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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇

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第九十三話 人間爆弾の恐怖

               第九十三話 人間爆弾の恐怖
ロンド=ベルはまずは静岡に入った。そこではキング=ビアルが待っていた。
「あれ、爺ちゃんどうしてここに」
「実はな」
兵左衛門は孫達に対してモニターから声をかけていた。
「最近日本におけるガイゾックの活動が激しくなっていてね」
「わかってるぜ、そんなことは。だから日本に戻って来たんだからよ」
「勝平」
「一にいちゃん」
一太郎もそこにいた。
「話は簡単じゃない。今大変なことが起こってるんだ」
「大変なこと!?」
「そうだ、最近日本中で爆発事故が起こってるのは知ってるな」
「ああ、急に街中で爆発するんだってな。それでかなりの人が死んでるって」
「それだ。それはどうやらガイゾックの仕業らしい」
「今度は無差別テロか」
「相変わらずヘドが出る連中だぜ」
竜馬と忍がそれを聞いて言う。
「我々はそれを調べる為にも日本に来たのだ」
「そうだったのかよ」
「今ガイゾックの母艦バンドックは姿を消している。だが何処にいるかはわかっていない」
「チッ」
「しかしこの日本の近くにいる。それは間違いない」
「じゃあ敵が出て来るのを待つだけかよ」
「今はな」
兵左衛門は孫にそう語った。
「まどろっこしいなあ。そんな悠長なことやってる場合じゃないってのに」
「しかし今はそれしかないな」142
宇宙太が言った。
「何もして来ないんだったらな。こっちは待つしかない」
「ちぇっ」
だが結局は何もできなかった。ロンド=ベルはとりあえずはキングビアルや連邦軍の協力を得て情報収集に努めるだけであった。他には何もできはしなかった。
だが数日後ロンド=ベルに一人の少女が姿を現わした。
「あの」
「何だい、君は」
コウがその少女に応対した。
「勝平、いますか?」
「勝平!?君は彼の知り合いなのかい?」
「はい。アキが来たって言えばわかると思います」
「わかった。じゃあ伝えておくよ」
こうしてアキは勝平に会うことになった。二人は大空魔竜の客室で会うことになった。
「かっぺーっ!!」
アキは勝平の顔を見てすぐに立ち上がった。
勝平「アキ!?無事だったのか!」
「うん、何とか」
「そうか。今までどうしてたんだよ!?香月とミチは?」
「それがよく覚えてないの」
だがアキの言葉は今一つ歯切れが悪かった。
「気が着いたら静岡にいて・・・・・・。香月さんやミチとも離れ離れになって」
「そうなのか・・・・・・」
「ともかくアキさんが無事だった事がわかっただけでもよかったわ」
だがここで勝平と一緒にいた恵子が言った。
「大変だったでしょう。こちらでゆっくり休んでちょうだい」
「はい。ところで」
「何かしら」
「途中でドロ道で転んじゃって。着替え、ありませんか?」
「あらご御免なさい、気が着かなくて」
「じゃあ俺の部屋を使えよ」
勝平は言った。
「シャワーもあるし。着替えは」
「あたしのがあるわ。持って来るからちょっと待ってて」
「じゃ来なよ」
「あの、勝平」
「どうした?」
「この前、あんなこと言っちゃって御免なさい」
かって再会した時のことだ。
「勝平達が一生懸命戦ってくれてるのに。あたしったら・・・・・・」
「気にすんなよ、わかってくれりゃいいのさ」
だが彼はそれは気にはしなかった。そのままアキを自分の部屋に案内する。
「有り難う」
「だからいいって。さ、着いたぜ。ここがオレの部屋」
「アキさん、はい、着替え」
そこに恵子も来た。そして彼女に服を手渡す。
「すいません、どうも」
「だからいいのよ。それじゃ」
「じゃあな」
「うん」
アキは勝平の部屋に入った。そしてシャワーを浴び、着替えをすませる筈だった。
