で戦闘配置についていた。
「総員攻撃準備!」
火麻が牛山や連邦軍の兵士、そして銃を持つロンド=ベルの面々を率いていた。
「奴等は俺達が食い止めるぞ!」
「了解!」
皆それに頷く。その時だった。
「無駄な真似をしてくれる」
「き、来ました!」
牛山がそれを見て叫んだ。
「原種です!!」
「出やがったな!」
外見は太った大男だ。だが人間ではなかった。
「ここからは一歩も進ませねえ!撃てーっ!!」
「全員で攻撃を仕掛ける。しかしそこに現われたもう一体の原種が嘲笑うようにして呟いた。
「愚かな」
一斉射撃を仕掛ける面々。だがその銃弾そのものが掻き消えた。
「なっ、こっちの撃った弾が消えた!?」
「私の能力は原子分解」
もう一人の痩せた男が言った。
「あらゆる物質を微細な塵に変える」
「そ、そうか!その能力で自らを原子分解してオービットベースに侵入したのか!」
「馬鹿言うな!塵になった身体をどうやって元の状態に戻すんだよ!!」
火麻は牛山に対して叫んだ。
「けど実際に!」
「ってそんなこと言ってる場合じゃないですよ!」
「何っ!?」
「原種が!」
バーニィの言葉に振り向く。すると痩せた男は火麻達を剣呑な目で見ていた。
「邪魔だ」
「まずい!」
「くそっ!塵にされてたまるかよ!!」
火麻はマシンガンで攻撃を浴びせる。それは痩せた男に次々と当たった。
「ぐっ!」
「見たか、全弾命中だ!」
火麻は会心の笑みを漏らした。
「元ID5のシルバーピューマは伊達じゃねえんだ!」
「その身体のサイズじゃこれだけの直撃は耐えられないはずだ!」
牛山も叫ぶ。しかし。
「それはどうかな?」
今度は大男が言った。そして異変が起こった。
「なっ!?」
「傷ついた原種の身体が元に戻っていく!」
「私の能力は再生復元」
大男は言った。
「例え原子レベルに分解された物質であろうと再生出来る」
「ということは!?」
「不死身ってことかよ!」
牛山と火麻は同時に叫んだ。
「遊びは終わりだ」
「消えてもらう!」
そこへ二人の男が攻撃を仕掛ける。躊躇している時間はなかった。
「後退だ!」
火麻はすぐに決断を下した。
「後退するぞ!」
「し、しかし!」
「ここは!」
「逃げるわけじゃねえ!」
彼はクリスとバーニィに対して叫んだ。
「後ろに回って全力で前進しろ!!」
「了解!」
「それじゃあ一時!」
彼等は撤退するしかなかった。戦いはここでは原種の勝利であった。
格納庫でも戦いは行われていた。ロンド=ベルの面々が銃を手に二体の原種と対峙していた。
「ここは通さないよ!」
ドモンが叫ぶ。
「そうだ、僕達だって白兵戦が出来るんだ!」
「それを今見せてやるよ!」
「撃て!撃ちまくれ!」
イーノもエルもビーチャも必死であった。マシンガンを放つがそれは敵には通用しなかった。
「マシンガンが利かないって!?」
ルーが驚きの表情を浮かべる。彼等の攻撃はあのリーダー格の男のマントに全て弾き返されてしまったのだ。
「そんなの有り得ないよ!」
「どういうことなんだ!」
そこにはプルとプルツーもいた。彼女達も参加していたのである。
「それが攻撃のつもりか」
男はビーチャ達に対して言った。
「まずい!」
宙が男を見て叫ぶ。
「皆ここは下がれ!」
「宙さん」
「どうして!?」
「こいつは生身の人間が適う相手じゃない!危険だ!」
そう言いながら自分が前に出る。
「ここは俺が!」
「待て、宙!」
だがそこに誰かがやって来た。
「ムッ」
「ふふふ、やはりな」
男はそのやって来た影を見てほくそ笑んだ。
「来たか、サイボーグ凱」
「そうだ。貴様が原種か!?」
「その通りだ。この基地に侵入しやすいサイズになっているがな」
男はそれに応えた。
「皆」
凱は仲間達の方を振り向き言う。
「ここは俺に任せて他のところを」
「しかし」
「ここは俺がやる。任せて」
「いいんだな、それで」
宙が凱に問う。
「ああ、こいつは俺がやる」
「わかった。、じゃあ任せる」
宙はそこに凱の決意を見た。そしてそれを認めた。
「頼むぞ」
「ああ。原種!」
宙達は他の場所へ向かう。凱はその足音を背中で聞きながら原種と対峙していた。
「ここから先は一歩も進ませやしないぜ!!」
「出来るのか、貴様に」
「やってやる!何があろうとな!」
「そうか。では」
「!?」
男は腕を振るった。すると何か衝撃波の様なものが凱に襲い掛かってきた。
「ぐわあっ!!」
それが凱を打ち据える。それだけで彼はかなりのダメージを受けた。
「我が超指向性重力波の味はどうかね、サイボーグ凱」
「まだまだ!」
しかし凱はこれでは倒れはしない。踏ん張ってみせてきた。
「この程度で!」
「さすがだと褒めておこう。だが」
男は余裕の笑みを見せながら凱に言う。
「これで消えてもらう!」
再び重力波を放とうとする。しかしそこにもう一人姿を現わした。
「隙ありっ!」
風を切る音がして男に攻撃が加えられた。それは男の腕を打ち彼はそれを押さえた。
「ムッ、誰だ!」
「御前は!」
「ソルダートJ!」
見ればJがそこにいた。そして凱と共に原種と対峙していた。
「ふむ、やはりな」
男はそのJを見て言った。
「やはり現れたか、ソルダート」
「あの時と同じだ。三重連太陽系の最後の攻防戦」
Jは何かを思い出すようにして語りはじめた。
「我々空の戦士が御前達原種に白兵戦を仕掛けたあの時と!」
「まさか、こんな銀河の果ての星で再会することになろうとはな」
「私にとっては幸いだ」
Jは原種達を見据えたままで言う。
「戦士としてのけじめ…今ここでつけさせてもらう!!」
そして攻撃を仕掛ける。男はそれに反応する。
「遅いわ!」
Jの攻撃が浴びせられる。だがそれは呆気なくかわされてしまった。
「かわした!?」
それを見て思わず声をあげた。
「こちらの攻撃が見切られているのか!」
「私の能力は遠距離探知と未来予測」
男と共にいた大きな目の女が言う。
「如何に素早い動きでも先を読んでいればかわせる」
「だがその読みを上回る攻撃ならば!」
凱が前に出ようとする。しかしJがそれを制する。
「手助けなどいらん。そこで寝ていろ!」
「馬鹿を言え!誰が御前の手助けなど!」
そう言うとはいパーモードに入った。
「ハイパァァァッモォォォドッ!」
変身する。その上で再び原種達と対峙する。
「ほう」
「これは俺の戦いだ!御前とは関係ない!!」
Jに対して言う。だがJはそれを聞き入れようとはしない。
「勝手なことを!」
「ならばそれでよい」
男はそんな二人を見据えて言い切る。
「JとG、そろって消去してくれる!」
格納庫での戦いも本格化しようとしていた。そしてそれは他の場所においても同じであった。
「急がなくちゃ!」
通路の中を護が走っている。その周りにはショウやトッドがいる。
「急ぐぞ護!」
「うん、早くメインオーダールームへ行かなくちゃ!!」
ショウに応える。だがその時だった。
「そうはさせん」
「!?」
壁に穴が開く。そこからフードに身を包んだ不気味な男が姿を現わした。
「原種!」
「こんなところで!」
「見つけたぞ、カインの造りし破壊マシン」
原種は護を見据えてこう言ってきた。
