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スーパーロボット大戦パーフェクト 第二次篇

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第七十七話 解放されし悪魔の力

              第七十七話 解放されし悪魔の力
願いを聞き入れてもらったゲッターチームは早乙女研究所に急行していた。武蔵の乗るブラックゲッターも一緒である。
「何か研究所に帰るのも久し振りだな」
「そういえばそうだな」
隼人は武蔵の言葉に応えた。
「今まであちこちを飛び回って戦っていたからな」
「シカゴじゃ死んだものと思ったしな」
「あれは本当に心配したぞ」
竜馬が武蔵に対して言う。
「ゲッター線に飲み込まれてな」
「けれどシュウの奴が助けてくれた」
「そのことは感謝しているさ」
「けれど。引っ掛からねえか?」
「それはあるな」
隼人はまた応えた。
「あのシュウだ。きっと何か企んでいる」
「問題はその企んでいるのが何かってことだよな」
弁慶も言う。
「どうやら今は俺達の敵じゃないみたいだがな」
「いや、それもまだわからないな」
隼人は猜疑心に満ちた声でこう述べた。
「あの男だけは。何を考えているかわかったものじゃない」
「それじゃあまた敵に回る可能性もあるってことか」
「それは有り得るぞ」
隼人はまだシュウを警戒していた。
「あいつが何を考えているか誰にもわかりはしないんだからな」
「今度は何を」
「さてな。今度あいつが俺達の前に姿を現わした時に欠片程度は見せてくれるかもな」
「欠片か」
「どうなるかはわからん。だがきっと何かを考えている」
隼人は言う。
「俺ですらその程度しかわからん。あいつのことはな」
「そうだな」
「こりゃ待つしかねえんだろうな」
「巴先輩は待つのは得意でしたよね、そういえば」
「柔道ではそれも大事だからな」
「HAHAHA、ミーとは違う流儀デスね」
「兄さんは我慢できないだけでしょ」
そして早乙女研究所に着いた。だが敵はまだ姿を見せてはいなかった。
「もう来てくれたのか」
早乙女博士はゲッターチームとの再会を喜びながらこう言った。
「また行動が早くなったようだな」
「そうでないと生き残れませんからね」
隼人がクールにこう言う。
「この戦いは」
「そうか。ところで話は聞いていると思うが」
「敵はミケーネですね」
「そうだ。それも指揮官はあしゅら男爵とブロッケン伯爵らしい」
「あの二人が」
「何でまた連中が」
「七大将軍が全員出払っていてな。彼等しかいなかったらしい」
「ゴーゴン大公とかは出なかったのですか」
「そこまではわからないが。とりあえず彼等が来ているらしい」
「成程」
「それで連中は何時来るんですか?」
「もうすぐらしい。それで帰って来て早々申し訳ないがすぐに出撃してくれないか」
「了解」
「その為に来ましたからね」
こうして彼等は出撃した。武蔵達の乗るブラックゲッターも一緒であるのは言うまでもない。
「リョウ、レーダーに反応だぜ」
隼人が言った。
「早速か」
「ああ。数にして二百だ」
「少ないな」
「後で援軍か何かが来るかもな。覚悟はしておけよ」
「わかった。それじゃあ皆いいな」
「ああ」
「何時でもいいぜ」
隼人と弁慶はそれに頷いた。そして西の方からミケーネ軍が姿を現わして来た。
「何と!もうゲッターがいるではないか!」
グールが二機飛んでいた。そのうちの一機から男と女の声が同時に聞こえてきた。
「ブロッケン伯爵!これはどういうことだ」
「ええい、わしが知るか!」
早速もう一機のグールから返事が返って来た。
「勝手におるのじゃ!」
「御主が情報収集にあたったのであろう!そんな杜撰なことでどうする!」