だがまた客がやって来た。今度は一人の少年だ。
「やれやれ、今日はお客さんが多いな」
当直のコウはこう言ってぼやく。
「はい。誰でしょうか」
「あの」
「君は!?」
「香月っていいます。勝平はいますか?」
「また勝平にか。香月君だね」
「はい」
見ればその顔は焦り、緊張したものになっていた。
「どうしたんだい、今彼はお客さんが来ているんだけれど」
「大事な話なんです、すぐに合わせて下さい」
「すぐに」
「はい」
コウは彼の顔つきから尋常でないものを感じていた。
「お願いです、人の命がかかってるんです!」
「人の!?」
「そうなんです、それで」
「かなり切羽詰った事情があるみたいだけど。よかったら誰に会いたいのか教えてくれないか」
「ここ、ロンド=ベルですよね」
「ああ」
「だったら神勝平がいますよね、あいつに」
「勝平にかい」
「そうです、すぐに」
「わかったよ。それじゃあ」
こうして勝平が呼ばれた。勝平は香月の顔を見て驚きと懐かしさの入り混じった顔になった。
「香月じゃねえか」
「ああ」
「御前、無事だったのか。心配してたんだよ」
「済まねえな。だがな、今はそんなことを言ってる場合じゃないんだよ」
「どうしたんだよ、そんなに焦って」
「大変なことがわかったんだよ、ガイゾックの奴等」
「今日本にいるよな」
「そうだ、あいつ等人間に爆弾を埋め込んで人間爆弾にしてやがるんだ!」
「何っ!?」
「何だって!?」
勝平だけではなかった。それを一緒に聞いたコウも驚きの声をあげた。
「香月、それは本当か!」
「間違いねえ、俺もあと少しでそうされるところだったんだ、けれど何とか逃げて来たんだ。だから」
「まさか・・・・・・」
コウはそれを聞いて最近の市街地での爆発事故の原因を察した。
「だから最近」
「そうかも知れないですね」
宇宙太がそれに頷く。
「ガイゾックの奴等は。破壊そのものを楽しんでますから」
「クッ」
「それでな」
「あら、香月君じゃない」
そこへ恵子もやって来た。
「無事だったみたいね、よかった」
「それでな」
「ああ」
だが香月はそれに気付かない。話を続けていた。
「人間爆弾にされた奴は背中に星型の痣があるんだよ!」
「星型の痣!?」
それを聞いた恵子の顔が真っ青になる。
「香月君、それ本当!?」
「だから俺はそれを見たんだよ・・・・・・って恵子さんじゃないか」
ここで恵子にようやく気付いた。
「どうしたんだよ、一体」
「アキちゃんの背中に・・・・・・星型の痣が」
「何だって!?」
「恵子、それは本当か!」
「ええ、それで」
「いけない!すぐにアキちゃんのところへ行くぞ!」
コウが叫んだ。
「他にも来てくれ!ここは」
「超能力のある奴だ!」
勝平は勘でこう言った。
「サンシローさん達とタケルさんだ!すぐに呼んでくれ!」
「わかった!」
「香月、御前は俺と一緒に来てくれ!」
「ああ!」
「宇宙太と恵子はコウさん達と一緒にタケルさん達を呼んでくれ!すぐにだ!」
「ああ!」
「わかったわ、勝平!」
二人もそれに頷く。そしてすぐに動いた。
アキはこの時何も知らなかった。心地よい気持ちでシャワーを浴びていた。
だがそこにタケルやサンシロー達が部屋に飛び込んで来た。部屋の中で大きな音がする。
「!?何だろ」
「アキ、いるか!」
「勝平、女の子がシャワーを浴びてるのよ。それなのにいきなり」
「そんなこと言ってる場合じゃねえ!早く出ろ!」
「香月君!?」
声でそれがわかった。
「貴方も無事だったのね、よかった」
「だからいいってつってんだろ!タケルさん、サンシローさん!」
「ああ、わかった!」
「アキちゃんっていったな。済まない!」
「きゃっ!」
シャワールームに飛び込む。そして泡を落としたばかりで全裸のアキの前に現われた。
「もう、一体何よ!」
だがそれに構わずすぐに背中を見る。そこには確かに星型の痣があった。
「間違いない」
タケルはそれを見て頷いた。
「サンシローさん、俺が爆弾を身体の外へ転移させます」
「場所はわかってるんだな」
