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スーパーヒーロー戦記

作者:sibugaki
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第25話 ジュエルシード包囲網

 突如として巻き起こった謎の衝撃波の影響によりレーダー機能が一切使用不能となってしまった。これは由々しき事態である。ジュエルシードの捜索は愚か、これでは敵が迫ってきても目前まで迫らなければ分からない状態となってしまう事となる。それでは人類は常に後手に回る事となってしまうのだ。

「どうしましょう? 本郷さん」
「此処は一度リンディ艦長に相談してみた方が懸命だろう」

 本郷が言う。確かに今の事態は自分達でどうにか出来る領域を超えている。此処は四の五の言わず管理局のリンディ艦長に助けを求める方が利口なのだ。
 そう思いなのははレイジングハートの通信機能を立ち上げようとした。
 が……

「あれ? 繋がらない」

 何とアースラとの連絡が出来ないのだ。映るのは一面の砂嵐。聞こえてくるのは雑音。それだけである。

「レイジングハート。一体どうして?」
【恐らく先の衝撃波の影響です。私単体の力ではアースラまで電波を送る事が出来ないんです。もっと設備の整った場所でなければいけません】

 厄介事が更に増えてしまった。通信が出来ないと言う事は即ちアースラへ転送して帰る事も出来ない事になる。かなり不味い状況に陥ってしまった。

「ねぇフェイト。向こうがアースラに帰れないって事は…もしかしてあたし達も?」
「うん、さっきから何度も転移魔法をやってるんだけど反応がない。今の私達は時の庭園に帰れなくなってるみたい」

 それはフェイトも同じであった。転移魔法すら使えなくなっている。即ちなのは達はアースラに帰れない上にフェイトは時の庭園に帰れなくなってしまっていたのだ。

「やれやれ、何ともはた迷惑な話だぜ」
「ってぇ、あんたらがそもそも原因じゃないか!」

 言ってしまえばその通りでもある。元を正せば本郷と一文字がジュエルシードにキックなんてするもんだからこの様な事態に陥ってしまったと言える。が、あの時ではああするしか無かった。なのはもフェイトも動けない状況下で封印が出来ないのであれば破壊するしか道はなかった。
 その結果がこれである。あらゆるレーダー機能が麻痺してしまい使い物にならなくなった上に転移魔法も使用不能となっている。
 つまり、今の人類は目と足を失った事になるのだ。しかし転移魔法以外の魔法に関しては通常通り使えるらしい。其処は不幸中の幸いと言える。

「とにかく、このまま此処に居ては情報の整理が出来ない。はてどうするか…」

 一同が困り果てていた。そんな時、上空から巨大なロボットが舞い降りてきた。マジンガーZだった。背中には真紅の色に染まった翼が取り付けられている。どうやら無事に空を飛べるようになったようだ。

「お~~い、お前等こんなとこに居たのかぁ?」
「あ、甲児さんだ!」
「おぉっ、遂にマジンガーZが空を飛べるようになったんだな」

 見上げる一同。そんな一同の前にマジンガーは降り立ってきた。Zの方膝をつかせ、其処から飛び降りてくる甲児。

「あれ? ライダーが二人居る? ってか、そっちの金髪の嬢ちゃんとそっちの別嬪さんって、誰?」
「こ、甲児さん…私が説明しますね」

 何も知らない甲児の為になのはが今までの経緯を説明した。
 多々良島で以前助けてくれたフェイトと再会した後、アミーゴに住み込みで働く事になった事。
 本郷猛を追って自身も改造人間となってしまったフリーカメラマン一文字隼人の事。
 ジュエルシードが一斉に起動してしまいレーダーも転移魔法も使用不能状態に陥ってしまった事。
 それらを全て甲児に話した。

「なるほど、こりゃ大変だなぁ。つっても俺達だけじゃどうしようもねぇし…此処は一旦ハヤタさん達に相談してみないか?」
「だとしたら一旦ウルトラ警備隊に行った方が良いだろう」

 本郷の言う通りだった。このままてこまねいていても事態が好転する筈はない。ならば出来る限りの行動を起こすまでである。

「フェイトちゃん、それにアルフさんも…一緒に来てくれませんか?」
「え?」
「事情は分かりませんけど、今はとても大変な事態なんです。ですから…」

 なのはの言いたい事は分かっていた。今までの状態でいてはこの最悪の状況をどうにか出来る訳がない事を。また、今までのような集め方では間に合わず最悪の結果を招く事となってしまう。今は敵対だの何だの言ってる場合じゃない。この地球を守る為には互いに手を合わせなければならない。

「分かった、一緒に行くよ」
「フェイトが行くんなら私も行くよ」
「有難う御座います」

 二人が来てくれるのは何よりも有り難い事であった。

「そうと決まれば善は急げだ。頼む、甲児君」
「あいよ! そんじゃ皆手に乗ってくれ! ウルトラ警備隊本部まで最高速でぶっ飛ばして行くからよぉ!」
「あの…出来れば安全運転でお願いしますね」

 なのはが哀願するも、その願いは叶わずなのはは地獄を見る羽目になったと言うのは予断である。




     ***




 時の庭園で事の経緯を見ていたプレシア。彼女は下界の映像をモニター越しに見ていた。

「フェイト…貴方がノロマなせいで最悪の結果を招いてしまったわね……もう貴方には愛想が尽きたわ。何処へでも野垂れ死になさい」

 プレシアにフェイトを助ける気などなかった。その気になれば強制的にフェイトを連れ戻す事は可能だ。だが、それを逢えてしなかった。
 このままフェイトがあの世界で死ぬのも良し、暴走したジュエルシードを全て集めた後で回収するも良し。どちらにしてもこのまま静観していた方が利口とも言える。