「わしが情報収集した時にはおらんかったわ!だから知らん!」
「御主それでも指揮官か!」
「ええい、貴様にだけは言われたくはないわ!」
「何て言うか相変わらずだな」
武蔵はそんな彼等を見てぽつりと呟いた。
「進歩のない奴等だ」
「ああ。だが何か懐かしいものがあるな」
「貴様等には言われたくはないわ!」
すぐに反論が返って来た。
「わし等とて伊達や酔狂で戦争をしているわけではない!」
「ここで早乙女研究所を破壊する為じゃ!覚悟はよいか!」
「それじゃあどうして俺達がここに来ないんだよ!」
「HAHAHA!ユー達はもう少し考えた方がいいデーーーーーース!」
「貴様にだけは言われたくはないわ!」
「ボキャブラリーも何か貧困だな」
「ううむ、ここでも進歩がないな」
隼人と竜馬がまた言った。
「とにかくじゃ!今回は切り札を用意してきたのじゃ!」
「切り札?」
「それは一体」
「出でよ、ギルギルカン!」
「ゲッ、それかよ!?」
弁慶がそれを聞いて思わず叫んだ。
「また毎度毎度。ちょっとは他のものを出せってんだ」
「ええい、五月蝿いわ!」
あしゅら男爵もそれに対抗するかのように叫んだ。
「貴様等に合わせてやっているのではないわ!」
「そうじゃ。さっさっとこのギルギルカンの前に死ぬがいい!」
「ガオオオオオオオオオン!」
「何ていうかまた聞くな、あの声」
弁慶はギルギルカンの叫び声を聞いてなおも言う。見ればギルギルカンがその巨大な姿を見せていた。
「いつもいつも。俺達の前に出て来やがって」
「だが強敵であることには変わりがないぞ」
「倒しても次がある。こいつは厄介だな」
「そうだな。ドラゴンといえどここは難しいだろう」
早乙女博士もそれを認めた。
「それじゃあ博士」
「うむ、君達もそれが目的でここに来たのだろう」
彼は言った。
「真ゲッターの力を解放する。だがこれは目の前の敵に対してだけではないのだ」
「どういうことですか博士」
「人類を未曾有の危機が襲おうとしている。それを防ぐ為には真ゲッターの力が必要なのだ」
「真ゲッターの」
「そうだ、今このその力を解放する時なのだ。行くぞリョウ君、隼人君、弁慶君!」
「はい!」
「こっちの用意はできてますよ」
「何時でも来て下さい!」
「よくぞ言った!ではゲッターを解放するんだ!」
「はい!」
博士の指示に従い今解放のボタンが押された。そして悪魔が解き放たれた。
「今こそその悪魔の力を!」
「神の力に変えてやる!」
「そして!」
三人は言う。
「俺達は・・・・・・勝つ!」
今三人はゲッターに乗り込んだ。そしてゲッターが緑の光に包まれた。
「何てゲッター線の量なんだ」
武蔵がそれを見て呟く。
「あれが真ゲッターの力」
ミチルも。
「前の戦いよりも。パワーアップしてるよな」
「ええ」
ゲッターはゆっくりと宙に舞い上がった。そしてあしゅら男爵とブロッケン伯爵の軍勢を見下ろす。
「この力、確かに恐ろしいものだ」
竜馬はその真ゲッターの中で呟く。
「だが俺達は決めたんだ!必ず御前を使いこなしてみせると!」
「行くぞ、真ゲッター!」
隼人も言う。
「御前の力、見せてみろ!」
「そして地球を、人類を救うんだ!その為に俺達は御前に乗り込んだんだ!」
そして弁慶も。
「真ゲッター、御前に!」
真ゲッターはそれに応えるかのように大きく身構えた。そして前に出て来た。
「おのれ、化け物が出てきおったか!」
「あしゅら男爵、あれは真ゲッターだ!」
「そんなことはわかっておるわ!」
「わかっているようには見えぬわ!」
「ええい、五月蝿いわ!」
二人はこの期に及んでまだ言い争いを続けていた。だがだからといって戦いを忘れたわけではなかった。
「全軍攻撃に移れ!」
彼等は指示を下した。
「そしてあの悪魔を研究所もろとも踏み潰してしまえ!」
