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スーパーロボット大戦OGAnother

作者:TACHIBANA
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第一部「数奇なる騎士」
  第03話「Reaps」

 
前書き
第3話です。
今思った。
シュバインの予備パーツおいてくなwww
イングラムがいたような気もしますが、そこはオリジナル要素ということで…
待って!ちゃんと出るから次辺り!出番あるから!


 

 
アダム達一行が伊豆基地に組み込まれて二週間。ライト達は、カイにも指導を受けていた。
ライト以外は最初の方こそヘトヘトになっていたが、最近になってくるとと終了後も自主的に居残りをし、ナナはシミュレーターでの成果を上げようとシミュレーションを繰り返し、タカヤはアドバイスを送る。一方、ライトとミナミはシミュレーターに蓄積されるデータの中から、実戦での使用が見込めるパターンを探してレポートに纏めている。
このレポートは、自主的にカイとアダムに提出し、新兵教育用パターンの参考になったり、自分達の攻撃パターンとして採用が見込まれたりする。
カイは、レポートを手に取りながら、アダムと話していた。
「ここまで精力的な奴等は久しぶりだ。まさか自分達からレポートを書いて提出してくるとは・・・本当にお前は、一体どんな教え方を?」
カイが再び聞く。
「一つ行っていたことはあります。『時間は無限に有限、一秒を笑うものは一秒に泣く』と・・・」
「それは」
「はい、カイ教官のお言葉です。」
アダムが言うと、カイは照れ臭そうに笑った。
その姿を見て、アダムもまた微笑んでいた。












***











「・・・。」
ライトは、格納庫でアダムのゲシュペンストの改修作業を見ていた。
「シラヌイ。」
アダムだ。
「・・・なかなかに無茶な改修のようですが・・・」
「改修と言うよりは改造だな。ゲシュペンストのほかに、ビルトシュバインやビルトラプターの余暇パーツまで使ってる。」
アダムが皮肉混じりに言う。
現段階での形状は、もともと破壊されていた両腕、両脚に、それぞれ、ビルトシュバイン、そしてビルトラプターのパーツが使われ、背部にはブースターが追加されている。
いずれも、ハガネが飛び立つときに置いていかれた物だ。
「・・・しかしいずれにせよ、これなら戦力的にもゲシュペンストを上回ります。それに、アダム中尉の技量が合わされば尚更。」
ライトが言った。
「おいおい、私はお前の前で達磨にされたパイロットだぞ?あまり買いかぶるなよ。」
アダムが笑った。










***












二日後、伊豆基地司令室では琵琶補給基地脱出組の正式な辞令が申し渡されてた。
「それでは、諸君らに略式ではあるが階級章と関連品、所属を言い渡す。ライトフォード・シラヌイ、タカヤ・ハスナカ、ミナミ・ツキタニ、ナナセ・クルトバード、諸君らを一階級昇格で曹長に任命する。」
「「「「はっ(!)。」」」」
「貴官らの所属についてだが、ラッカー・アダム中尉指揮の新小隊への配属となった。」
サカエ中佐が、アダムが一歩前に出た。
「このたび貴官らの小隊長となったラッカー・アダムだ・・・なんて今更だな、改めてよろしく頼むな。」
アダムがむず痒そうに言う。
「随分と緊張感が無いようだな、あ?」
ハンスの横槍が入る。
「・・・申し訳ありません、ハンス中佐。・・・以後、よろしく頼む。」
「「「「「はっ(!)。」」」」













***












「それでは、この小隊を『アマテラス小隊』と呼称する。」
「アマテラス?」
タカヤが首をかしげた。
「太陽の神、だったか。しかし何故それを?」
ライトが尋ねる。
「ああ、お前達なら名前負けせずに活躍してくれると期待を込めてのことだ。ちなみに、副隊長はハスナカに任せる。」
「え・・・」
タカヤも驚いた様子だった。
「機体的にライトじゃ・・・」
ミナミも口を開いた。
「ツキタニ、俺は機体ではなく期待でハスナカを選んだ。ハスナカにはシラヌイに無いものがある。ハスナカに無いものがシラヌイにあるようにな。」
アダムは言う。
「確かに、副隊長が何も喋らないと、隊長が大変だからな。」
ライトが言う。
「あんた、冗談言うんだね・・・。」
「? 冗談のつもりはないが。」
「まあなんにせよ、そういうことでよろしく頼む。コールサインは俺からアマテラス1、という感じに。」
ミナミが呆れ気味に言う。
「俺は・・・アマテラス2か。」
とタカヤ。
「・・・ならば俺はアマテラス3、といったところか。」
これはライト。
「あ、じゃあ私はアマテラス4だね!」
続いてミナミ
「私は・・・アマテラス5?」
最後にナナだ。


