大阪のミンツチ
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第六章
「一体」
「尚戦前の日本に殺された人のことは言う」
「頭にタチの悪い虫涌いてないない?」
杏は本気で思った。
「知り合いでいたらそう言った瞬間に絶交するわ」
「人の痛みや悲しみが一切わからない方ですわね」
玲那も言った。
「戦前の日本は兎も角」
「糞みたいなダブスタ野郎でもあってね」
「最低ですわね」
「生きる価値がないレベルの馬鹿ね」
「その馬鹿とだ」
ミンツチはさらに言った。
「同じだな」
「そうね」
「熊を殺すなと言って犠牲を出させる人は」
「尚この馬鹿がいた店は潰れた」
そうなったというのだ。
「鳴り物入りで開店して数年でな」
「潰れましたの」
「経営していた出版社ごとな」
「おそらく」
玲那はその話を聞いて言った。
「そうした方を雇う様なので」
「人の目がなかったというのだな」
「経営していた会社も」
「実際出していた雑誌も編集者というよりマニアになってな」
「売り上ゲを考えなくなりましたの」
「そしてだ」
そうなりというのだ。
「結果としてな」
「潰れましたの」
「馬鹿な店員を雇った店は潰れてな」
そうしてというのだ。
「馬鹿の言うことを聞くとな」
「人が死にますのね」
「最悪な」
そうなるというのだ。
「だからな」
「そうした方の意見はですわね」
「幾ら騒いでもな」
そうしてもというのだ。
「聞くな」
「そういうことですわね、お店もおかしな人を雇って」
玲那は自分の家の店のことを思って言った。
「おかしなことを聞きますと」
「潰れるな」
「はい」
まさにというのだ。
「そうなりますわ」
「だからな」
「そうした人の意見は聞かず」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「しっかりとな」
「ことを進めるべきですわね」
「全く、愚か者は何処でもいてな」
ミンツチはそうしてと言った。
「そしてな」
「害を為しますの」
「しかもそうした奴はあまりにも馬鹿なのでな」
だからだというのだ。
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