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世界の礎

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第二十四話 半島から大陸へその十一

「気付かないしな」
「そして騙され続けますね」
「例えゴミをかけられてもな」
 そうしたことをされてもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「わからずな」
「騙され利用され続ける」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「何もなくなりな」
「捨てられますね」
「そうなるものだ、しかしな」
「そうなろうとも気付かない」
「そうした場合がある」
 こう言うのだった。
「何度も言うが愚か過ぎる」
「何故かですね」
「だが知ればな」
「そうしたことがですね」
「減る」
 そうなるというのだ。
「そして最低限にだ」
「出来ますね」
「そうなるからな」
 それ故にというのだ。
「教育は重要だ」
「まさに」
「民に知らせるなと言うならだ」
 そうした政治家はというと。
「国を傾ける」
「国に衆愚が増えて」
「衆愚は衆愚でしかない」
「何の力もないですね」
「知識は力だからな」
 そうであるからだというのだ。
「それをもたらさないなぞな」
「愚の骨頂である」
「そうだからな」
「そうした国は、ですか」
「衰える、最悪だ」
 それこそというのだ。
「滅びる」
「そうなりますか」
「間違いなくだ」 
 義青はこうも言った。
「自分達の都合の悪いことを知られてだ」
「政権批判につながる」
「そうなるからだ」
「教育を排除しますか」
「そうだ、だがな」
 しかしというのだ。
「今言った通りだ」
「そうしたことを行いますと」
「その分だ」
 まさにというのだ。
「優れた人材を育てずだ」
「愚者が増えるので」
「国を衰えさせる」
「そうなりますね」
「事実教育を廃止してだ」
 義青はここではポルポト派の話をした、狂気の殺戮に明け暮れたことで知られているカンボジアにあった共産主義政権だ。
「知識人層を根絶した国があったが」
「それではですね」
「国にまともな人材がいなくなりな」
「そうしてですね」
「その国は今も苦しんでいる」
「今もですか」
「そうだ、その政権が倒れて何十年も経ったが」
 そうであってもというのだ。
「今もだ」
「苦しんでいますか」
「人材がおらずな」
 カンボジアでは実際にそうなっている、教師も医師も弁護士もおらずしてどうして近代国家が成り立つかだ。
「それでだ」
「そうした実例があるので」
「私はだ」
「教育を充実していかれますか」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「人材の面でもな」
「国を強くされ」
「世界の礎も築くのだ」
「そうされますね」
「これからもな」
 こう言ってだった、義青は政を続けていった。欧州においてもそれを進めていき勢力も拡大させていくのだった。


第二十四話   完


               2025・4・15 
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