スーパー戦隊総決戦
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第二十話 戦いが終わってその八
「幾ら何でもそれは反則じゃないの?」
「そうだ、これまで鏡の向こうにいたのではないのか」
「それが急に出て来るとはじゃ」
「いえ、それ今までと同じですけれど」
ボウケンピンクがコクピットの中で少しきょとんとした顔で答えた。マスクの裏がそうなっているのである。だがそれが仕草にも出てしまっていた。
「ビーグルもいつもあっという間じゃないですか」
「あっ、そういえばそうね」
「言われてみれば」
「確かに」
「ついでに言えば他の戦隊も同じですけれど」
今度は先生が言う。
「それは」
「ううん、何か反則よね」
「全くだ、違う世界のライダーもそうだというしな」
「ワープできるとはな」
「とにかくだ」
ボウケンレッドは話を強引に終わらせた。
「行くぞ、ズバーン!」
「ズバーーーーーーーン!!」
「ファイナルスーパーライディングアドベンチャードライブ!!」
その攻撃でだ。ゴーゴンを吹き飛ばす。ズバーンも入れたその渾身の攻撃の前には最早敵は存在しない、まさにそんな攻撃であった。
ゲキレンジャー達の戦いも決着がつこうとしていた。
「やいロン!」
「何でしょうか」
「これで最後だ!」
ゲキレッドがロンにここでも言っていた。
「御前ギタギタだ!」
「いいでしょう、それではです」
「やってやる!オワオワだ!」
「オワオワ?」
「何だそりゃ」
ゲキバイオレットとゲキチョッパーがそれに問う。
「終わるって意味か?」
「そう聞こえるけれどな」
「ああ、そうだ」
実際にそうだと答えるゲキレッドだった。
「終わりだ!これで全部!」
「そうだね、じゃあ」
「この一撃にかけるわ」
ゲキブルーとゲキイエローが頷く。
「七人の力を」
「今ここに」
「よし、それではだ」
「やるわよ!」
ゲキブラックとゲキグリーンも続く。
「七人の獣の技!」
「今ここに!」
「よし、いいでしょう」
ロンもだ。彼等を正面から見据えていた。
そのうえでだ。彼も攻撃を放ってきた。
「どちらが勝つか、今ここで!」
「やってやる!」
ゲキレッドが応えてだった。今ここに。
「最終砕大激臨斬!!」
「いけーーーーーっ!!」
全ての獣が攻撃を浴びせてからだ。最後の激激臨臨斬でロンを撃つ。それを受けたロンも遂には。片膝をついてしまったのだった。
「見事です」
「俺達の勝ちだ!」
「はい、聖杯はこれで諦めるしかありませんね」
ロンの言葉には無念があった。
「普通に国を造るしかありませんか」
「そうなりな。やはり地道に」
「やっていくぞよ」
「結局はそれしかないでおじゃるか」
ガイアークの三人がここでふう、と溜息をつく。
「世の中そうそう上手い話はないなりな」
「努力が一番であるぞよ」
「一つ一つこつこつとでおじゃるな」
肩を落として言うのだった。そこにはこれといった緊張感はない。
その彼等と戦ってきたゴーオンジャー達はだ。ドレイクと戦っていた。
攻撃が通用しない、ドレイクはどんな攻撃でも防いでいた。
「首の後ろが弱点と聞いたが」
「聞いていない?」
ゴーオンゴールドとゴーオンシルバーがここで言う。切り抜いてそのうえで反転しそれで首の後ろを斬ったのだがそれが通じていないのだ。
「まさかと思うが」
「弱点を克服した」
「当たり前だろうが!」
そのドレイクからの言葉だった。
「俺だってただ遊んでる訳じゃねえんだよ!」
「遊んでばっかりだったんじゃ?」
「そうっすよね」
「君達ずっと遊んでたじゃない」
その彼にゴーオンイエロー、ゴーオンブルー、ゴーオングリーンが突っ込みを入れる。
「あまり戦ってなかったし」
「それで何時の間にっすか?」
「弱点を克服して」
「そういうのは気付いたらなってるんだよ」
ドレイクの今の言葉はかなり酷いものだった。自覚はないが。
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