「そんな、こんな近くに来るまで感じられなかったなんて!」
「私はマイクロブラックホールを自在に制御することが出来る」
この原種は落ち着き払った声でこう述べた。
「重力の井戸の底に潜んでいれば御前のセンサーにかからんというわけだ」
「チッ、せこい真似しやがるぜ!」
トッドがそれを聞いて顔を顰めさせた。
「このまま御前を吸収し、深い闇に閉ざせば」
「どうするつもりだ!?」
ニーがそれに問う。
「カインの造りし破壊マシンとてその力を発揮することは出来まい」
「例え僕が破壊マシンだとしても!」
しかし護もそれに負けてはいない。小さな身体で原種と対峙していた。
「皆を守るんだ!」
「いや、違う」
ここでまた誰かの声がした。
「君は破壊マシンじゃない」
「この声は」
そこに戒道が姿を現わした。そして護の側にやって来る。
「君は緑の星で生まれたカインの子」
「僕が」
「そう。そして破壊マシンとして赤の星のアベルに造られたもの」
戒道はさらに言う。
「それが僕だ!」
「戒道・・・・・・」
「三重連太陽系の二つの惑星GとJ、緑の星と赤の星」
原種は戒道を見て忌々しそうに言った。
「機界昇華を終えてもまだ我等へ抵抗を続ける気か」
「二つの惑星」
「どうやらこれはかなりスケールの大きな話みたいだな」
バーンがそれを聞いて言った。
「地球やバイストンウェルとはまた違った場所で」
「ラ=ギアスともな」
ファングがそれに応える。
「どうやら宇宙には宇宙怪獣の他にもまだまだ何かとあるらしいな」
「忘れたとは言わさん」
原種はさらに言う。
「あらゆる生物、あらゆる機械が溶け合い緑の星は昇華された」
「・・・・・・・・・」
戒道はそれを黙って聞いている。
「だがカインの子として生まれたラティオは持って生まれた能力によりゾンダーにならなかった」
「ラティオ・・・・・・」
「そう…そしてラティオの能力を元にして造られたのが対機界昇華反物質サーキット」
戒道は護に応える形で述べる。
「Gストーンだ」
「赤の星のアベルはGストーンを研究し、Jジュエルを造った」
原種はまた言った。
「そしてラティオをコピー、サイコキネシス能力を強化した生体兵器アルマを造った」
「まさかそれって」
「チャムさん、憶測は」
「そうです、これはどうやらかなり複雑な話です」
「そうみたいね。それじゃ」
フレキとゲリに言われてチャムも黙る。そして原種の話を聞く。
「さらにサイボーグ戦士ソルダート師団を作り宇宙戦艦ジェイアークと共に我等に対する最終兵器としたのだ」
「そんなことがあったんだ」
「遥かな銀河でね」
戒道はまた護に言った。
「しかし機界昇華を止めることは出来なかった。そして」
原種は二人をまた見据えた。
「アベルの造りしアルマ、カインの子ラティオ。最後に残った御前達二人を消去すれば我等機界三十一原種を脅かすエネルギーは絶える」
「違う!僕はラティオじゃない!」
護は叫ぶ。
「僕のお父さんは天海勇!お母さんは天海愛!」
さらに叫ぶ。
「僕は地球人の天海護だーっ!!」
「消えろ、ラティオ!」
原種は護に攻撃を仕掛けようとする。
「護!」
「危ない!」
ショウ達が彼の間に入ろうとするが間に合わない。だがそこには戒道がいた。
戒道の身体が緑に光っていた。そしてその光で原種の攻撃を中和していたのだ。
「戒道!」
「ここは僕が食い止める」
戒道は護に対して言った。
「君は先に進め!」
「でも何か僕にも出来ることが」
「大丈夫だ、早く行け」
しかし彼は留まろうとする護を行かそうとする。
「これは僕の戦いだ」
「戒道、わかったよ」
そして遂に護もそれに頷いた。
「でも辛くなったら何時でも僕を呼んで。地球人の友達として」
「友達・・・・・・」
「うん、友達だよ」
護は少し驚いたような声を出した戒道に対してまた言った。
「だからね」
「わかった」
そして彼はそれに頷いた。
「有り難う」
「頑張ってね、戒道!」
「ああ、ここは任せてくれ」
「ではここは彼に任せよう」
ヤンロンが皆に対して言った。
「その間に僕達は他の場所に」
「よし」
「じゃあ行くぜ」
ショウやトッドもそれに頷く。こうして彼等は護と共に他の場所へ向かうのであった。
「アルマ」
「何だ」
戒道は原種の言葉に目を向けてきた。
「青い星で暮らす内に同族意識を持ったようだな」
「違う、僕は破壊マシン」
だが彼はそれを否定るす。自分を破壊の道具とまで言った。
「御前達を滅ぼすのが目的だ」
「そうかな」
だが原種はくぐもった声で笑った。
「我々は知っているぞ。あのラティオを始めとする御前の友人達」
そして言う。
「育ての親。それを我らが手にすれば」
「それ以上は言う必要はない」
戒道はそれを黙らせた。
「御前は僕を怒らせた」
その全身が激しく光る。それは瞬く間にその場を覆ってしまった。
戦いは他の場所でも行われていた。メインオーダールーム前でもそれは同じであった。
「な、何なんだよこいつ等!」
銃を持つトールがたまりかねて叫ぶ。
「滅茶苦茶じゃないか!」
「そんなこと言ってもはじまらないでしょ!」
その隣で銃を放つミリアリアが言った。
「どっちにしろやっつけなくちゃいけないんだから!」
「けどどうするんだよ!」
「知らないわよ!」
「ドモンさん達は?」
「まだ到着に時間がかかるみたいだ」
カズイにサイが答えた。
「そうなんだ」
「それまでは僕達がここで持ち堪えるしかないけれど」
「かといってもこれじゃあ」
ミカが弱気な顔になっていた。
「何時突破されるか」
「タケルは?」
「ドモンさん達と一緒みたいですね」
「そうか、まずいな」
ケンジはアキラの言葉に苦い顔になった。
「タケルがいれば違うんだが」
「そういえばタケルさんって超能力使えるんでしたね」
「ああ、それもかなり強力なのをな」
ケンジはミリアリアにもそう返した。
「じゃあタケルさんが来れば」
「おい、お嬢ちゃん」
しかしそんな彼女にナオトが声をかけてきた。
「はい?」
「人に頼るよりな、まず自分がやりな」
「自分が」
「そうだ。タケルがいなくてもな、俺達がやるんだよ」
「僕達だけで」
「そうだ、わかったな」
ナオトはサイ達にもこう言った。
「わかったらここを守るんだ、いいな」
「は、はい」
彼等は物陰に隠れ銃を放つ。だがそれで防げる相手ではなかった。原種は恐るべき速さで突破してきた。
「クッ、しまった!」
「速い!」
「大変デス!」
メインオーダールームでスワンが叫ぶ。
「最終防衛ラインも突破されマシタ!」
「原種め!このメインオーダールームまで来るか!」
「はい!」
「そしてケンジ君やサイ君達は」
「全員無事デス」
「そうか。それは何よりだが」
大河はそれに一先は胸を撫で下ろした。だが。
扉が派手に爆発した。そして煙と埃の中から二人の異形の者達が姿を現わした。
「ゴールに着いたようだな」
「くっ!」
大河だけでなくそこに詰めている全ての者が迎撃態勢に入った。メンバーはミサトやアムロといった面々である。
「貴様等の目的は何だ!」
大河が原種に問う。
「何の為にこのオービットベースを襲った!?」
「決まってるじゃないの。衛星軌道上に浮かぶここはアレにとって最適の場所なんだから」
