世界の礎
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第二十五話 温室その一
第二十五話 温室
帝国は欧州の掌握と発展に勤しんでいた、その状況はと言うと。
「順調と言ってもです」
「まだ足りないな」
「雪崩の様にです」
サラは義青に話した。
「欧州に加わっています」
「そうなっているな」
「既にです」
サラは話を続けた。
「欧州の大半をです」
「手に入れたな」
「そうなっています」
「そうだな、そして統治を進めていっている」
「左様ですね」
「しかしだ」
ここで義青はこうも言った。
「やはり寒冷な地域が多いな」
「他の地域と比べますと」
「まるでカナダの様にだ」
北米のこの地域の様にというのだ。
「寒冷地が多くな」
「農業には適していないですね」
「そうした地域が多いな」
「そうですね」
サラは外務大臣として答えた。
「私もです」
「そのことを思うな」
「それも強く」
「そうだ、だからだ」
「寒冷故にですか」
「住居と衣服のことでだ」
この二つのことでというのだ。
「技術をもたらしてだ」
「よりよいものにさせていますか」
「ストーブについてもな」
こちらのことでもというのだ。
「欧州のそれは古いものでな」
「暖かくなろうともですね」
「我々から見るとな」
「まだまだですね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「帝国の技術で以てだ」
「よいストーブとし」
「家もな」
それ自体もというのだ。
「壁や窓をよくしてだ」
「暖かくする」
「そして服もな」
こちらもというのだ。
「生地から変えていく」
「木綿等に」
「そうしていきだ」
そしてというのだ。
「今よりもだ」
「いいものにしますか」
「そうだ」
まさにというのだ。
「暮らしをよくする」
「それも帝国に入ればですね」
「もたらされるものでな」
そうでありというのだ。
「衛生もだ」
「改善しますね」
「欧州のな」
「欧州の衛生ですが」
厚生大臣の隆信が言ってきた。
「実にです」
「酷いな」
「帝国の基準から見ますと」
「私もそう思う」
「汚物やゴミを道の端に捨て」
「井戸の傍にゴミ捨て場があったりするな」
「川にも普通に捨てます、そして医学の知識も」
こちらもというのだ。
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