「ガオオオオオオオン!」
機械獣達の咆哮が戦場に轟く。これが開戦の合図ともなった。
「それじゃあ行きマーーーーーーーース!」
ジャックの声も木霊する。
「ミーの活躍の場デスネーーーーーーッ!」
「兄さん、調子に乗ったら駄目よ」
「それにブラックゲッターのメインパイロットはおいらなんだけれどな」
「武蔵、機械獣の相手は頼むぞ」
「おう、任せときな」
武蔵は竜馬の声に応えた。
「あんな連中、おいらだけで充分だぜ」
「おのれ、我等を侮るか!」
「おいおい、別に侮っちゃいないだろ」
隼人が彼等にこう返す。
「何でもかんでも悪くとってるがな。被害妄想じゃないのか」
「ちょっとは落ち着きなってんだ」
「やかましいわ!」
「敵に言われるとは最大の屈辱よ!」
弁慶にも言われたのが相当しゃくだったのかさらに激昂した。
「こうなったら容赦はせん!機械獣をありったけ出すぞ!」
「うむ、我等が主の為に!」
「我等が主」
早乙女博士はそれを聞いて眉を動かした。
「どうしたの、御父様」
「うむ、あの二人は今自分達の主と言ったな」
「ええ、それがどうかしたの?」
「ミチル、おかしいとは思わないか。そもそも死んだ筈の彼等が復活して」
「ここにいることが?」
「そうだ。若しかするとあの男も復活しているかも知れない」
「まさか」
ミチルは父が誰のことを言っているのかすぐにわかった。
「だってあの戦いで」
「あの二人もそれは同じだ」
博士は娘に対してまた言った。
「それが何故か。考えるとな」
「まさかあの男もミケーネに」
「可能性はある。注意しておいた方がいいのかもな」
博士の顔に深刻な雲が宿った。彼はミケーネに対して何かを感じていた。
そこに機械獣の援軍が到着した。二人が呼んだものであった。
「クッ、あんなに残っていたのか!」
「数で押すつもりか!」
「ふはははははは、そうよ!」
ブロッケン伯爵が叫ぶ。
「戦争は数だ!」
「一気に捻り潰してくれるわ!」
あしゅら男爵も叫ぶ。その男の顔と女の顔が同時に歪む。
「兜甲児がいないのが残念だがな!」
「まずは貴様等を血祭りにあげてくれるわ!」
「おいおい、俺を呼んでくれるとはな!」
「何っ!?」
二人はその声に反応を示した。
「この声はまさか!」
「そうさ、そのまさかだ!」
マジンカイザーが姿を現わした。
「兜甲児!」
「しかもマジンカイザーで!」
「あしゅら男爵!ブロッケン伯爵!まさか生きてやがったとはな!」
「フン、我等は疑獄から甦ってきたのだ!」
「貴様を倒す為にな!」
「そうかい、じゃあまた地獄に送り返してやるぜ!」
甲児はそう言い放った。
「このマジンカイザーでな!」
「フン、我等とてグールがあるわ!」
「そう簡単に遅れはとらぬぞ!」
「何かお決まりの台詞よね」
「そうなの、さやか」
マリアがさやかに問う。
「ええ。いつもああ言ってやられちゃうんだから」
「進歩がないだわさね、本当に」
「弓さやか、貴様もいるのか!」
「ここで会ったが百年目だ!」
「ほら、ありきたりの言葉でしょ」
「うん。何かワンパターンの王道ね」
「しかも新顔までおるのか!」
「ちょっと待てブロッケン伯爵、調べておらんかったのか!」
「知っておるわ!あれはマリア=フリードだ!」
「おお、そうだったのか」
「・・・・・・待て、あしゅら男爵。御主知らんかったのか!?」
「な、何を言う」
必死にそれを誤魔化そうとする。
「無論知っておるぞ。あのデューク=フリードとかいうのの妹じゃったかな」
「その通りじゃ」
あてずっぽうであったが正解であった。
「確かな」
「うむ、その通りじゃ」
「あれ絶対知らなかったわよね」
「多分ね」
ひかるとさやかが囁き合う。
「ええい、黙っておれ!」
だが二人は地獄耳だった。すぐに言い返す。
「マジンガーチームよ、ここで会ったが運の尽きよ!」