「ま、まさか!」
獅子王博士がそれを聞き目を大きく見開く。
「その通り。この基地はもうすぐゾンダーメタルプラントに生まれ変わる!」
原種のうちの一体が言った。
「そして、ここより放たれるゾンダー胞子は地球をくまなく多い尽くすのさ!」
「何だとっ!?」
「ゾンダーは完全体になるとゾンダー胞子を打ち出す苗床へと変わるのよ」
原種はさらに大河に応える形で言った。
「素粒子ZOを放たれれば人類だけでなく地球生物全てが」
「安心なさい。滅びは文明の運命よ」
原種は獅子王博士にも応えた。
「さあ、御前達は俺の操り人形になってもらおう」
「くっ!」
絶体絶命のピンチであった。だが。間一髪間に合った。
「よし!」
「やっと間に合ったな!」
ドモン達ガンダムファイターとタケル達であった。彼等は何とかここに駆け付けることが出来たのであった。
「大河長官!」
ドモンが叫ぶ。
「ここは俺達に任せて退いてくれ!」
鉄也もいた。ロンド=ベルにおいて格闘戦でもかなりの戦闘力を持つ面々である。
「おおドモン君鉄也君!」
「おや?まだ生き残りがいたか」
しかし原種達は彼等を見ても全く動じてはいない。自分達も攻撃態勢に入った。
「ならば、全てを切り裂く私の爪の餌食におなり!」
攻撃を仕掛けようとする。だがそこにドモンがやって来た。
「させんっ!」
原種の爪を弾き返す。相変わらずの戦闘力であった。
「何とっ!」
「御前の相手は俺だ!容赦はせん!」
「おのれっ、だが!」
異様に長い爪を持つ原種は仲間の大きな耳を持つ原種に顔を向けて言った。
「この男の相手は私がする!その間に他の連中を!」
「おう!」
彼は仲間の言葉に頷く。だがその時だった。
銃声が鳴り響いた。それで原種の動きが止まった。
「うおっ!お、俺の耳にあ、穴がっ!」
「どないや!」
耳を押さえてうずくまる原種。そこには十三が銃を持って立っていた。
「これならデカいピアスも付けられるやろ!」
「見事です浪花十三」
ジョルジュがそれを見て微笑む。
「流石はロンド=ベルの名スナイパーですね」
「十三だけじゃない!俺達もいるぜ!!」
他のコンバトラーチームもいた。そしてタケルまでいる。戦力的には圧倒的になっていた。
「覚悟しろ、原種!」
鉄也が言う。
「幾ら御前でもこれだけの数の相手は出来まい!」
「黙れ!!」
だが原種は自分達の劣勢を認めようとはしない。
「人間ごときが幾ら集まろうと私達が倒せるものか!」
「ならば試してみろ!」
タケルが衝撃波を放ってきた。至近であった。
「うおっ!」
「人間の力を甘くみるなよ、原種!」
「ここから先は一歩も進ませない!」
ブリットもいる。彼は機関銃を手に持っていた。
「何があってもな!」
「よっしゃ!俺達もブリットに続くぞ!!」
「はい!!」
甲児の言葉に洸が頷く。役者が揃っていた。
「おのれロンド=ベル!」
原種はそれを見ても戦意を衰えさせず彼等を睨みつけていた。
「こうなればまずは貴様等から片付けてやる!」
「そうはいかないよ!」
サイシーがそれに対して言う。
「何っ!?」
「こっちにはとっておきのカードがあるってことだぜ」
ヂボデーはファイティングポーズをとりながら不敵に笑っていた。
「来い、今だ!」
そしてアルゴが呼ぶ。そこでまた扉が開いた。
「何っ!?」
「御前は!」
「もう許さない!」
そこから現われたのは護であった。子供とは思えない気迫で原種達を見据えていた。
「勝負だ機械三十一原種!」
「ラティオ!」
「僕が誰であろうと僕はこの地球を・・・・・大好きな人達が住む地球を」
彼は言う。
「皆と一緒に守るんだ!」
そこまで言うと全身を輝かせた。緑の翼を持つ光の天使に変わった。
「なっ!」
「と、とんでもないGパワーよ!」
原種達はその護のGパワーに押されていた。そこまでの力が今の護にはあったのだ。
「奴は我々のパワート対消滅する気か!?」
「うおおおおっ!!」
護は彼等を圧倒していた。そのまま押し切ろうとする。だが。
「くっ、ここは撤退だ!」
「仕方ないわね!」
彼等ですらその前には劣勢を認めるしかなかった。そして遂に退いたのであった。
「よくやったぞ護!」
「さすがはGGG特別隊員!」
甲児と獅子王博士が二体の原種を退けた護を褒め称える。
「見事な勇気だ!」
「喜ぶのはまだ早いよ!」
だが護はそれに安心してはいなかった。
「まだ原種達はオービットベースの中にいるんだから!」
「そうか」
「うん、だから」
「じゃあ行こう行護!」
アレンビーが護に声をかけた。
「その力で原種の居場所を突き止めてよね!」
「うん!」
メインオーダールームでの戦いは終わったが他の場所ではそうではなかった。火麻達は追い詰められていた。
「どうした?もう後がないぞ」
二対の原種によって。彼等は追い詰められていたのである。
「ここは俺が引き受ける!」
火麻が叫んだ。
「御前等は逃げろ!」
「何を言うんです参謀!」
だが牛山がそれに反論する。
「最後まで僕も戦います!」
「そうだよ!」
「参謀だけ置いていけるか!」
プルとプルツーも。彼等は何があっても火麻を置いて自分達だけ逃げようとはしなかった。しかしこれは原種にとっては笑うだけのものであった。
「ふん、これが人間の持つ同族意識・・・・・・信頼とかいう奴か」
彼等はそれを一笑に伏した。
「ならば仲良く同時に葬ってやるわ!!」
「おい、今だ!来い!」
だがここで火麻が叫んだ。そしてここで攻撃が原種達に浴びせられた。
「ムッ!?」
「何だと!?」
「救援に来たぜ、参謀殿!」
「間に合ってくれたか、ゴルディマーグ!」
何とそこにゴルディマーグがやって来たのだ。氷竜と炎竜も一緒である。
「連絡通りですね」
「丁度いいタイミングだったみたいだね」
「おお、いいところに来てくれたな!」
「助かったよ!」
ジュドーとシーブックがGGGのマシン達に言う。彼等は危機を脱してほっとしていた。
「GGGのロボットか!」
原種達は彼等の姿を認めて歯噛みをする。
「ぬかった…!奴等のサイズでもこの空間なら活動出来るか!」
「そう!」
何かが飛んできた。そして原種達を撃った。
「ぐはっ!!」
「シルバームーン!」
それは手裏剣であった。白銀の月をかたどった美しい手裏剣である。
「ってことはあいつも来てくれたのか!」
「はい」
「ボルフォッグ!」
ビルギットが彼の姿を認めて声をあげる。
「いつもながらいい見せ場じゃねえか!」
「皆さん、後は私達にお任せを」
「頼んだぞ!ボルフォッグ、ゴルディマーグ、氷竜、炎竜!」
「くっ、だが!」
それでも原種達は諦めない。
「我が能力ある限り貴様達に勝ち目はない」
「そいつはどうかな?」
しかしゴルディマーグはそう言った彼等にたいして余裕の言葉で応えた。
「御前達がここに足を踏み入れた時に勝負は既についていた」
「何っ!」
そしてボルフォッグも言った。原種達がそれに何かを悟った瞬間だった。
「ぐおっ!」
「わりぃな、俺達もいるぜ!」
二体の原種に一斉射撃が加えられた。そしてそこに四方八方からロンド=ベルの面々が姿を現わしたのである。今撃ったのはデュオであった。
「周囲からの一斉射撃だと!何時の間に!」
