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スーパーロボット大戦OGAnother

作者:TACHIBANA
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第一部「数奇なる騎士」
  第02話「意地の模擬戦」

 
前書き
第2話です。
皆さんお待ちかね、ダンディの登場です。
あと、模擬戦の使用兵器は直感で名前つけました。
かなり無理やりです。
それではどうぞ! 

 
「レイカー司令、輸送機が一機着停を求めています。」
伊豆基地のオペレーターが言う。
レイカー「輸送機?通信を回してくれ。」
「了解。応答せよ、こちら伊豆基地司令部。」

『こちら、地球連邦軍極東支部、琵琶方面補給基地所属、ラッカー・アダム中尉であります。』
通信が開く。
「アダム!」
ダンディズムあふれる男が驚いたように言う。
カイ・キタムラ少佐である。
「知っているのか?」
レイカーがたずねる。
「ええ、自分の教え子です。訓練後のことは分かりませんが。」
カイが返した。
『教官、お久しぶりです。ですが、昔話をしている暇も。こちらには士官学校上がりの新兵が四人います。特に、女子訓練兵の二人は疲弊が激しくて。』
「了解した。滑走路に着停を許可する。」
レイカーは優しげに告げた。
「ありがとうございます。ハスナカ、滑走路に降下だ。」
「了解!」
通信を切った後、輸送機は着停した。











***








「これは・・・ヒュッケバインの改修機か。」
カイが、搬入されたグランバインを見て言う。
「ええ。しかし、例のEOTは取り除かれていないうえ、無理やりテスラ・ドライブを積んだせいで安定性は最悪です。」
「お前が乗ったのか?アダム。」
カイが尋ねた。
「いえ、私はあのボロボロのゲシュペンストです。」
アダムが、自分の機体の方を向いていった。
「お前でもあそこまでやられるとは・・・琵琶の壊滅も嘘ではないらしいな。では誰が?」
「それは・・・」
「アダム中尉、13号機の搬入、終了しました。」
そこへ、ライトが報告にやってくる。
「君は?」
「自分は、ライトフォード・シラヌイ軍曹であります。」
ライトは敬礼しながら自己紹介した。
「彼です教官。グランバインで敵を撃退したのは。」
「何・・・!?」
カイは驚愕した。
新兵でありながらこれほどピーキーな機体を扱えるのは、本来ありえないことだ。
「ああ、すまんシラヌイ。他の者は?」
アダムは、首をかしげるライトに気が付き、話を続けた。
「三人とも休息にはいりました。」
「そうか、ならばお前も休め。」
「しかし・・・」
「休んでおけ。休息も兵士の仕事だ。・・・と誰かが言っていた。」
アダムは冗談めかしく言った。
「・・・了解です。では、失礼します。」
そう言ってライトは去っていった。


ライトが去った後、
「アダム、お前いったいどんな育て方をしたんだ・・・?」
カイが言う。
「自分は・・・カイ教官に教えていただいたことを教えただけですが?」
「本当にそれだけか・・・?」
「しつこいですよ。本当にそれだけです。」
アダムは少し苦笑いしながらカイをたしなめた。
「む・・・すまんな・・・。」
カイは、少しいたたまれないように、笑いながら言った。











***












「よう、よく寝たか?」
翌日、タカヤが言う。
「四時間ほどな。」
ライトが答えた。
「あんたよくそんなんで平気よねぇ・・・」
「そうだよ。ライトももっと休まないと・・・」
ミナミが呆れたように言い、ナナは心配そうに言う。


そこへ

「お前達、ちょっといいか?」
アダムが休憩室に入ってくる。
「はい。」
ミナミが全員の様子を確認して答える。
「実は、カイ少佐がお前達と模擬戦をしたいと言い出してな。ハスナカ、ツキタニ、クルトバードにはゲシュペンストMk-Ⅱ、シラヌイにはグランバインに乗ってもらう。」
「中尉。」
ライトが声を上げる。
「なんだ?」
アダムはライトの方へ向き直る。
「何故自分だけゲシュペンストではなく、グランバインなのですか?」
「カイ少佐の要望でな、何でも、『ヒュッケバイン系の機体をすぐに扱った新兵の実力を肌で感じてみたい』・・・とのことだ。」
アダムが理由を告げた。
「そういうことであれば・・・」
ライトは承諾の意を示す。
「お前達もいいか?」
「了解・・・」
「了解です!」
「了解しました。」
他の三人も、そのことに了解した。
「それでは二時間後、各員は格納庫に集合してくれ。」
そう言うと、アダムは出て行った。
タカヤ「・・・・・。」
タカヤ(くそっ・・・なんでライトなんだ・・・)
















二時間後、タカヤ、ミナミ、ナナはそれぞれ模擬専用の(ペイント弾入りM950マシンガン、模擬戦用アサルトスティック、ペイントミサイル、スタンステーク)装備をした量産型ゲシュペンストMk-Ⅱに、ライトは、同様に模擬専用の装備に換装した(こちらはペイント弾のツインバルカン、アサルトスティック、ペイント弾入りM13ショットガン、カバーをつけたチャクラムシューター)グランバインに乗り込む。 