「はい。しかももうすぐ爆発します」
「爆弾って・・・・・・何なの!?」
「話は後でする!よし!」
そのままアキの背中にタケルの手が当てられる。
「これで!」
爆弾が外に出た。部屋の中空にそれが浮かんでいる。
「今だ!」
サンシロはそれを掴む。そして超能力で大空魔竜の外に転移させた。
その瞬間だった。爆弾は爆発した。光と炎、そして黒い煙がその場を覆った。
「間一髪ってやつかよ」
勝平はほっと胸を撫で下ろしてその爆発を眺めていた。
「危ないところだったな、アキ」
「もう、一体何なのよ」
アキは慌てて服を着ていた。身体を拭くのもそぞろに。
「いきなり部屋に入って来て。爆弾がどうとか」
「御前、ガイゾックに人間爆弾にされてたんだよ」
「人間爆弾!?」
「そうさ。ガイゾックはな、捕まえた人間を人間爆弾にしてたんだ。そしてそれを爆発させてたんだ」
「嘘・・・・・・」
「嘘じゃねえ。さっきの爆発が何よりの証拠だ」
香月がアキに対して語る。
「御前、もうすぐで死ぬところだったんだぞ」
「そんな、あたしが・・・・・・」
「しかしガイゾック、何処までも非道な」
「許せませんね、これは」
リーもブンタも何時になく怒りに満ちた声であった。
「今のは超能力で何とかなったが」
「これを取り除くとなると」
「いや、やってみる」
サコンが言った。
「すぐに背中に星型の痣がある人を集めてくれ」
「サコン、できるのか?」
「今までの医学じゃ無理だったろう。だが今俺達にはあらゆる科学や医学が集まっている」
「そうね、こういう時にこそ私達がいないと」
リツコもやって来た。黒いミニスカートからストッキングに覆われた美しい脚でやって来た。
「任せて。そっちは」
「私も行こう」
「博士」
そして大文字もいた。
「我々がそちらを引き受ける。君達は」
「ああ、わかってるぜ」
勝平は怒りに満ちた声で応えた。
「ガイゾックの奴等、許せねえ」
「勝平・・・・・・」
「香月、御前はアキを頼む」
「ああ」
「俺は今からガイゾックを倒しに行くからな」
「行くんだな」
「そうさ、もう容赦はしねえ」
「わかった。だがな」
「何だ?」
「死ぬんじゃねえぞ」
「ああ」
勝平は友の言葉に頷いた。
「絶対に帰って来いよ」
「わかってるぜ。その時にまた派手に喧嘩しようぜ」
「ああ」
「勝平」
今度はアキが声をかけてきた。
「どうした?」
「あの、助けてもらって」
「御前を助けたのは俺じゃねえよ。タケルさん達だ」
「けど」
「いいって。俺はな、ガイゾックと戦う、そして地球を守るのが仕事なんだからな」
「そうなの」
「それじゃあな」
別れの言葉だった。
「今からガイゾックを倒しに行くからな。この船から降りてくれ」
「頑張ってね」
「わかったよ。何があっても帰って来るからな」
「ええ、待ってるわ」
香月とアキは大空魔竜を降りた。そしてサコンとリツコ、それに獅子王博士達は大文字と共に一時ロンド=ベルを離れた。そして人間爆弾となった者達の救出に向かうのであった。
「これも戦いなんだよね」
シンジは船を降りるリツコ達を見て言った。
「そうだよ、シンジ」
そんな彼にアレンビーが声をかける。
「戦いってのはね、一つだけじゃないから」
「はい」
「人を守るのも救うのも戦いなのよ」
「そうですね、最近それがやっとわかってきました」
「まっ、シンジも成長したってことだな」
「そうですね。立派になりましたね」
デュオとカトルがそれを見て言う。
「だがガイゾックを放ってはおけないな」
「ああ。あいつ等のやり方は許せん」
ウーヒェイはトロワの言葉に怒りを露わにしていた。
「どのみち倒さなくてはならない相手だ。ここで排除する」
ヒイロも。声はいつもの調子だが言葉には怒りがあった。
「けれどまだ何処にいるかわからねえよな」
「大丈夫だよ、オデロ」
「何でだ、ウッソ」
「もうすぐ出て来るから。何となくわかるんだ」
「勘ってやつか」
「うん」
「だったら近いかもね」
ジュンコがそれを聞いて言った。
「ウッソの勘は。よく当たるから」