「今日こそ今までの借りまとめて返してくれるわ!」
「おう、望むところだ!」
鉄也がそれに応える。
「覚悟しろ!機械獣!」
「ちょっと鉄也さん、それは俺の台詞だぜ」
「おっと、そうだったか」
「いや甲児君、マジンガーの敵なら僕達全員の敵になるぞ」
そしてまた大介が言う。
「だからここは誰が言ってもいいんじゃないかな」
「そうね、大介さんの言う通りね」
ジュンがそれに頷く。
「それじゃあマジンガーチーム全員で派手にやっちゃいましょうよ」
「おいらもいるだわさ」
「ヌウウ、マジンガーチーム総出で倒されに来るとは!」
「これも僥倖!今ここで死ぬがいい!」
「何か僕達のことは目に入っていないみたいだね」
万丈がそれを見ながら呟く。
「困ったことだね、どうにも」
「まあそれは仕方ないさ。奴等の敵は俺達じゃなかったんだしな」
「メインはね」
万丈はアムロにこう返した。
「けれどここは僕達も参戦させてもらわないとね」
「そうだな。ロンド=ベル全軍攻撃に移れ」
ブライトが指示を下した。
「そして早乙女研究所を守り抜く。いいな」
「了解」
「ギルギルカンもいるしね」
こうして戦いがはじまった。そのギルギルカンはゲッターと対峙していた。
「ギルギルカン、貴様にも教えてやる」
「ガオオオオオオオオオオオオン!」
ギルギルカンはそれに応えることなく咆哮した。
「ゲッターの恐ろしさをな。行くぞ!」
その腕に巨大な戦斧を出してきた。
「ゲッタァァァァァァトマホォォォォォォォォクッ!」
そしてそれを振り下ろす。だがそれはギルギルカンの爪で止められてしまった。
「何っ!?」
「ガオオオオオオオン!」
「いかんリョウ、よけろ!」
「クッ!」
隼人の言葉に従い後ろに退く。それでギルギルカンの爪を防いだ。
「あれを止めるとは」
「あのギルギルカンだ、これも有り得ることだ」
隼人は驚きを隠せない竜馬に対して言った。
「ここは一気にやるしかないぞ」
「あれを使うか、リョウ」
「ああ、あれしかない」
彼は弁慶の言葉に答えた。
「じゃあ行くぞ隼人、弁慶!」
「よし!」
「何時でもいいぜリョウ!」
「わかった!今こそ見せてやる。ゲッターの真の力を」
「ガオオオオオオン!」
そこにギルギルカンの爪が来る。だがそれはゲッターの影の様に素早い動きでかわされてしまった。
「オオオオオオオオオオオオ!」
竜馬は叫ぶ。そしてその両手に巨大な赤い光を宿らせる。
それは球体になった。次第に大きくなり、遂にはゲッターよりも巨大になった。ゲッターはその球体を頭上に掲げる。
「ストナァァァ、サァァァァンシャァァァァインッ!」
その光をギルギルカンに向けて投げつけた。複雑な動きを示して襲い掛かる。
光がギルギルカンを覆った。これで最後だと思えるものがあった。
しかしロンド=ベルの戦士達はそうは見ていなかった。彼等は次があることがわかっていたのであった。
「来るぜ、また!」
「わかってる!」
竜馬は武蔵にこう返した。見れば光の中で新たな敵が姿を現わそうとしていた。
「ヘッ、毎度毎度だともう流石に慣れてきたぜ」
忍がそれを見て言う。
「何とかの一つ覚えみてえによ」
「俺ははじめて見るけれどな」
一矢がそれに対して言う。
「けれど何故かはじめてって気がしないな」
「そういえばそうだな」
勝平もそれに頷く。
「何か前にも見た気がするぜ」
「そういえば」
宇宙太もそれは同じであった。
「何か見た記憶があるわ」
恵子も。彼等はそう言いながらその光の中から出て来る巨大な怪物を眺めていた。
「さてと、真打ちの御登場ってわけだな」
アラドが言う。
「ええと、メカギルギルガンだったけ」
「その通りだ」
ブライトが彼に答える。
「よく知っているな」
その銀の身体にメタリックな外見の怪獣を指差しながら言う。
「まあ何でも常連さんらしいですからね」