「まずい!このままでは再生が追いつかん!」
大男が言う。こうなっては彼等とてもどうしようもなかった。
「くそっ!ここは退くぞ!!」
「うむ!」
彼等は床に沈んだ。そして姿を消した。
「原種は床を突き破って逃走したようです!」
「クッ、逃げ足も速いというのか」
カトルの言葉にウーヒェイが顔を顰めさせた。
「だがこれで危機は脱した。よしとすべきか」
そんな彼にトロワが言う。何はともあれ原種は去った。
「何、心配無用です」
そしてボルフォッグもウーヒェイに言った。
「奴等の行き先は護隊員が感知してくれるでしょう」
「上手くいったな、ボルフォッグ」
マイヨがそんなボルフォッグに言った。
「貴殿の作戦通りだ」
「幾ら原種と言えど無敵ではありません」
それがボルフォッグの言葉であった。
「力を合わせれば勝機はあります」
「だが、奴らはまだ生きている」
それでも油断することは出来ない。ヒイロが言った。
「追うぞ!」
「わかった!」
一矢がそれに応える。
「じゃあ皆追うぞ!」
「うむ!」
「おう!オービットベースを穴だらけにしてくれた借りをしてやるぜ!」
それに京四郎とゴルディマーグが応える。そして皆追撃にかかる。その中一人俯く者がいた。
「おいキラ」
そんなキラにムウが声をかけた。
「ボサッとしてる場合じゃないぞ。御前も戦力の一人なんだからな」
「けど僕銃は」
「あれっ、使い方知らなかったのか?」
「はい」
「あらまあ」
「じゃあ剣とかは?」
「御免なさい、それも」
レッシィに申し訳なさそうに返す。
「参ったな、そりゃ」
「何、いざとなったら素手があるさ」
「そんなの滅多にいないぞ」
レッシィはダイゴウジに呆れた声で応えた。
「ドモンとかじゃない限りな」
「ヤマダさんでも無理よね」
「ヤマダではない!俺はダイゴウジ=ガイだ!」
アムの言葉にムキになって返す。
「俺の名はダイゴウジ=ガイ!覚えておけ!」
「じゃあヤマダの旦那」
リョーコがムキになるガイに言った。
「素手で原種に勝てるのか?」
「俺では無理だ」
「だよなあ」
「やっぱりそんなの普通の人には出来ませんよ」
「エスパーなら可能かと」
ヒカルとイズミも言う。イズミは珍しく駄洒落は言わなかった。
「けどまあ、銃の扱い知らないのはな」
サブロウタがキラに目を向けてきた。
「これに生き残ったら扱いでも教えてもらうんだな」
「そうだな、銃は身を守る為にあるから」
「自分の身を」
「そうさ」
アキトはキラにさらに言う。
「自分の身は自分で守る」
「それが男だ!」
「そういうわけだ。さもないと自分が死ぬ」
「自分が」
ナガレの言葉にも顔を暗くさせる。
「死にたくはねえだろ?やっぱ」
「はい」
サブロウタの言葉に頷く。
「やっぱり」
「じゃあわかるな」
「自分の身は自分で守るんだ。さもないと」
アキトはまた言った。
「自分が怪我をすることになるから」
「わかりました」
頷きはしたが力ないものだった。キラはまだ戦いを拒んでいたのであった。シンとの戦いの時の闘志は今はなかった。
「攻撃行動予測」
そして格納庫では二体の原種と凱、Jの戦いが続いていた。
「あらゆる事象を見渡すこいつの目」
髭の男が不敵に笑いながら言う。
「そして私の腕から放たれる重力波から逃れる術はない!」
「誰が!」
凱がそれに向かおうとする。
「だがどうやらお前達と遊んでいる時間はもう終わりらしい」
「何!?」
「他のルートが作戦に失敗したようだ」
男は言った。そして撤退しようとする。
「待て!」
そんな彼をJが呼び止める。
「勝負はまだついていない!」
「同じだな、J」
男はそんなJに対して言った。
「我々が赤の星を機界昇華したあの時と」
「・・・・・・・・・」
「御前の、いや生命体の敗北は逃れられない運命なのだ」
「黙れ!」
だがJはそれを認めない。
「あの時の決着、今こそつける!」
「出来るかな、御前に」
そして男はJを挑発した。するとJは仕掛けてきた。
「食らえぇぇぇっ!」
「うおおおおっ!!」
凱も同時に仕掛けてきた。その動きは完全に合わさっていた。
「ぬおっ!」
男はそれを受けた。受け止めはしたが全身にダメージが響く。
「くっ、同時攻撃か。少しは楽しませてくれるようだな」
「どうだ!」
凱が男を見据えて問う。
「これなら!」
「だが状況が変わった」
それでも男は戦おうとはしない。
「この勝負、預けるぞ」
そして仲間と共に撤退した。すうっと姿を消した。
「くそっ、逃がしたか!」
「邪魔立てするな凱!」
Jが拳を握り締めて悔しがる凱に対して言った。
「これは私の戦いだ!」
「勝手なことを!
「貴様との決着もいずれつける」
だがJはそんな凱に反論を許さない。
「また会おう!」
そして彼も姿を消したのであった。
「ソルダートJ」
凱はそんなJを見送って言った。
「どうやらあの原種とは浅からぬ因縁があるようだ」
それはわかった。格納庫を去ろうとするとそこに放送がかかってきた。
「聞こえる!?凱」
「命か?」
「ええ、そっちは無事みたいね」
「ああ。それでそっちの状況はどうだ?」
「ロンド=ベルの皆の活躍で原種は後退していったわ」
「そうか」
「でも奴等は集結しようとしているみたい!」
「わかった!俺もそっちに向かう!」
「ええ、頼むわ!」
「機界三十一原種、ここで決着をつけてやる!」
彼は再び戦場に向かう。その熱い心に勇気を宿して。戦場に向かうのであった。
オービットベース動力炉。ここに七体の原種が集まっていた。ロンド=ベルや戒道を振り切って。
「ストレスが生み出す物質をエネルギーにして成長するゾンダー」
その七体の中心人物であるあの男も。ここにいた。
「その体内に蓄積された無敵のゾンダー胞子が完成した時」
彼は言う。
「それは放出され同タイプの細胞で構成された生物全てに取り付く」
「地球生物は幼生体を含めて全てゾンダーになる」
「そうだ」
仲間の言葉に頷く。
「では始めよう。青の星地球を機界昇華するために」
「そんなことは!」
「僕達がいる限り絶対にさせない!!」
しかしそこに彼等が来た。二人の勇者が。
「獅子王凱、そしてラティオか」
「そうだ!」
「御前達の思い通りにはさせないぞ!」
「Gエネルギーの持ち主達よ、まずはよく来たと褒めてやろう」
「だが二人で我等機界最強の七原種を相手にできるのか」
「その勇気、無駄にならなければいいけれどね」
「彼等だけじゃない」
しかし勇者は二人だけではなかった。
「御前達を消去するのは我々の使命だ!」
戒道とJもまた。そこにやって来た。
「御前達もか。赤い星の戦士達よ」
「そうだ」
「貴様等を倒すことこそ我等の悲願!覚悟しろ!」
「無事だったんだね、戒道!」
「ああ」
戒道は護の言葉に頷いた。
「まだ倒れるわけにはいかないから」
「貴様等まで来るとはな」
「だがもう遅い」
原種達は言う。
「既にこの空間のゾンダー胞子は完成しようとしている」
「これで我等の勝利だ」
「まだだ!俺達には切り札がある!」
「マイク!」
「OK!マイクの出番が来たもんね!」
マイクが出て来た。その周りには光竜、闇竜と風龍、雷龍がいた。
「いっくもんねーーーーーーー!