「そんな」
「けれどガイゾックとの戦いが近いのは事実ね」
マーベットも同じものを感じていた。
「最後の。そろそろ彼等も後がないでしょうから」
「そうね。どうやら連邦軍に派手にやられてるみたいだし」
アスカがそれに応える。
「ここでやってやるわよ。ギッタンギッタンにしてやるんだから」
「何か最近のアスカってマイクみたいなこと言うね」
「そうかしら」
「ハッター軍曹にも似てきたし」
「あのねえ」
シンジの言葉にムッとした顔になる。
「あたしあそこまで濃くはないわよ」
「まあそうだけど」
「マイクは嫌いじゃないけれどね。あの明るさは」
「そうなんだ」
「まあロボットは嫌いじゃないのよ、実際」
「ふうん」
「まっ、あんたも最近変わったわよね」
「そうかな」
「ドモンさん達の影響かしら」
「僕、素手で岩を粉々にしたりとかできないよ」
「そんなの人間じゃ無理よ。強くなったってことよ」
「そうなんだ」
「昔に比べたらね。うじうじしなくなったし」
「そんなことしても仕方ないし」
「下着もトランクスになったし」
「知ってたの」
「だって洗濯物乾してるから。嫌でもわかるわよ」
「ああ、それ」
「うちの部隊って皆トランクスだから。それか褌」
「嫌なの?」
「別に。さっぱりしてていいじゃない」
「ふうん」
「下着はすっきりしないと。けどジュドー達みたいに一週間や二週間履きっぱなしなんてのはなしよ」
「それはないよ」
「あんたはね。まあ半年置いておくと火山の噴火口みたいな匂いがするらしいけれど」
「うわ・・・・・・」
「そんなことになったらはったおすからね。わかった!?」
「幾ら何でもそんなことしないよ」
「まあシンジは毎日洗濯とかしてるみたいだけど」
「詳しいんだね」
「チェックよチェック、何言ってるのよ」
「そうなんだ」
「そういやアスカも洗濯まめにしてるわよね」
「そりゃね」
さやかの言葉に応える。
「汚いのは嫌だから」
「そうそう、清潔が一番よ」
「アスカってファッションもそうだしね」
「ありがと、ミカ」
「いいのよ。本当のことだから」
「下着も白ばっかやしな」
「こらトウジ、何でそんなこと知ってるのよ」
「そらいつも見えるから」
「何ですってぇ!?あんたいつもあたしのパンツとか見てるの!」
「御前いつも暴れるからな」
「そういえば毎日一回は見てるよね」
「いい加減飽きてきたわ。タイツ位履かんかい。それかスパッツ」
「うう・・・・・・」
「何か最近の特戦隊みたいね」
「ズボンにしたらどう、アスカ」
ミカが助け舟を出す。
「それだったら見えないし」
「それかタイツとかね」
「考えておくわ」
「何やおもろないなあ」
「ちょっとトウジ」
シンジがそう言ったトウジを咎めようとする。
「そんなこと言ったら」
「まあズボンはズボンでええもんやけどな」
「そうなんだ」
「そういうもんや。ホンマ御前はそういうことあかんな」
「そんなこと言ったって」
「まあええわい。じゃあ洗濯でも行こか」
「うん」
彼等は立ち去ろうとする。しかしここでサイレンが鳴った。
「出撃か!?」
「大阪にガイゾック出現!」
ミドリから放送が入る。
「大阪湾から上陸しようとしています」
「来やがったな」
勝平はそれを聞いて声をあげた。
「ここでカタつけてやるぜ!宇宙太、恵子行くぞ!」
「あっおい」
「待ちなさいよ」
だが彼はそれより早く出ていた。後の二人は仕方なくそれについて言った。
「ザンボット、出撃しました」
「困った奴だ」
ブライトはトーレスからそれを聞いて溜息混じりに述べた。
「だがどのみち我々も行かなくてはな。全軍出撃だ」
「はい」
「大阪に向かうぞ。そしてガイゾックと決着を着ける」
ロンド=ベルも大阪に向かった。そして彼等は大阪の市街地でガイゾックと対峙したのである。
ガイゾックは丁度大阪に上陸したところであった。ロンド=ベルは淀川の南側にいた。
「ホーーーホッホッホ、また出て来おったな」
そこにはバンドックもいた。それに乗るブッチャーはロンド=ベルの姿を認めて笑った。
