大阪のミンツチ
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第七章
「自分が何を言ってるか何をしたのかもな」
「わかりませんでしたか」
「実際ハイハイタウンの馬鹿もだ」
上本町のというのだ。
「自分がどれだけ馬鹿かな」
「自覚なかったのね」
「他人の痛みも悲しみもわからずな」
そうであってというのだ。
「法律の大事さもその教団の本質もな」
「全くわからなかったのね」
「そこまでの馬鹿だった」
杏に話した。
「そして今もだ」
「そんな馬鹿がいる」
「困ったことですわね」
二人でミンツチの言葉に頷いて言った。
「それでどうすればいいか」
「違うって言っても無駄ね」
「あなた間違ってますわと」
「そうね」
「だから聞かないことだ、世の中どうにもならない馬鹿もいる」
これがミンツチのアドバイスだった。
「三百年生きているとそうした奴にも結構会ってきたが」
「得た教訓はそれですわねね」
「言っても無駄、聞いても無駄ね」
「そういうことだ、それでな」
そうしてというのだ。
「やっていくことだ、熊のこともな」
「ええ、わかりましたわ」
「他のこともね」
二人もそうすると応えた。
「どうしようもない馬鹿の言うことは聞かない」
「そうしますわ」
「それも世の中だ、あと涼みに来たと言っているが」
ミンツチは二人のその話もした。
「人ならクーラーなり扇風機なりがあるな」
「お家に帰ってですわね」
「それがいいのね」
「ここも日差しがある」
夏のものなのでかなり強い。
「だからな」
「ですわね、日差しがありますので」
「川沿いもよくないわね」
「家に帰って涼むのだ」
「わかりましたわ、それでは」
「そうするわね」
二人もそれならと答えた、そうしてだった。
二人はミンツチと別れそれぞれの家に帰った、そして二人共家で氷入りの麦茶を飲んでクーラーで涼んだ。そのうえでゲームをしたり夏休みの宿題をして午後を過ごしたのだった。
大阪のミンツチ 完
2025・7・27
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