そのとき・・・



ーーー!----!
警報が鳴り響き、放送が入る。
『北海道方面、及び小笠原諸島沖に、DC機多数、ゴースト小隊は小笠原沖へ、アマテラス小隊は北海道へ急行せよ。』
警報後、管内放送が響く。
「敵襲か」
ライトが、いつものように無機質に言う。
「よし、アマテラス小隊の初陣だ。皆、死ぬなよ?」
「「「「了解(!)。」」」」
アダムが言い、全員が返した。









***











北海道、大雪山付近に降下したアマテラス小隊。
既に周辺区域は制圧されていて、三つある駐在基地の内、中央は既に壊滅していた。
「アマテラス1より各機へ。反応から見て敵はガーリオンとバレリオンの編隊だ。この前よりも手強いぞ。各機注意して当たれ。」
アダムが改修機、ゲシュペンストReaps(リープス)から呼びかける。
「「「「了解(!)。」」」」
返事をした刹那、砲撃を受ける。
「な、なんだ!?」
タカヤが体勢を立て直しながら確認する。
「弾速と、打ち手の姿が見えない点から言って、バレリオンだ。それも複数いると見て間違いはない。」
ライトが分析をしたうえで全員に告げる。
「聞いてのとおりだ。どこに伏兵がいるかも分からん。警戒を怠るな!」
アダムからも警戒令が飛ぶ。
「今の攻撃方向から大体の位置は割り出しました。Gバスターレールガンで一掃します。」
ライトは言い終わる前に砲身を展開していた。
「シュート・・・」
二門の砲身から放たれたエネルギーは一つとなり、山腹部分を撃ち貫く。
煙が消えた後、鉄屑と化したバレリオンの残骸が見えた。
「うっひょー!やるなぁ!」
タカヤが歓声を上げた。
「喜ぶのはまだ早いぞ。本隊が来た!」
アダムの言葉通り、11時方向からリオン、ガーリオンの編隊が接近してきた。
「自分とアマテラス2が先行します。タカヤもいいな?」
「了解だぜ!」
ライトが告げ、タカヤも承諾する。
「よし、任せるぞ。アマテラス4、5、お前達は合流してバレリオンを叩け。俺は本命を狙う。」
「本命?」
ミナミが首をかしげる。
「ああ、海上に、微弱だが核エンジンの反応がある。それを叩く!」
アダムは、襲ってくるリオンを撃墜しながら言う。
そして、加速を行い、オホーツク海海上にへ向かった。














***













「この野郎!墜ちろおぉぉぉぉ!」
「落ち着けタカヤ、俺が抑える。お前はそれを叩け。」
グランバインとゲシュペンストタカヤ機は、宣言通り前方敵機の殲滅に当たっていた。

「ァン?でも、どうやって?!」
タカヤが一旦撃つのをやめる。
「こういうことだ。」
そう言うとライトは、チャクラムを射出してガーリオンを捕らえ、地に叩きつけた。
「タカヤ、今だ。」
「へっ、なるほどな!行くぜ!!」

タカヤはステークをセットし、ガーリオンに突撃した。


「クソッ!ヒュッケバインめ!」
叩きつけられたDC兵は機体を立ち上がらせながら吐き捨てる。
そして、バーストレールガンの照準をグランバインにあわせる。
「墜ちろ!ヒュッケバイン!」
「そうはさせねぇ!!」
ガーリオンの挙動を見たタカヤは突撃し、つかみかかる。
「アダム中尉直伝!」
「ひっ!?」
「ゲシュペンストパァァンチィ!!」
「ぐわあああ!!」
タカヤ機のゲシュペンストパンチ・・・もとい、ジェットマグナムの直撃を喰らい、ガーリオンは爆散した。