「性懲りもなく来るわ」
「やいブッチャー!」
そんな彼に勝平が言う。
「手前人間爆弾なんてモン作りやがって!もう許さねえぞ!」
「それがどうしたのじゃ!?」
「何っ!?」
「虫けらが何匹死のうが知ったことではないわ。いちいち騒ぐことではないわ」
「俺達が虫けらだと!」
「ホーーホッホッホ、本当のことを言われて怒るでない」
「本当に許さねえ!アキはもうちょっとで死ぬところだったんだ!それを・・・・・・!」
「よせ、勝平」
そんな彼を万丈が制止する。
「万丈さん」
「キラー=ザ=ブッチャー、貴様のその人を人と思わない発言、僕達は決して許すことはできない」
「また格好をつけおるのう」
「世の為人の為ガイゾックの悪を打ち砕くダイターン3」
彼は言う。
「この日輪の輝きを恐れぬのならかかって来い!」
「そうだ!俺達は決して悪には負けない!」
凱も叫ぶ。
「ここでガイゾックを叩き潰してやる!行くぞ皆!」
「おうよ!」
「わかりました!」
「了解です隊長!」
「罪のない人達を粗末に扱うその言葉、許せない!」
「そんなことは僕達が許さない!」
「ガイゾック!」
「覚悟しなさいよ!」
「遠慮はしません!」
「ギッタンギッタンにしちゃうもんね!」
全ての勇者ロボ達が凱に続く。
「俺の拳が真っ赤に燃える!」
そしてドモンも。
「御前を叫ぶと轟き叫ぶ!」
「シャッフル同盟見参!」
「一発でKOしてやるぜ!覚悟しな!」
「やいガイゾック!」
「これ以上貴様等の好きにはさせん!」
シャッフル同盟も姿を現わす。
「やぁぁぁぁってやるぜ!行くぜ皆!」
「OK,忍!」
そしてダンクーガも。怒りに燃える者達は皆既に戦闘態勢を整えていた。
「何か皆燃えてるな」
「御前が一番な」
宇宙太は勝平に対してそう言った。
「フォローは俺達がする!どんどんやれ!」
「一歩でも引いたら許さないわよ!」
「おう、ブッチャー!ここを手前の墓場にしてやるぜ!」
「ホッホッホ、気合だけは充分なようじゃな」
「うるせえ!この気合が本物かどうか今見せてやるぜ!」
ザンボットが突進する。
「メカブーストなんか敵じゃねえ!どいつもこいつもまとめて粉砕してやる!」
「生憎わしにも都合があってのう」
だがブッチャーは相変わらずの調子であった。
「はいそうですかとやられるわけにはいかぬ」
「手前の都合なんか知ったことか!」
「こちらにも切り札があるのじゃ。それを使わせてもらおう」
「何っ!?」
「出ませいガイゾックの守護神」
ここでブッチャーは叫んだ。
「赤騎士デスカイン、青騎士ヘルガイン!」
バンドックの前に赤いマシンと青いマシンが数体ずつ姿を現わした。
「ロンド=ベルを始末するのじゃ。ここでな」
「ヘッ、今更そんなデカブツ出してきても無駄だぜ!まとめて叩き潰してやらあ!」
「勝平、後ろは任せろ!」
ガオガイガーもザンボットの側にやって来た。
「御前はそのまま前へ突き進め!」
「済まない凱さん!」
「こんなデカブツ出してきても俺達には無駄なんだよ!」
「どうせなら百体位出してきな!」
ダンクーガとマジンガーも続く。
「そういうことだ!ブッチャー!」
「ぬうう!」
「覚悟しやがれ!容赦はしねえぜ!」
「おのれ、ほざきおって!」
メカブースト達も出す。だがそこにはもうロンド=ベルのマシンが展開していた。
「邪魔だっ!」
サンシローがザウルカイザーを放つ。それでまずは目の前の敵を薙ぎ払う。
そしてそこに突破口が開く。ロンド=ベルは一気にガイゾックを押してきた。
「おおおっ!もうこんなにか!」
「この程度の数で俺達を止められるかよ!」
その先頭には勝平がいる。ザンボットの手にはザンボットグラップがある。
「どけっ!」
左右に握ったそのグラップで群がるメカブーストを次々と倒す。そしてさらに前に進む。
だがそこにデスカインとヘルガインが現われる。しかしそこでガオガイガーとダンクーガが現われた。
「ドリルニーーーーーッ!」
膝を出して急降下を仕掛ける。そして膝から出ている角でデスカインの胸を貫いた。
「ガオオオオオオオオンッ!」