「何っ、まさか」
「あのロボットエネルギーソリトンを使う気か!?」
原種達はマイクを見て危機を悟った。
「いけません!」
「止めろ!」
「何としても!」
「甘いわよ!」
「貴方達の相手は私達が!」
だが原種達はマイクの周りにいる四体のマシンが相手をする。
「ここは通さない!」
「マイク、今だ!」
「よし、システムチェーンジッ!」
マイクは遂に変形した。四角いシルエットからノリのいい青い姿になった。196
「サウンドスタンバイ!ディスクX、リミックスバージョン!セットオン!」
マイクがギターを派手にかき鳴らす。すうrと原種達に異変が起こった。
「なっ、これは!」
「どういうことだ!」
「どうだ!対原種用の特製アレンジを施したディスクXの威力は!」
雷牙博士もそこにやって来た。そして原種に対して言う。
「観念しろ!これで御前達が用意したゾンダー胞子は終わりだ!」
「うおおっ!」
それで終わりであった。マイクは何とそのギターによる超音波攻撃でゾンダーの胞子を瞬く間に全て破壊したのである。
「くっ、止むを得ん!」
原種にとって作戦は完全に失敗に終わった。
「ここは一時退却だ!この基地より離脱する!」
「甘いんだよ!」
「そうはさせるか!」
「今までの借り返させてもらうよ!」
バルキリーのパイロットと獣戦隊が火麻と共に現われた。
「今だっ、標的はあいつだ!!」
火麻は物質を復元する大男を指差した。
「あいつさえ倒せば原種は再生出来ない!撃ちまくれーっ!!」
「うおおおっ!!」
「おらおらおらおらおらっ!!」
まず忍とイサムがマシンガンを乱射する。そして他の面々も。これには原種も耐えられなかった。
「うああっ!!」
「よし、効いているぞ!」
ガルドはそれを見て叫ぶ。そして護が前に出て来た。
「後は僕に任せて!!」
「護!」
「クーラティオー!」
緑色の光を放つ天使が神の言葉を提唱しはじめた。
「テネリタース、セクティオー。サルース、コクトゥーラ!」
「!」
緑色の光がそこにいる全ての者の視界を覆った。それが去った時。原種はゾンダークリスタルになっていた。
「やったぞ!」
獅子王博士がそれを見て喝采をあげる。
「原種がゾンダークリスタルとなった!」
「やられただと!?」
「我等最強七原種が」
「おのれ!」
それを見たリーダー格の男が呻いた。凱とJの相手をしていたあの男だ。
「こうなったら奥の手を使うぞ!」
「何が奥の手だ。尻尾を巻いて逃げ出しておいてよ」
忍はそんな彼に言い返す。
「だがこれでとりあえずは一安心ってところだ」
「いや」
戒道は火麻のその言葉には首を横に振った。
「奴等はまだあきらめていない」
「まさか」
「いや、そのまさかだ」
雅人がそれを否定しようとするとJが言った。
「そんなに諦めの悪い連中ではない」
「そうだな」
亮がそれに頷いた。
「生半可な奴ではないからな」
「では今度は」
アランがその頭脳を働かせようとする。そこでJが戒道に顔を向けて言った。
「行くぞアルマ」
「うん」
戒道はその言葉に頷く。
「この機に一気に奴等を殲滅する」
「じゃあ行こうJ」
「よし」
二人は行こうとする。しかしそんな彼を凱が呼び止めた。
「待てJ」
「何だ」
「奴等を追うのなら俺達に手を貸せ」
「何度も言ったはずだ、これは私の戦いだと」
しかしJは凱のその言葉を受け入れようとしない。その時だった。
警報が鳴った。大河はそれを受けて指令室に声をかけた。
「どうした命君!?」
「オービットベースを離脱した原種は月へ逃走。その後月面にて六体の原種が合体したとのことです」
「何だと!?」
「まずい、このままだと」
「月が!」
「月にはヘンケン艦長の艦隊がいました!しかし」
「ヘンケン艦長だけでは辛いな」
「よし、そうなれば迷っている暇はない!」
凱は迷うことはなかった。すぐに決断を下した。
「皆行くぞ!」
「よし!」
「行くぞアルマ!」
「わかった」
「護!俺達も行くぞ!」
凱は護にも声をかけた。もう一人の勇者に。そして護はそれに応えた。
「うん!」
「よし、これよりGGGならびにロンド=ベルは反撃に出る!」
彼もまた勇者である。迷うことはなかった。
「決戦の場は月だ!!」
「ヘンケン艦長待ってろよ!」
「今行くぜ!」
ロンド=ベルは駆けていく。護もまた。キラはそんな護の後姿を見て呟いた。
「あんなに小さいのにあれだけの勇気があるなんて」
「彼はまた特別だよ」
キラにシンジが声をかけてきた。
「君は確か」
「碇シンジだよ。エヴァンゲリオンのパイロットさ」
「そうだったね。何かマリュー艦長と声がそっくりな人が隊長の」
「そうだよ。君はキラ=ヤマト君だったよね」
「うん」
キラはこくりと頷いた。
「宜しく」
「こちらこそ。じゃあ行こう」
「戦いに」
「そうさ、凱さんや護君達と一緒に」
「戦いか」
「どうしたの?」
俯いたままのキラに対して言う。
「元気がないけれど」
「僕は戦いは」
「君の考え、よくわかるよ」
シンジは優しい声でキラにまた言った。
「僕も同じだったから」
「君も」
「そうなんだ。僕も最初の頃は戦いが嫌だったんだ」
「けれど今は?」
「うん。皆を守る為にね」
「皆を」
「凱さんや護君だって同じなんだ。皆を守る為に戦っているんだ」
「それはわかるけど」
「誰かを、皆を守る為に」
「戦う・・・・・・」
「そうさ、だから行こう」
キラに声をかけた。
「皆を守る為に」
「う、うん」
「ちょっとシンジ何やってんのよ!」
遠くからアスカの声が飛んで来た。
「おっと、いけないや」
「早く来なさいよ!さもないと宇宙空間飛んで行ってもらうわよ!」
「そんなのマイク達じゃあるまいし無理だよ」
「じゃあ早く来なさい。いいわね!」
「わかったよ。じゃあキラ君」
「うん」
「行こう、皆を守る為に」
「皆を守る為に」
シンジはキラの手を掴んで導いていった。優しく温かい手だった。その手もまたキラを導くものとなったのであった。
月面での原種とラーディッシュの戦いはラーディッシュにとってかなり絶望的な状況になっていた。ヘンケンの艦隊があったがそれがあえなく壊滅していたのだ。残るはラーディッシュ一隻。そして八機程のモビルスーツ等であった。
「馬鹿みたいな相手だな」
ヘンケンは目の前の合体した原種を見て忌々しげに呟いた。
「一撃で戦艦もモビルスーツもなぎ払うとはな」
「まさに化け物ですね」
かって〇八小隊のメンバーの一人だったエレドアが艦橋にいた。そしてヘンケンに応えていた金髪のロングの青年であった。
「認めたくはないがな」
「正直直前にあの人達が来てくれなかったらラーディッシュも全滅でしたよ」
「そうだな」
目の前にはオリファーのブイとアポリー、ロベルトのシュツルムディアス、リュウのリガズィ、スレッガーのガンダムマークスリーがあった。だが他に三機あったのだ。
「彼等がいないとな。まずかったな」
「そうですね」
「悪いな、ハヤト」
リュウがその中の一機の量産型ニューガンダムに声をかけた。それはもう一機ある。
「何、構いませんよ」
そこにはハヤト=コバヤシがいた。一年戦争のホワイトベースのクルーの一人であった。
「あっちはベルトーチカに任せてきましたから」
「そうなのか」
「はい、他に同志もいますから。大丈夫です」
「ならいいがな。御前が来てくれると有り難いぜ」
「有り難うございます」
「そして御前さんもな」
「スレッガーさんも元気そうだね」
もう一機の量産型にはカイ=シデンがいた。彼もやって来ていたのだ。
「ジャーナリストからまた戻って来たのか」
「ハヤトと同じ理由さ。何か状況が洒落にならなくなってきてね」
「ザフトか」
「ああ、連中のニュートロンジャマーもやばいけど」