「いい加減喧しいな。」
ライトは、目の前を飛び回るリオンを見ながら言う。
ライトはチャクラムを射出して一機のリオンを捕らえ、振り回した。振り回されたリオンは、違う敵機機にぶち当たりながら二回回転し、最後は切り裂かれて爆発した。
「な、なんだこいつ等は!?なんでこんな奴等に!?ぐわああっ!」
「知りたいのなら教えてやる。」
ガーリオンの頭部を、フォトンライフルで撃ち抜きながらライトが言う。
それを見てタカヤは機体を飛び上がらせ、コールドメタルナイフを振り上げた。
「アマテラス小隊だ!!」
ナイフを振り下ろしてコックピットを突き刺し、機能を停止させた。










***











ミナミとナナのゲシュペンストは、アダムの命令通りに森林を通ってバレリオンを狙っていた。
「ミナちゃん、位置割り出せたよ。」
ナナが、独断で取り付けた広域サーモセンサーの反応を見ながら言う。
「データ送って。・・・あー、以外に近い。よし!ナナちゃん、仕掛けるよ!」
ミナミは機体を動かし、レーダーを見ながらバレリオンの背後まで移動する。
「回り込んだはいいけど・・・」
「どうしたらいいんだろうね。」
しかし、彼女たちに戦術知識はなく、回り込んだまま立ち往生してしまった。
その時、
「こちらアマテラス2、全機撃墜だ。そっちは?」
タカヤからの通信が入った。
「恥ずかしいけど、敵の後ろで立ち往生よ。」
ミナミは自嘲気味に言う。
「敵までの距離は?」
タカヤが問う
「えと・・・大体20km位。」
ナナが答えた。
「だったら・・・ミナミ、ショットガン持ってきたか?」
「へ?うん、あるけど。」
タカヤの問いにミナミが答えた。
「だったら・・・よし、ナナがスプリットミサイルで陽動かけて、ミナミが突っ込んでショットガン乱射、そのあとナナが残った敵機を撃墜。これでいこう!」
タカヤが言う。
「あんた…ライトの安請け合い?」
ミナミが怪訝な顔をする。
「いや、俺は何も言っていない。タカヤの考案だ。」
会話を聞いていたようで、ライトが口を挟む。
「へ、へぇ…。ま、あんたにしちゃ上出来じゃない。分かったわ、やってみる。」
ミナミが笑顔になって言った。
「お、おう…。」
タカヤは少し困惑したようだった。
「ナナちゃん、聞いてのとおりよ!行くわよ!」
「了解っ!」
ナナはそういいながらスプリットミサイルを発射させ、バレリオン隊を襲った。が、そのミサイルはバレリオンの手前で落ち、天然の煙幕を発生させる。
「そらそらそらそらぁ!!」
そこへミナミが突っ込み、ショットガンを乱射した。
この攻撃によってバレリオン二機が行動不能となる。
しかし、
「おのれ連邦め!」
一機はまだ生きており、その銃口をミナミのゲシュペンストに向ける。
「やばっ…!」
「させない!!」
ナナは、今度はマシンガンを撃ちながら突撃し、バレリオンを牽制する。
「なにっ…!?」
「ナナちゃんナイス!行くよ!パターンW.N28!」
「うんっ!」
二人はステークを構えてバレリオンに急速接近し、
「ダブルッ!」
「ジェット!」
「「マグナムッ!!!!」」
同時に打ち込んだ。
「ばかなあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ステークは装甲を貫通してコックピットへ到達、パイロットは断末魔を上げながらショック死した。
「そっちも上出来見てえだな!」
タカヤが呼びかける。
「あんたこそ、テキメンじゃないの。」
ミナミが返す。
「パターンW.N28か…、ミナミ、ナナにも教えたのか?」
ライトが言う。
「そういうこと!ゲシュでコンビなんて、もうあたしとナナちゃんくらいでしょ?」
ミナミが、少し得意げになる。
「ああ、それに合わせる為にW.N28を作ったんだっけか。」
タカヤが言った。
「ああ、ゲシュペンストの二機混成運用の効率を考えて、な。」
ライトが同意を示す。
「それより、アダム中尉は…?」
ナナが心配そうに言う。
「大丈夫だろう、少しすれば連絡が来る。」
ライトがそう言ってレーダーを見た。
(熱源あり、PT級1、問題はないな。)