デスカインは絶叫と共に滅びた。爆発が起き、一歩下がったガオガイガーの前で炎となって消えていた。
「俺達も行くよ!」
「わかってるぜ!」
忍は雅人に応える。ダンクーガのは断空砲を出した。
「消えやがれっ!」
それでヘルダインを吹き飛ばす。青騎士は一撃で白い光の中に消え去った。
「な、何とっ!?」
「ガイゾックの守り神か何か知らねえがなあ」
ザンボットはもうバンドックの側にまで迫っていた。
「俺達の前にはそんなの関係ねえんだよ!」
「そうだキラー=ザ=ブッチャー!」
宇宙太がそれに続く。
「覚悟しなさい!今日で終わらせてあげるわ!」
恵子も。今三人の心が一つになった。
「ザンボットムーーーーンアタァァァァァァァーーーーーーーーック!」
ザンボットは攻撃態勢に入った。その両手から光が放たれ額の三日月に集まる。
そしてそこから三日月の光が放たれた。それは螺旋状に動きバンドックを直撃した。
バンドックの後ろに三日月が見えた。それで終わりだと誰もが思った。
「やったか!?」
「いや、まだだ!」
ピートが叫んだ。
「まだ奴は死んじゃいない!」
「チッ!しぶとい奴だぜ!」
「グググ・・・・・・」
確かにブッチャーはまだ生きていた。そしてバンドックも。
「やりおるわ。じゃがわしはまだ死ぬわけにはいかぬ」
「何だと!まだやるつもりか!」
「ここではせぬわ。じゃがな」
バンドックは上へ上がった。
「すぐに地球は焼け野原にしてやる。楽しみにしているがいいわ」
「野郎、待ちやがれ!」
「待てと言われて待つ馬鹿はおらぬわ。ホッホッホ」
バンドックはそのまま消えた。空に消えてしまった。
「何てことだ、逃がすなんてよ」
「いや、悲観する必要はない」
万丈は勝平を宥めてこう言った。
「奴が逃げたのなら追えばいいだけだ」
「それじゃあ」
「そうさ。宇宙に行こう」
「宇宙に」
「皆、それでいいかな」
「異存はない」
グローバルがそれに応えた。
「今ここでガイゾックを除いておかなければまた無差別な殺戮を繰り返すだろう」
「それだけは許すことは出来ない。ここで彼等を倒す」
「よし、それじゃあ決まりだな」
ブライトの言葉も出て全ては決まった。
「宇宙だ。そしてガイゾックとの決着を着ける」
「了解」
「それじゃあすぐに」
ロンド=ベルは戦いを終わるのも束の間すぐにラサへ向かった。そしてそこから宇宙へ向かう準備をはじめた。
「急げよ」
カワッセが指示を出す。
「一秒の遅れがそれだけガイゾックの力を回復させるからな」
それは彼等自身が最もよくわかっていた。それがわかっているからこそ素早い動きで作業を進めていた。
「勝平」
勝平達もその中にあった。宇宙太が彼に声をかけてきた。
「何だ?」
「ガイゾックの奴等だけどな」
「ああ」
「どうして俺達の故郷や地球に来ていると思う?」
「だからあれだろ」
勝平はそれに答えた。
「文明を破壊する為によ」
「それだけかな」
「何が言いたいんだよ」
「あくまで俺の考えだぞ」
「ああ」
宇宙太は前もってそう断ったうえで述べた。
「あのガイゾックってな。宇宙怪獣と一緒なんじゃねえか」
「おいおい、全然違うじゃねえか」
「外見はな」
「しかもあいつ等殆どマシンだしよ」
「けれど文明を狙うのは同じだよな」
「そこかよ」
「そうだ。何かそこが似てるんじゃないかと思ってな」
「そういえばそうね」
恵子がそれに同意した。
「ガイゾックも宇宙怪獣も交渉なんて不可能だし」
「そうだな。目的はどちらも破壊だ」
「けれどそれだと何で同じなのかしら」
「そこまではまだわからねえがな。けれど」
「連中も同じだってことかよ」
また一つ謎が浮かんできたと思われた。謎が生まれては消え、消えては生まれていく。その中にあってロンド=ベルは果てしない戦いを続けていくのであった。
彼等は宇宙へ飛び立った。そしてガイゾックと最後の戦いに赴いた。
第九十三話完

2006・5・18  
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