ザフトが地球攻撃時に打ち込んだものである。原子力融合を妨害し、レーダーや通信にも影響を及ぼす。これによって地球のエネルギー事情は混乱しているのである。
「他にもね。ミケーネがまた力を盛り返してきたしな」
「それでティターンズとブルーコスモスか」
「ブルーコスモスは本来はあんな組織じゃなかったんだ」
「そうだったのか」
リュウがそれを聞いて意外といった顔になった。
「ええ、最初はね。環境保護団体だったんですよ。それが」
「ロード=ジブリールの様な強硬派が出て変わったんです」
最後の一機はメタスであった。そこにいるのはセイラ=マスであった。
「ジブリールっていうとジブリール財団のか」
「その通り」
カイはスレッガーにそう返した。
「コーディネイター強硬派で、しかもティターンズに共鳴している」
「そいつがか」
「ある意味アスラエルよりもやばい奴さ。そいつもいるし」
「そうした状況だから僕達ももう一度モビルスーツに乗ったんです」
「まさかガンダムに乗るなんて思わなかったけれど」
カイとハヤトは月で連邦軍に復帰したのだ。そこでニュータイプとして二機の量産型ニューガンダムを受け取ったのだ。彼等と同じ危惧を抱いたセイラも同じであった。彼女もまた連邦軍に参加した。だが彼女はガンダムに乗らずメタスを選んだ。サポートに徹するつもりであったのだ。
「まあこれも何かの縁ってやつだな」
「やらせて下さい」
「ああ、宜しく頼むぜ」
八機のモビルスーツは何とか原種の前に立ちはだかっている。だがその攻撃力はあまりにも強力であり相手をするのは彼等でも厄介なものであった。打つ手がないと言っても過言ではなかった。だが。そこに彼等がやって来た。
「援軍です!」
「来たか!」
ヘンケンはエレドアからの報告を聞いて大きく頷いた。
「ロンド=ベル!今こちらに来ています!」
「よし!」
「ヘンケン艦長、御無事ですか!」
「ああ、ブライト大佐」
ヘンケンはモニターに現われたブライトに笑顔で応えた。
「何とかな。首一枚でな」
「それは何よりです」
「だが我々以外はそうもいかなかった」
「そうですか」
「彼等がいなかったら。終わっていた」
「彼等」
「よお、久し振りだな」
「カイ」
「僕達も連邦軍に加わりました」
「ハヤトもか」
ブライトは彼等の姿を見て目を丸くさせた。
「そして私も」
「セイラさん」
今度はアムロが声をあげた。
「久し振りねアムロ=レイ中佐」
「止めてくれよ、堅苦しい挨拶は」
「うふふ」
「そうか、アルティシアもまた」
クワトロは一瞬だがシャア、いやキャスバルの顔に戻っていた。
「決断したのか。だが私もまた」
もうクワトロ=バジーナであった。問題はなかったのだ。
「オリファー、赤ちゃんは?」
「サイドシックスに預けたぞ」
「そう、じゃあよかったわ」
「まあ後一歩で俺も危なかったわけだが」
「そうね、助かって何よりも」
「アムロ、元気そうだな」
「リュウさん」
「久し振りに一緒にやるな。宜しくな」
「はい」
「俺もいるしな」
「スレッガーさんも」
「とりあえず敵は強い。用心しろよ」
「わかりました。じゃあアムロ=レイ、出る!」
ニューガンダムが発進した。そして彼が最初に月に降下した。
彼に続いて他のメンバーも月に降下する。そして合体原種と対峙するのであった。
「来たか、ロンド=ベル」
「でけえな、おい」
豹馬が合体原種を見て思わず言った。
「あんなのを倒さなくちゃいけねえのかよ」
「豹馬、弱音を吐いてどうするのよ」
そんな彼をちずるが叱る。
「しっかりしてよ」
「それはわかってるけどよ」
「あの原種、かなりの力を持っているわね」
美久が言った。既にゼオライマーの次元連結システムになっている。
「気をつけて、マサト君」
「ああわかっている、かなりのプレッシャーを感じるよ」
「そうね、手強いわ」
「それにどうやらあいつだけではないようです」
「というとまた敵の雑魚が御登場ってわけか」
真吾はボルフォッグの言葉を聞いて言った。
「やれやれ、毎度毎度」
「まあわかってはいたけど」
「お決まりのパターンってのもね」
レミ^とキリーはそれを聞いてもいつもの態度である。それは見事なまでに変わらない。20
「で、ゾンダーは?」
「そろそろお出ましかしら」
「またわんさかと」
「来るぞ、皆!」
三人に応えるように凱が叫んだ。
「ゾンダーの混成軍だ!」
「レーダーに反応です!」
「かなりの数です!」
マヤとミリアリアが同時に叫んだ。そしてモビルスーツや戦闘獣、メカブースト達が一斉に姿を現わした。まるで月を埋め尽くさんばかりの数であった。
「な、何だよこの数」
カズイがそれを見て呆然となった。
「二千!?いやもっといるぞ」
サイも驚きを隠せない。
「こんなの相手にするってのか!?冗談じゃないぞ」
トールも。彼等は戦う前から唖然としていた。マリューやナタルも驚きを隠せない。
「フン、いつもより少ないじゃねえか」
「えっ!?」
マリューは甲児の言葉に目を点にさせた。
「甲児君、今何て」
「だからいつもより少ないって」
「まさか」
「いや、原種にしろ我々が戦ってきた敵はどれもかなりの数を出してくる」
ブライトがマリューに言った。
「これ位なら。どうということはない」
「そうなのですか」
「はい、しかも個々の質では私達は圧倒しています」
今度はルリが言った。
「戦争において数は確かに大事ですが戦術と機体の性能さえ満足なものならば勝てます」
「勝てるのね」
「はい。ですから安心して下さい」
「じゃあ俺達もやらせてもらうぜ」
「ここまできたらね」
カイとハヤトも前に出て来た。
「カイ、ハヤト」
「アムロ、久し振りに御前の戦いぶり見せてもらうぞ」
「リュウさん」
「連邦の白い流星、どれだけ腕をあげたかな」
スレッガーもいた。彼等は完全にホワイトベースにいた頃に戻っていた。
「ブライト艦長もいるしな」
「艦長、また一緒に」
「そうだな。何か懐かしいな」
「ちょっとは貫禄がついてきたんじゃないですか?」
カイ、ハヤト、リュウがそれぞれ言う。
「まあ子供もできたしな」
「おやおや」
スレッガーがそれを聞いて面白そうに声を出した。
「それにアムロよりもずっと厄介な連中の相手もしているし。苦労してきたぞ」
「また俺のことか」
「今思えばアムロはましだったな」
「確かに」
「カミーユもジュドーもアクが強いですね」
「別に俺は」
「何か俺ってしょっちゅう何か言われるな」
「他にもな。全く苦労させられる」
「声が似ている人間も多いしな」
「それを言ったら御前さんもだろ」
アムロはスレッガーにそう突っ込まれた。
「それは」
「俺もだしな」
「俺は悪い奴に多いみたいだしな」
「大尉殿、リュウ=ホセイ大尉のお声は」
プラクティーズの面々はリュウの声を聞いてマイヨに囁いていた。
「うむ、偶然とは思えん」
「一瞬あの男が復活したかと思いました」
「全くです」
「ほらな、こういうことだ」
「厄介な話ですね」
「まあそういうのも含めてこれから宜しくな。後で正式にそっちに合流するからな」
「はい」
「では全軍攻撃開始だ」
ブライトは再会を懐かしむ顔から戦場の顔に戻った。
「最終攻撃目標は後方の原種」
「了解」
「それまでのゾンダーは排除していく、いいな」
「アルティシア」
「久し振りね、兄さん」
「ふ、そうだな」
アポリーとロベルトは既にクワトロの指揮下に入っている。オリファーがそれを援護しセイラはフォローに回ろうとしていた。クワトロはそのセイラに声をかけてきたのだ。
「また戦場に戻ってきたのか」
「兄さんとはまた違う理由ね」
「そうか」
「けれど。驚いたわ」
「どういうことだ?」
「兄さんが変わっていて」
「変わったか、私が」
「そうね、もうシャア=アズナブルではないのね」