そして、各機が訓練場に到着する頃には、カイが自分専用に塗装、カスタマイズした量産型ゲシュペンストMk-Ⅱが待っていた。

「よく来たな、アダムの教え子達。」
カイが言う。
「よろしくお願いします。」
代表してライトが言った。
「うむ、では行くぞ!」
「先手必勝!」
タカヤは、合図がかかると早速ペイントミサイルを撃ち込む。
それにあわせ、他の三機が前左右に展開する。
「成程、いい連携だ。だが!」
カイはペイントミサイルを難なく避けると、右に回ったミナミ機を狙った。
「!くっ!」
ミナミはマシンガンを撃つが、全て避けられて接近を許し、スタンステークを叩き込まれた。
「きゃああああ!」
「反応はいいが、引き付けが足りんな。」
カイは機能停止したミナミ機を見て言う。
「ミナちゃん!」
「ナナ、行ったぞ!」
タカヤの言葉通り、カイは次に動きの鈍いナナ機に狙いを定める。
「・・・・・。」
ライトはカイを止めようとチャクラムシューターを撃つが、アサルトスティックによって弾かれる。
「甘いぞ!」
カイはペイントミサイルをグランバインに向けて撃つ。
ライトは何とか回避するが、同時にナナ機への攻撃を許してしまう。
「うわ、ぇちょっと!やああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ナナ機はマシンガンにより蜂の巣、もといペイントまみれになり、撃墜判定を受けた。

「ナナもやられたか!」
タカヤがうろたえる。
「タカヤ、お前の得意な戦法を生かせるぞ。」
ライトが言う。
「え?」
タカヤは、一瞬訳が分からなかった。
「俺が突っ込んでひきつける。・・・援護は頼むぞ。」
そういってライトは突っ込んだ。
「ライト・・・よし!」
タカヤは距離を保ちつつ、ライトに続いた。

「来たか!みせてもらうぞ、お前の実力を!」
カイが構える。
「・・・・・」
ライトは無言でバルカンを撃ちながら突っ込む。
無論、これに当たるカイではなく、全て避けられる。
ライトはアサルトスティックを構えると、カイ機に打ち込む。
カイは、自分のアサルトスティックで受け止めた。
「いい打ち込みだ!気に入ったぞ。」
カイは一撃を防ぎきり、ライトは一度距離を置く。
「・・・・・」
ライトはもう一撃叩き込もうと、再びブースターをふかす。
「来るか!む!?」
「行けええええええ!」
カイは警報を聞き、そちらに目をやると既にタカヤ機からマシンガンが放たれていた。
広角に乱れ撃ちにされたそれは、まさに「弾幕戦法」だった
「しまった!」
カイは緊急回避で上空へ逃れるが、その先にはライト機が待ち構え・・・
「・・・獲った。」
グランバインが下から振り上げたアサルトスティックは、カイ機の右脚と右腕を叩いた。
「くぅ!!」
カイはそれでもステークをグランバインのコックピットに叩き込み、グランバインを行動不能にした。がしかし・・・
「行け、タカヤ。」
「何!?」
「うおおおおおおおおおおおお!!!」
ステークを構えたタカヤが急接近した。
「ぐっ・・・!せええええええええええい!」
ステークを再度構え、迎え撃つカイ機。
タカヤ機のステークがカイ機の頭部を、カイ機のステークがタカヤ機のコックピットにそれぞれ打ち込まれた。



両機とも、地に落ちタカヤ機は行動不能となる。

「まさかこの俺を中破に追い込むとはな・・・流石は、アダムの教え子達か。」
カイが一人言った。










***













(畜生、結局やられちまった・・・)
模擬戦後、タカヤは一人肩を落としていた。
そこへ
「タカヤ。」
戻ってきたライトがタカヤに声をかける。
「なんだ?」
タカヤが歩み寄る。
「今日の攻撃パターン、ぜひ使わせてほしいんだが。」
「・・・!」
思わぬ言葉に、タカヤは少し驚く。
「だめか?」
「・・・いいぜ。へへっ。」
タカヤは快諾した。
(俺も負けちゃいねえか・・・へへへ・・・)
「そだ、ライト。」
「ん?」
「ありがとな。」
「?」
タカヤは微笑みながら去った。
ライトは訳が分からないのか、首をかしげていた。






***






「彼らに配属を?」
レイカーは聞き返す。
「ええ、今日の模擬戦でハッキリしました。特にライト軍曹とタカヤ軍曹は、一線で働ける力を持っています。」
カイがこのように訴えた。
「では彼らをそれぞれ曹長に昇格させ、タカヤ曹長とミナミ曹長、それからナナセ曹長にはそれぞれ量産型ゲシュペンストMk-Ⅱを、ライト曹長にはグランバインを任せる。」
「お待ちください。」
レイカーに物申す男がいた。
ハンス・ヴィーパーだ。
「なぜだ?」
「グランバインは008Rの改修機です。そのような不安定な機体、暴走でもすれば味方にも被害がかかりかねません。」
「しかし、こちらとしては一機でも戦力はほしいのですぞ?」
カイが異議を申し立てた。
「貴様には言っていない。そして上官に反抗する気か?あ?」
ハンスは、あってないような威圧感で威圧した。
「そこまでだ。ハンス、お前の気持ちも分からんでもない。だが、カイ少佐の言うことも事実だ。グランバインは運用する。いいな?」
「・・・司令が言うのであれば・・・。」
レイカーの言葉を、ハンスは渋々承諾した。
***





 
 

 
後書き
第2話、ご覧いただきありがとうございました。
タカヤがウザくなると思った方々、




バカめ、残念だったな!






すみません…本当にすみません…
キャラや機体については次回のあとがきで
プロフィールは次々回辺りで説明しますね。


では、次回をお楽しみに! 
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