「待っててね、もう少ししたら貴方を現世に連れ戻してあげられるわよ…私の可愛い……アリシア」

 プレシアが目の前にある透明なカプセルに縋りつきながらそう言った。そのカプセルの中には一人の少女が未だ目覚めぬ状態で浮かんでいたのである。




 ウルトラ警備隊本部では今正にとんでもない事態に陥っていた。

「全く大変な事態に陥ってしまったよ。例の衝撃波のせいで地球全土のレーダーが使用不能に陥ってしまった。これでは侵略者が攻めて来たとしても我々は感知出来ず後手に回る事になってしまう」

 キリヤマ隊長が苦い顔で告げる。例の衝撃波は地球全土を覆いつくしてしまったのだ。このせいで現在地球はレーダーの一切が使用不可の状態となっていた。

「それだけじゃないんです。あの衝撃波のせいで転移魔法が使えなくなっちゃったみたいでして、私達はアースラに帰れなくなってしまったんです」
「つまり、アースラとの援護が一切受けられないと言う事か…これは大きな痛手だなぁ」

 ハヤタが呟く。その通りだった。今まではアースラの助力のお陰もあり上手く言っていたのだが、しかしそのアースラとの助力が無くなった今、まことに痛い結果となっていた。
 即ちジュエルシードの捜索から発見、封印までを全て自分達で行わなければならない事になる。しかもこちらはレーダーの類が一切使用不可能の状態にある。即ち目視での捜索がメインとなる。

「しかしキリヤマ隊長。我々は今や目を潰された状態です。それに侵略者に備えなければなりませんし…」
「分かっている。恐らく例の衝撃波を消すにはそのジュエルシードを全て集めて封印する必要がありそうだ。そこで我々は今此処に一つに纏まって事態の収集に当たりたいと思っている。入ってきてくれ」

 キリヤマがそう言うと続々とメンバーが入ってきた。科学特捜隊のメンバーと滝とおやっさん達である。

「ムラマツ以下3名、只今到着しました」
「FBI捜査官、滝和也。到着しました」
「え~っと、ワシも此処に来て良いのかぁ?」

 一人場違いな感覚を持ってるおやっさんであった。

「って、ムラマツキャップが二人居るぅ!」
「こっちはおやっさんが二人居るぅ!」

 早速始まったデジャブだった。科特隊のメンバーは勿論滝達もそれには驚いていた。
 無論本人も。

「いやぁ、しかし世の中にはこれほどまでそっくりな人間が居るとはなぁ」
「全くですよ。私も初めは鏡かと思いました」

 ムラマツキャップと立花籐兵衛は互いにそう言い合う。それはこちらでもそうだった。

「君がアラシ隊員かい? 確かに良い顔してるよ」
「そう言う君こそイケメンじゃないか。流石は俺のソックリさん。二枚目だねぇ」

 お互い揃って自意識過剰のようだ。そしてこちらでは。

「……」
「……」

 何故かハヤタ隊員とアマギ隊員が互いを見合っていた。

「どうしたんだハヤタ」
「嫌、最初会った時から薄々感づいてはいたんだが…どうもアマギ隊員が他人には思えなくて…」
「実は僕もなんです。一体何ででしょうか?」

 互いに首を傾げる始末であった。このままだと事態の収集がつかないのでキリヤマ隊長の咳払いと共に話は進む。

「それと、今回此処にはこれないが心強い助っ人も居る」

 目の前のモニターが点く。其処に映ったのはアースラ艦長のリンディであった。

『今回私達は直接協力できませんが間接的に協力させて貰います。困難な状況ですが互いに協力して一刻も早く事態を収拾出来るよう頑張りましょう』

 どうやら通信は出来るようだ。完全に遮断された訳ではない分安心出来る。

「さて、これより我々はジュエルシード捜索、及び異星人対策として独自の独立部隊を編成する事にしたい。主だった隊員はこちらに記して有る」

 キリヤマがホワイトボードを指差す。其処には独立部隊に配属されるメンバーの名前が記載されていた。

高町なのは、兜甲児、流竜馬、神隼人、巴武蔵、ハヤタ、モロボシ・ダン、本郷猛、一文字隼人、フェイト・テスタロッサ、アルフ

 以上のメンバーであった。

「残りのメンバーである我々はジュエルシードの捜索、並びに怪獣や異星人の侵略の偵察を主とする。今日より独立部隊の名称を『ガーディアンズ』と呼称する。以降ガーディアンズは報告があり次第即座に現場へ急行して貰いたい。以上だ!」

 その言葉を最後に会議は解散した。フェイトは少々困った顔になった。ジュエルシードを探すだけだったのがこんな大事になってしまったのだ。しかも今時の庭園に帰る事が出来ない。どの道帰るにはジュエルシード全てを集める必要があるのだ。
 果たして、無事に出来るだろうか?

「一緒に頑張ろうね、フェイトちゃん」
「う、うん! 一緒に頑張ろう。なのは」

 嫌、出来るかも知れない。今の自分は一人ではない。心強い仲間が居るのだ。そう考えるとフェイトは心の底が軽くなった気持ちになった。それと同時に頑張りたいと言う気持ちが奥底からわいてくる感覚を感じているのであった。




     つづく 
 

 
後書き
次回予告

最初にジュエルシードが憑依した者。それは遥か古代より眠りについていた一体の怪獣であった。
恐ろしい魔物へと変貌した怪獣を止める為、ガーディアンズ最初の闘いが幕を開ける。

次回「怪獣殿下」お楽しみに 
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