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世界の礎

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第二十五話 温室その三

「迷信の打破もだ」
「行いますね」
「これからもな、迷信は完全になくならないが」
 そうであるがというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「弱め減らすことは出来る」
 それは可能だというのだ。
「だからだ」
「帝国としてはですね」
「迷信を論破し否定してだ」
「打破しますね」
「欧州では迷信が特に多いならな」
 それならというのだ。
「一つ一つだ」
「論破していく、いいな」
「わかりました」
「暴力で否定しませんね」
 こう問うたのはハルーシだった。
「決して」
「暴力で無理に違うと押さえつけて押し付けてもな」
「間違いを言えないですね」
「そうだ、間違いを間違いと証明せねばだ」
「相手は理解しない」
「殴り蹴ってそうだと言ってもな」
「相手は理解しないですね、暴力では」
 ハルーシはさらに言った。
「頷いても」
「人は圧倒的な暴力の前には無力になる」
 義青はそうなることも話した。
「恐怖と絶望によりな」
「そして無抵抗になりますね」
「そうなる、だからだ」
 暴力を受けた相手がそうなるからだというのだ、義青はそうした暴力とそれを振るう輩に嫌悪を感じつつ話していった。
「暴力を用いる輩は存在する」
「人の世には」
「そうだ、しかしな」
「暴力ではですね」
「人に理解させられない」
 そうだというのだ。
「よく言って聞かせてな」
「やってみせるですね」
「そしてやらせもしてな」
 自分自身にというのだ。
「それでようやくだ」
「人は理解しますね」
「そうだ、暴力で叩き込めるものか」
「無理ですね」
「絶対似な、それで理解させられると思っているなら」
 義青はここでも軽蔑を込めて言った。
「愚の骨頂だ」
「左様ですね」
「教育は何度も教えることだ」
「言って聞かせる」
「そしてやってみせてな」
「行わせる」
「失敗は常だ、その失敗をだ」
 それをというのだ。
「殴って蹴ってだ」
「暴力を与える」
「その対象にしないことだ」
 決してというのだ。
「当然罵ることもだ」
「なりませんね」
「そうしたことを行う教師がいれば」
 そうであるならというのだ。
「容赦なくだ」
「逮捕してですね」
「裁判にかけな」
「処罰しますね」
「厳罰に処す、どうも教師はな」
 起きた世界だけでなくこちらの世界の彼等も見て話した。 
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