「アラド、何か微妙に変なこと言ってない?私達あれに会うのはじめてよ」
「そういえばそうだったっけ」
ゼオラにこう応える。
「けれどな。何かお決まりのパターンっぽいんだよな」
「まあやられた後で変身するってのはよくある話よね」
「問題はどうやって倒すか、なんだけれどな」
「行くわよ。あんなの放っておくわけにもいかないし」
「了解、それじゃあツインバードストライクで」
「待ってくれ」
だが二人を呼び止める声がした。
「ゼンガーさん」
「この敵は俺がやらせてもらいたい」
「えっ、何でまた」
「来ているからだ」
彼は言った。
「来ている?」
「そうだ。あの女が」
「女って」
「来たか」
ゼンガーがそう言った時だった。
「ククル」
そして戦場にマガルガが姿を現わしたのであった。
「ククル!」
「御主生きておったのか!」
「そう、むざむざと生き恥を晒してな」
ククルはあしゅら男爵とブロッケン伯爵を見据えてこう言った。
「邪魔台王国は滅んだ」
そして言葉を続ける。
「そして貴様等が復活した。全ては知っている」
「クッ」
二人はそれを聞いて顔を歪ませた。
「邪魔台王国の者達の命を糧としてな。違うか」
「知っていたというのか」
「知るつもりはなかったが。だが知った以上は許してはおけぬ」
ククルはそう言いながら構えをとった。
「我が邪魔台王国を利用した罪、その身で償ってもらおう!」
「おのれククル裏切るというのか!」
「裏切るのではない!」
キッとした顔になり反論した。
「我が民を利用したことを償わせるだけだ!行くぞミケーネの者達よ!」
「クッ!」
「こんな時にこんな奴が出て来るとは!」
「って全部自業自得じゃねえか」
デュオがそれを見て言う。
「いつもの小細工のせいだろ」
「策士策に溺れるだ。もっともこんな連中の考えることなぞ策略でも何でもないがな」
ウーヒェイも続く。彼等の言葉は辛辣であったが事実であった。
「ククルよ」
ここでゼンガーが声をかけてきた。
「ゼンガー=ゾンボルトか」
「今御前が俺の前に姿を現わした。それはミケーネを相手にする為だけではないな」
「当然だ。貴様とのことは忘れてはいない」
彼女はゼンガーに対しても凄まじい怒りの炎を向けていた。
「何度も敗れたことはな」
「わかった。では貴様の相手をしてやろう。だがその前に」
その巨大な斬艦刀を取り出した。
「この敵を倒す。待っていろ」
「おい、メカギルギルガンを一人でやるってのかよ」
「そら幾ら何でも無茶やで」
豹馬と十三がそれを見て思わず声をあげる。
「少佐、無理です」
「大丈夫だ」
ちずるの言葉にも何ら迷いは見せなかった。
「このダイゼンガー、そして俺の剣技の前には」
構えながら言う。
「断てぬものは存在しない!推して参る!」
そしてダイゼンガーを前進させた。
「ガオオオオオオン!」
そこにメカギルギルガンのメガグラビトンウェーブが襲う。だが彼はそれを刀で一閃して退けた。
「なっ!」
「重力波の攻撃を!」
「波ならば斬ることが可能!」
彼はそれを苦もなくやってのけた。
「言った筈。我が剣に断てぬものなしと!怪物よ受けてみよ!」
天高く跳んだ。そして一気にその巨大な刀を振り下ろす。
「雷光斬!」
剣撃が稲妻の様に見えた。そしてそれが一閃した時メカギルギルガンの動きは完全に止まっていた。
「まさか」
「やったというのか」
あしゅら男爵とブロッケン伯爵はそれを見て呟いた。
メカギルギルガンはなおも動かない。だがその身体が左肩から右脇にかけてゆっくりと下がっていく。そして二つになり大地へと落ちていった。
二つの爆発が起こった。それで終わりであった。メカギルギルガンは一刀の下に斬り倒されてしまったのであった。
「これで終わりだ」
ゼンガーは言った。
「怪物は倒れた。復活もできない」