「人は変わるものさ」
クワトロは口の両端だけで笑ってこう言った。
「何かとな」
「そうみたいね」
「御前もセイラ=マスになったのだな」
「ええ。そして兄さんはクワトロ=バジーナに」
「そうだ、今の私はクワトロ=バジーナだ」
それに頷いて言った。
「それ以外の何者でもない」
「わかったわ。それならいいか」
「いいのか、それで」
「兄さんがザビ家からも、地球の重力からも解き放たれているのなら」
「時代は変わってきている」
それがクワトロの考えであった。
「私のしがらみはもうどうでもいいことになってきているのだ」
「地球も」
「そうだ。人類は最早地球の重力から解き放たれた。そして今は」
「新しい道を」
「歩みはじめようとしているのだ。私はそれに気付いたのだよ」
「兄さん・・・・・・」
「これからは若者達がその道を進む。私はそれを後ろから見守るのが仕事だ」
「赤い彗星としてではなく」
「クワトロ=バジーナとしてな」
「兄さん」
「だからこれから御前のことももうアルティシアと呼ぶことはない」
これは妹への決別ではなかった。過去と別れたことを妹に対して告げたのである。
「セイラ=マス、これでいいな」
「ええわかったわ、クワトロ=バジーナ大尉」
「ではセイラ=マス少尉」
「はい」
セイラはセイラ=マスとしてクワトロバジーナに応えた。
「フォローを頼むぞ」
「了解」
彼等も前へ発った。そして戦いに入る。原種との戦いはクワトロのサザビーによるファンネルの攻撃がギャラルホルンとなったのであった。
「これだけ一杯いたら狙いをつけるのが楽ってものよ!」
アスカは迫る敵に対してライフルを乱射する。
「容赦はしないわよ!覚悟なさい!」
「J!共同戦線だ!」
その横で凱がJに対して言う。
「何度言えばわかる!これは私の戦いだ!」
しかし彼はそれを受けようとはしない。
「手出しは無用!」
「冗談じゃない!これは地球の戦いでもあるんだ!」
だが凱には凱の戦う理由があった。
「御前だけに任せておけるか!」
「ならば勝手にするがいい。私は自分の任務を遂行するだけだ!」
二人はそのまま原種の大軍に突っ込む。凱はその手にドライバーを取り出した。
「ガトリングドライバァァァァァァァァッ!」
それで原種をまとめて吹き飛ばす。その穴にロンド=ベルの総攻撃が加えられさらに穴が開く。そしてそこに突撃していく。大勢の敵に対する一点突破戦術であった。
「周りは敵しかいない!撃ちまくれ!」
エイブが叫ぶ。
「弾幕を張れ!それで敵をまとめて叩き潰せ!」
「了解!」
「それなら!」
F91がヴェスパーを前に構える。光の帯がゾンダーに向かって放たれた。
「このヴェスパーなら!」
それで敵がまとめて薙ぎ払われる。光の帯が通り抜けた周りを無数の光の球が囲んでいた。シーブックはヴェスパーで敵を纏めて薙ぎ払ったのであった。
「す、凄い・・・・・・」
「やっぱりロンド=ベルは強いや」
サイとトールは彼等の鬼神の如き戦いを見て感嘆の声を漏らしていた。
「こんなに強いなんて」
「流石と言うべきですね」
ナタルがマリューに対して言った。
「では我々も」
「ええ。退くわけにはいかないわね」
「各機へ!」
ここで大河から声が飛ぶ。
「あの原種は六体の原種の合体したもの。その戦闘力は計り知れない!だが我々はあの恐るべき敵を打ち破らねばならない!我々の母なる星に住まう全ての生ある物のために!」
「はい!」
それに護が頷く。彼は凱の横にいた。
「護、しっかりつかまっていろよ!」
「僕のことは気にしないで思いっきりやって!」
護も怯んではいない。凱に対して叫ぶ。
「僕だってGGGの特別隊員でロンド=ベルの隊員なんだから!」
「よしわかった!一緒に戦おう!」
「うん!」
そのまま突き進む。Jも同じだった。
「敵はあの巨体だ、何をしでかすかわからん。モニターを怠るなよ!」
「了解!」
ブライトの言葉に命が頷く。そして凱がゾンダーの大軍を突破し原種に接近した時だった。
「恐れを知らぬ愚か者共よ、身の程を知るがいい!」
「合体原種の前面部に高エネルギー反応あり!」
「!!総員回避!」
命の報告にブライトは本能的に総員に指示を出した。全軍左に慌てて動く。するとそこまでいた場所を凄まじい衝撃波が薙ぎ払ったのであった。
「ほう、かわしたか」
「が、合体原種の攻撃は月面から地球大気圏を突破して地表を直撃しました!」
「な、何だと!?」
「いかんな、少しパワーを出し過ぎたか」
原種はそれを聞いても涼しい顔であった。
「ゾンダーの素体となる地球人を全滅させては元も子もない」
「何という力だ!」
「これではうかつに近寄れん!」
Jと凱はその衝撃波を目の当たりにして動きを止めた。だがそれは一瞬のことであった。
「私が行く」
「どういう意味だJ」
凱は前に一歩出たJに対して問うた。
「私が前衛で奴を牽制すれば、隙も生まれよう」
「何、まさか」
「勘違いするな凱。決して御前達と手を組むという意味ではない」
そう断ったうえで述べる。
「これが現時点において最も勝てる確立が高い方法だからだ」
「よし、御前の意地はわかった!」
凱はその言葉に頷いた。
「だったら俺達もそれに乗る!勝利のためにな!」
J「フッ了解した」
「よし、行くぞJ!」
「遅れるなよロンド=ベル!」
ロンド=ベルは凱とJに続く。そして周りの敵を薙ぎ倒し、遂には原種の近くにまでやって来た。
そこにまたゾンダーの大軍が現われる。だが彼等は臆してはいない。
「ここは通さない!」
コウがマイクロミサイルを放つと無数のミサイルがゾンダーに襲い掛かる。そして忽ちのうちに数機が炎の中に消えていった。
「俺だって!」
そしてキースも。ビームライフルでマラサイのゾンダーを撃ち抜く。
「やらせるもんかよ!」
彼等は次第にゾンダーを減らしていき合体原種への道を確保していく。その先頭には凱とJがいる。
「どけ!」
「ここは通らせてもらう!」
ガイガイガーのガトリングドライバーが敵に突き刺さりJのビームが前に立ちはだかるゾンダーを薙ぎ払う。その鬼神の如き戦いを見ても合体原種は動じてはいない。
「フン、無駄なことは」
「無駄なことかはどうか」
「我等の拳を受けてから言え!」
遂に最後の防衛ラインを突破した。そして原種の前に現われる。
「行くぞ原種!」
凱が叫ぶ。
「貴様等は私が倒す!」
「何の、あの時と同じようにしてくれる!」
「あの時の私と今の私は違うぞ!」
「J!」
「ラティオ!」
今二人の心が一つになった。
「行くぞ!」
「わかった!」
二人は息を合せた。そしてジェイアークが跳んだ。
「ジェイバード!フラグアウト!」
跳びながら叫ぶ。そしてその背に翼を背負う。
「プラズマウィング!」
「ムッ!」
「これが今の私だ!」
「受けるんだ!」
戒道もそこにいる。二人は同時に攻撃を浴びせる。
「プラズマソォォォドッ!」
急降下し斬りつける。それは原種の胸を斬った。
「ウオッ!」
「これでどうだ!」
「おのれ、まだだ!」
だが原種はこの程度ではまだ倒れはしなかった。流石と言うべきか。
「我等は滅びはせぬ!」
「滅ぶのは貴様よ!」
また拳が唸った。今度はジェイアークのみを狙っていた。しかしJはそれを見切っていた。
「甘い!」
「ぬうっ!」
それを後ろに跳んでかわしたのだ。そして次の攻撃に入る。
「全砲門開け!」
「リョウカイ!」
トモロが応える。そしてジェイアークの全ての砲門が開かれ原種に向けられる。
「一斉射撃!」
「ウテ!!」
無数の光が原種に浴びせられる。なまじ巨体であるだけにこれはかわしようがなかった。
「グワアッ!」
「よし、これなら」
「護!」
遂にガオガイガーが出た。
「これで終わらせる!」
「わかったよ!凱兄ちゃん!」
