夢幻水滸伝
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第三百九十九話 不死使いその十
「そのうえで、です」
「世界を救うなんてとてもな」
「出来るものではなくなり」
「腐敗するだけでな」
「どうにもならなくなります」
「勢力のものはな」
「軍隊に限らず」
親父も言った。
「警察も法も」
「そして予算もな」
「全て私物化しますと」
「それで終わりやな」
「リョサ様がそうしたことを行われる方でなくてよかったです」
「そうしたことに興味ないから」
リョサはそこは断った。
「ほんまに」
「元々ですね」
「ああ、自分が持つ力はな」
「権力に限らずですね」
「悪用するとな」
「勢力を私物化したり」
「とことん腐ってくものや、そうなるのがな」
兎角というのだ。
「嫌で自分が持つもので好き放題するより」
「それよりもですか」
「文芸部やからな」
起きている世界で所属している部活はというのだ。
「本読んだり詩を作ったりする方がええわ」
「詩ですか」
「そちらがお好きですか」
二人共意外といった顔で応えた。
「それはまた」
「思いませんでした」
「日本の学校におるから」
だからだというのだ。
「川柳や俳句、和歌がな」
「お好きですか」
「そうですか」
「そう、そして」
そのうえでというのだ。
「そういうの作ったりお酒飲んだりこうしてサッカーの観戦をする」
「その方がですね」
「よいのですね」
「権力とかを私物化するよりな」
そうしたことよりもというのだ。
「ええわ」
「そうですか」
「リョサ様はそうした方ですか」
「あと女の子も好きやが」
「それは普通ですね」
「誰でもです」
「そんな酒池肉林とか」
そうしたことはというのだ。
「趣味はないしな」
「酒池肉林ですか」
親父はそう聞いて考える顔で言った。
「所謂ハーレムですね」
「一人の娘と楽しくやりたいわ」
「そうしたお考えですか」
「独裁者あるあるやな」
「ハーレムは」
「ああいうのもな」
どうにもという口調で話した。
「趣味やないわ」
「そうですか」
「普通に暮らせて」
「恋愛を楽しめたら」
「それでよしですか」
「ええわ、ただ恋愛は天国と地獄や」
リョサはここで神妙な顔になって話した。
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