「おのれ、よくも我等の切り札を!」
あしゅら男爵は地団駄を踏み忌々しげに言う。
「覚えておれよ!」
「ヘッ、もうその台詞は聞き飽きたぜ!」
「いつものことだしね」
甲児とさやかがそんな彼に対して言い返す。
「ちょっとはあたらしい言葉考えろってんだ!」
「おのれ、兜甲児!」
あしゅら男爵はそれを受けてグールを前に出そうとする。
「こうなればこの手で!」
「待て、あしゅら男爵!」
だがそんな彼をブロッケン伯爵が制止した。
「止めるなブロッケン伯爵!」
「貴様がどうなろうと知ったことではない!だがそれはわしのグールだぞ!」
「チイッ!」
「下手なことをして破壊されたら困る!さっさとここは退け!」
「退けというのか!」
「名誉ある撤退だ!機械獣も既にその数を減らしておるわ!」
「ヌウウ」
見れば八割以上が破壊されていた。これ以上の戦闘は不可能であった。
「そしてギルギルがンもやられた!ここは潮時じゃ!」
「わかった」
彼は男の声と女の声で忌々しげにこう返した。
「では名誉ある撤退といこう」
「うむ」
「だが兜甲児よ覚えておくがいい」
「おいおい、俺かよ」
「まさか甲児君しか知らなかったりして」
「貴様等の名前と顔は全部覚えておるわ!いちいち茶々を入れるでない!」
今度はさやかに対して言った。
「ではロンド=ベルよ覚えているがいい!今度会った時が貴様等の最後だ!」
「あしゅら男爵、それはわしが言おうと思っていた台詞だぞ!」
「ええい、早い者勝ちよ!」
最後まで言い争いをしながら戦場を離脱していった。何はともあれこれで早乙女研究所は守り抜いたのであった。
「さてと」
だが話はこれで終わりではなかった。
「問題はまだ残っているな」
「そうですね」
サエグサがブライトの言葉に頷く。見ればゼンガーとククルが対峙していた。
「俺を倒すというのか」
「貴様に対しては一人の戦士として挑む」
「戦士」
それを聞いたゼンガーの眉が動いた。
「今戦士と言ったか」
「左様、わらわはもう邪魔台王国の女王ではない」
ククルは言う。
「そのわらわに残されたもの・・・・・・それは戦士としての誇りのみだ」
「そうか」
ゼンガーは感情を現わすこともなくそれを聞いた。
「そして戦士として俺の前に姿を現わしたというわけだな」
「貴様との決着を着ける為に」
彼女は言った。
「ここに参った。この勝負、逃げることは許さん」
「武士は勝負に背を向けることはない」
ゼンガーも言った。
「何があろうとも。戦士として、そして武士として勝負を受ける」
「左様か。では待っている」
彼女は言った。
「奈良の飛鳥の地でな。一週間後に」
「一週間後、飛鳥か」
「ゆめゆめ断ることなきようにな」
そう言い残してククルは戦場から消えた。こうしてここでは何もなく話は終わった。
「一週間後か」
「随分激しい一騎撃ちになりそうだな」
「望むところ」
だがゼンガーは至って冷静であった」
「互いの誇りをかけた戦いは武士にとってこの上ない喜び。それを避けることは」
「有り得ない、ということか」
「その通り」
彼は目を閉じてレーツェルの言葉に頷いた。
「俺は一週間後武士になる」
「武士に」
「そしてククルとの決着を着けてくる」
「多くは言わない。だが」
レーツェルはそんな彼に対してまた言った。
「勝って来るのだ。いいな」
「うむ」
彼は頷いた。そして来たるべき戦いに思いを馳せるのであった。
戦いが終わり真ゲッターも手に入った。早乙女博士はそんな彼等に対してまずは礼を述べていた。
「いつも有り難う」
「何、当然のことをしたまでです」
大文字が彼に応える。
「早乙女博士にはこちらも何かと助けて頂いていますから」
「いえ、私なぞは何の力にもなっておりません」
だが彼は謙遜してこう返した。
「全ては。皆さんのおかげです」
「早乙女博士」