***









同じ頃、アダムは水中に潜り、原子核反応を追っていた。
「やはりキラーホエール…。近い…この岩肌か…。よし。」
アダムは岩陰に潜み、通信傍受を始めた。



『第四編隊、通信が途絶えました!』
『第三編隊壊滅!』
『味方機シグナル全ロスト!』
『なんということだ…やむをえん、戦線より離脱する!』


「来るか!」
アダムは岩肌から離れ、ブーメラン・ザンバーを展開させ、構える。
少しずつ、少しずつ…キラーホエールがその姿を現す。
そして、ブリッジが出た、その時。
「いくぞ!!」
アダムはキラーホエールに接近した。
「敵機接近!ゲシュペンストタイプです!」
「なんだと!?撃ち落とせ!」
キラーホエールはミサイルを次々と発射する。
「そんな単調な射撃…弾薬の無駄だな。」
しかし、アダムには当たらず、あっさりとブリッジ前に付けられてしまう。
「沈めっ!!!」
ブーメラン・ザンバーでブリッジを切り裂き、マシンガンを撃ち込むと、キラーホエールは機能を停止した。
「生存者の脱出くらいはさせてやるか…」
アダムはそういうと、海面に浮上して回線を開いた。
「アマテラス1より各機、敵潜水母艦撃破。これより輸送部隊と合流し、帰還する。」
「了解です。」
タカヤが答えた。










***









「おお、お前達ご苦労だったな。」
伊豆基地に戻ると、一足先に戻っていたカイが五人を労った。
「カイ少佐、そちらは?」
「本体からはぐれた編隊らしくてな。統率も何もなかったから、部下と一緒に全滅させてやった。」
カイは言う。
「して、そちらは?」
カイが聞き返した。
「こちらは最初から基地の破壊を目的とした部隊でした。詳しくは後で報告で報告書を提出しますのでそちらをご覧ください。」
「了解した。ともかく、半舷休息に入る。ゆっくり休んでくれ。」
「ありがとうございます。」
通信を切り、アダムは格納庫へ降りた。










***










「…」
深夜、ライトは自室でコーヒーを飲みながら、ルームメイトのタカヤを待っていた。
そこへ、

「おいライトォ!!ビッグニュース!朗報だ!」
騒々しくタカヤが入ってきた。
「…タカヤ、寝ている人もいるのだからもう少し静かに…「誰も寝ちゃあいねえよ!寝てるのはバカか民間人だ!」
「…何があった?」
ライトが無表情のまま聞いた。
「ハガネがDC本部を落としたとよ!!」
「…やってくれたか…」
ライトはイスに座り直して言った。
「な…、それだけかよ?」
「ワンオフ機の精鋭部隊だ、やってくれるとは思っていたさ。」
「せっかく飛んできたってのに…ん?」
タカヤのDコンに着信が入る。
「っと、ミナミだ。はいはい、俺。」
「…」
ライトは気にせずコーヒーを飲む。
「なにぃ!?マジか!?ああ、ああ分かった!サンキュ!」
タカヤが電話を切った。
「…なんだったんだ?」
ライトが尋ねた。
「またもビッグニュースだ。…ヒリュウ改もコロニー統合軍やったってよ!!」
「…」
ライトは黙り込んだ。
「なんだよ、嬉しくねぇのかよ?」
(…これで当面の脅威は去ったか…いや、問題はある。…DCの残党がどう動くか…そしてあのバグス…、あるどころか山積みか…)
ライトは考え込んでいた。
***



 
 

 
後書き
第3話、ご覧いただきありがとうございました。

一応断っておきます、これがアダムの本当のところの実力です。
若い年齢で隊を持てる所以はこういうところです。

では、次回は原作にもあるあのシナリオです!
お楽しみに! 
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