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大阪のミンツチ

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第五章

「人ではあるあるだがな」
「犯罪者を守りまして」
「その犯罪者が好き勝手やってだ」
 そうしてというのだ。
「普通の人が迷惑するな」
「そうしたことがあるわね」
 まさにとだ、杏も言った。
「実際に」
「そうだな」
「犯罪者が自供して証拠が出ても」
「おかしな奴が無罪と騒いでな」
「無罪になったら」
 そうなればというのだ。
「すぐに犯罪やって人も殺して」
「そうだな」
「他の国だと議会襲撃して性犯罪した奴がよ」
「当選するな」
「それで悪事の限りを尽くしたりとかね」
「そうだ、外道を守ると善良な人間が迷惑してだ」
 そうなりというのだ。
「人を襲う熊を狩ることを邪魔するとな」
「人が困りますわね」
 玲奈も言った。
「まことに」
「畑や牧場を荒らされてな」
 そうなりというのだ。
「時にはだ」
「人もですわね」
「襲われる」
 そうなるというのだ。
「最悪命を失う者が出ておるな」
「はい」
「本末転倒だ」
 ミンツチは言い切った。
「そんなことになるからな」
「だからですわね」
「そんなことはだ」
 それこそというのだ。
「聞かないことだ」
「暴論として」
「愚論としてな」
 そうみなしてというのだ。
「そうすることだ」
「貴方もそうお考えですのね」
「襲われたから言う」 
 実際にというのだ。
「本当に死ぬ者が出るぞ」
「要するにあれね」
 杏は冷めた目で述べた。
「熊を殺すなって言う人は」
「熊の命は考えてもな」
「人の命はね」
「考えておらん、昔上本町でとてつもない馬鹿を見た」
 大阪のこの場所でというのだ。
「ハイハイタウンに人に化けて言ったが」
「ああ、あそこね」
「そこにあるゲーム関連の店があったが」
「そこにどんな馬鹿がいたの?」
「丁度ある教団がテロに無差別殺人をやった時だ」
 その頃のことだというのだ。
「俺は権力に逆らうならいいと言ったのだ」
「テロや無差別殺人を?」
「そうしたことをしてもな」
「それで権力に逆らう連中を守れっていうの?」
「殺された側のことは考えなくてな」
「縛って被害者の遺族の人達の前に突き出すべきね」
 杏はこれ以上はないまでに蔑んだ顔になって述べた。
「法律の保護外に置いて」
「どうなるか見ものだな」
「私ブチ殺されても止めないわよ」
 そうしたことを言った輩がというのだ。
「一切ね」
「生きる価値がないな」
「究極の馬鹿じゃない」
「そう言うしかないな」
「殺された人はどうなるのよ」
 それこそというのだ。 
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