「ところで真ゲッターの力ですが」
「はい」
「あの力は神にも悪魔にもなります。どうかリョウ君達を導いてやって下さい」
「わかりました」
「博士」
そこにいた竜馬達が博士に声をかけてきた。
「俺達はやります」
「うむ」
「きっとゲッターの力を平和に」
「頼むぞ」
その声はまるで父が息子達に対してかけるようなものであった。
「君達ならばやれる」
「はい」
「ゲッターの力を。正しい方向へと使うことが」
彼は信じていた。竜馬達を。だからこそ真ゲッターの力を解放したのであった。
こうして真ゲッターが参加した。しかし彼等には休息が訪れることはなかった。
「今度は名古屋!?」
ユリカがそれを聞いて声をあげる。
「はい。ミケーネ帝国軍がそちらに向かっているそうです」
ルリが感情の見られない声でこう述べた。
「すぐに向かうべきだと思いますが」
「勿論よ。さもないとういろうが食べられなくなっちゃうわ」
「ういろうの問題じゃないと思いますけれど」
ハーリーがそれを聞いて呟く。
「まあとにかくだ」
だがここでフォッカーがフォローに回った。
「名古屋が危ないのは事実だ。ここはすぐに向かおう」
「そうですね。うかうかしてはいられません」
マックスも言う。
「さもないと名古屋が廃墟になってしまいます」
「そうだな。マックスの言う通りだ」
輝もそれに頷く。
「すぐに行きましょう。今なら間に合います」
「そうですね。それでは」
「わかっているさ」
グローバルがそれに応えた。見ればフォッカー達はマクロスの艦橋にいた。
「全艦これより名古屋に向かう」
「了解」
「そしてあの街を敵から防衛する。よいな」
「わかりました。ではそれで」
クローディアがそれに頷く。彼女はそれからフォッカーに声をかけた。
「ロイ」
「何だ?」
「今日の夕食は味噌カツでいいかしら」
「おいおい、名古屋だからか?」
フォッカーはそれを聞いて苦笑いを浮かべる。
「そうかもね」
そしてクローディアもそれに応えて微笑む。二人の関係は相変わらずであった。
「さて」
グローバルは名古屋に向かいはじめたマクロスの艦橋で一言言った。
「名古屋では味噌煮込みうどんを楽しむとするか」
「味噌煮込みうどん!?」
それを聞いたダイゴウジが激昂する。
「どうかしたのですか、ヤマダさん」
「ヤマダではない、ダイゴウジだ!」
そしていつもの様にルリにクレームをつける。
「あれを食べずして名古屋に行く意味がない!」
「あれっ、確か一週間前に食べなかったっけ」
サブロウタがそれを聞いてふと呟く。
「食堂でな。一緒に食べたから覚えている」
ナガレもそれに頷く。
「それでまたどうして」
「そんなことはどうでもいい!俺が言っているのは名古屋のうどんなのだ!」
「うどんつっても何も変わらねえんじゃねえのか?」
「きし麺ですけれどね」
リョーコとヒカルも言う。
「今はきし麺も何処でも食べられますよね」
ジュンも。皆容赦がない。
「うっ、どーーーーーーーん・・・・・・」
「イズミさん、今度は漫画のネタですね」
「あんまり古いからわからねえぞ、おい」
「とにかくだ!」
ダイゴウジの激昂は続く。
「名古屋だ!名古屋をこの拳で守り味噌煮込みうどんを我が手に!」
「ラーメンじゃなくて!?」
「アキト!確かにラーメンは素晴らしい!」
ダイゴウジは熱弁を振るう。
「だが!同時に!味噌煮込みうどんもまた素晴らしいものなのだ!」
「はあ」
「味噌煮込みうどんを我が手に!では行こう!」
「肉じゃないからいいわ」
「レイ、御前は結局それかい」
最後にトウジの突込みが入った。そして味噌煮込みうどんに向かうのであった。

第七十七話完

2006・3・1  
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