ガオガイガーは攻撃態勢に入った。もうそれは止められなかった。
「ヘル!アンド!ヘブン!」
二つの拳に眩く、そして何処までも熱い力が宿った。
「ゲム=ギル=ガン=ゴー=グフォーーー・・・・・・」
その力が全身を包み込む。今凱の心も身体も熱い勇気が包み込んでいた。
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
拳を合せ突進する。その先には原種がいる。
「おぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「ぬう!させん!」
原種は突進して来るガオガイガーに攻撃を仕掛ける。だがそれが全て弾き返される。
「何っ!」
「馬鹿な!」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」
遂に原種に激突した。そのまま拳を中に撃ち込む。
「グオオオオオオオオッ!」
「ムンッ!」
絶叫する原種。そこから光が取り出された。それは六個あった。
「護!今だ!」
「うん!」
緑の光の天使が現われた。そしてその六つの光の前に来た。
「クーラティオー!」
護は叫んだ。
「テネリタース=セクティオー、サルース=コクトゥーラ!」
優しい緑の光がその光を覆う。そして四つの光が消えた。
「機界最強七原種敗退」
それを遠くで見る者達がいた。あのパリアッチョであった。
「撤退は二種」
「!?」
「二つの光が」
「待て、追っても無駄だ」
ブライトは追撃はさせなかった。
「それに今はダメージが大きい。これ以上の戦闘は無理だ」
「チッ」
「だが俺達の勝利だぜ」
「ですね」
ボルフォッグはゴルディマーグの言葉に頷いた。
「これで原種共もしばらくの間大人しくなるだろうぜ」
リュウセイも明るい声で言う。だが。
「そいつはまだわからんな」
「ライ」
「二体逃げたしね」
アヤも言った。
「まだ完全に終わったわけじゃないわよ」
「チッ、往生際の悪い奴らだぜ」
「けれど一応はこの戦いには勝ったな」
レビはぽつりとした声で述べた。
「何とかな」
「それはね」
アヤもこれには異論はなかった。
「凱君も護君もお疲れ様」
「有り難うよアヤさん!」
「皆有り難う!」
「そして貴方達も」
アヤはJ達にも顔を向けた。
「お疲れ様」
「礼はいい」
しかしJも戒道もその言葉を受け取らなかった。
「ロンド=ベルよ、ゾンダークリスタルは一時御前達に預ける」
Jはロンド=ベルの面々に対して言った。
「また会おう!」
そして姿を消した。空の戦士は別の戦場に向かったのであった。
「また行ってしまいましたね」
「相変わらず動きが速い」
氷竜と風龍がそれを見送って言った。
「何よ愛想のない奴ね」
「同感だなアスカ隊員」
「全くだ」
「そうよね、ったく」
アスカは炎竜と雷龍の言葉に頷いた。アスカはこの二体と仲がいいのである。
「けどこれで勝ちだもんね!」
「そうだな。それに」
ガルドはマイクの言葉を聞きながら低い声で述べた。
「奴には奴で果たさねばならん使命があるのだろう」
「何時かは今日の様にあいつと力を合わせて戦うことになるんだろうか」
「それはわからん」
ガルドは今度は洸に応えた。
「ヘッ、あの手の気障野郎は亮と隼人で充分だぜ」
最後に忍が言った。そこにユリカから全軍に通信が入った。
「状況の確認終了後オービットベースへ帰還します」
「了解!」
「各機帰還して下さい。ラーディッシュもオービットへ来て下さい」
「よし、わかった」
「何はともあれまずはこれで勝ちだな」
「ああ」
ロンド=ベルは月から引き上げオービットへ戻る。こうして最強七原種との戦いは終わったのであった。
「三重連太陽系、紫の星」
暗い巨大な玄室の玉座で何者かが語っていた。
「知的生命体が生み出すストレスの波動、マイナス思念を消去するために生み出されたゾンダーメタル」
その周りに何人かいた。彼等はその男の話を聞いていた。
「しかしそれは独自のプログラムによって暴走しはじめ無数の星々はあたまも病原体に冒されていく細胞のように滅んでいった」
「それがゾンダーなのですね」
「そうだ。そして」
男は話を続けた。
「滅亡していく緑の星と赤の星。しかしそこには病原体に打ち勝つ力を持った抗体が生まれていた」
「それがあの少年達というわけですね」
「そうだ。そしてその二つの抗体は青の星へ舞い降りた。宇宙と言う広大な生命を守るワクチンとして」
「そういうことでしたか」
「原種に対しては我等は動く必要はない。あの者達にやらせよ」
「わかりました」
「では辺境銀河太陽系方面に関する報告を聞こうか」
「辺境銀河方面監察軍第はアクシデントにより拠点を太陽系外へと移しましたがそれ以外は予定通りに進行しております」
「ふむ」
「必ずや陛下の御期待に沿う『選ばれし者』をここへ導くでしょう」
「だがシヴァーよ」
男は報告する仮面の男に問うた。見れば四つの目を持つ不気味な仮面であった。
「かってそなたの下から反逆者が出たな、名は確か」
「ユーゼス=ゴッツォ」
「左様、あの男だ」
「はい」
「そなたの分身であったな」
「はい」
シヴァーはそれに頷いた。
「ユーゼスはクロスゲートの秘密に触れそれを制御しようとした愚者です」
「全くだ」
「そして奴はその報いを受けラオデキア=ジュデッカ=ゴッツォの裁きを受けました」
「不穏分子は粛清する」
「はい」
「それだけだが」
「それによりあ奴は因果地平の彼方へ消えました」
「だが奴により地球という惑星のことをよく知ることができた」
男はこうも述べた。
「そのことは褒めておこう」
「ユーゼスごとき輩にはもったない御言葉」
「手向けだ」
男は冷酷な声で応えた。
「無限力へ取り込まれ消滅した哀れな木偶人形に対してな」
「・・・・・・・・・」
シヴァーはそれには答えない。だが男はそれに構わずまた言った。
「してだ」
「はい」
「その辺境方面軍だが」
「今ゼーラに向かっているとのことです」
「セーラにか」
「マーグの言葉によればゼーラの民を我等に取り込むと」
「あの星には確かブラックホールが接近していたな」
「むざむざ戦力となる存在を失うことはないのではと。マーグは考えたようです」
「ふむ、まずはよい」
男はそれを認める言葉を出した。
「ゼーラはどのみちそうするつもりだったしな」
「では」
「マーグに伝えよ。ゼーラはそなたに預けると」
「はっ」
「そして外銀河方面だが」
「今のところ穏やかな状況です」
「そうか、ならば伝えよ」
男はシヴァーに命じた。
「地球に向かえと」
「地球に」
「そうだ、地球の戦力は侮れなくなろうとしている」
男は言う。
「マーグの辺境方面軍と二つで地球を制圧するのだ。よいな」
「御意」
シヴァーはそれに頷いた。
「だがまだ地球には積極的に仕掛ける必要はない」
「それは何故」
「今地球は混沌としている」
男はここにいながらにしてそのことも知っていたのだ。
「ロンド=ベルという者達がいる連邦政府の他にも様々な勢力が入り乱れているな」
「はい」
「その者達が争っているのなら争わせよ。よいな」
「御意」
「そしてだ」
男はまた言った。
「それが終わった時にあれが出るであろう」
「あれ、ですか」
「そうだ、あれが出た時でよい。本当に動くのは」
男はさらに言う。
「あれが地球を包み込んだ時にな。朕が直々に」
男は何かを考えていた。だがその真意はシヴァーにすらわからない。だがシヴァーもまた違うものを見ていた。帝国もまた知らぬうちに歪な軋みを聞かせていたのであった。

第百八話完

2006・8・9
 
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