世界の礎
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十五話 温室その四
「質の悪い輩が多い」
「閉鎖された世界であり」
教育大臣のササが話した。
「また縁故による採用もあり」
「それでだな」
「悪事がわかりにくいです」
「教師の世界はな」
「どうしても」
「この世界でも同じだな」
義青は忌々し気に言った。
「暴力常習者もだ」
「普通に存在出来ます」
「生徒に幾ら暴力を加えようとも」
一般社会なら犯罪、傷害罪になるがというのだ。
「しかしだ」
「それでもです」
「悪事が隠蔽されてな」
そうしてというのだ。
「露呈しない」
「そして悪事をさらに続けますね」
「だからここはな」
「縁故採用を許さず」
「そして風通しもだ」
閉鎖されたその世界のというのだ。
「よくする」
「そうもしてですね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「悪事が見付かればな」
「容赦なく罰しますね」
「一罰百戒でだ」
この考えでというのだ。
「そうした教師を罰してだ」
「そうした悪事を行えばどうなるか」
「世に知らしめてな」
そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「悪事を減らしていきますね」
「暴力もな、暴力では人は理解させられない」
義青はまたこう言った。
「そして迷信もだ」
「なくならないですね」
「決してな」
そうであるというのだ。
「だからだ」
「教育でもですね」
「その迷信の何がどう間違えているかをだ」
「科学的に証明し」
「それを教えて見せることもしてな」
そうしたことも行ってというのだ。
「なくしていく」
「欧州のそれも」
「そうしていく」
「科学ですね」
マハキシュも言って来た。
「重要なものは」
「その通りだ、科学はただ文明を発展させるだけではない」
その役割はというのだ。
「さらにだ」
「迷信も打破する」
「それにより人や社会を救うこともだ」
そうしたこともというのだ。
「行う」
「そうしたものですね」
「悪用すれば恐ろしい力にもなるが」
しかしというのだ。
「正しく使うとな」
「素晴らしい力になりますね」
「そうだ」
科学はというのだ。
「まさにな」
「左様ですね」
「しかしだ」
「間違えると」
「危険なだ」
そう言うべきというのだ。
ページ上へ戻る