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西遊記

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第九回 易者龍王を占うのことその九

「私なぞとても」
「釈尊には及ばないですか」
「慈悲の心だけでなく」
「他のこともですか」
「全くです」
 そう言っていいまでにというのです。
「及びません」
「そうなのですね」
「如来の方々はです」
「違いますか」
「菩薩とは」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのです。
「比較になりません」
「やはり如来の方々は違っていて」
「菩薩よりもです」
「上位ですか」
「弥勒菩薩殿も」
 この仏もというのです。
「この世の全てを救われるのに」
「修行が必要で」
「今されていて」
 そうであってというのです。
「その歳月は」
「五十六億七千万年後ですね」
「それだけの歳月が必要です」
「途方もないですね」
「菩薩はそうなのです」
「この世の全てを救えるのは如来ですが」
「菩薩が如来の域に至るには」
 それにはというのです。
「そこまで必要です」
「本当に違いますね」
「ですから」
 菩薩は自分はとお話しました。
「私なぞです」
「そう仰るのですね」
「左様です」
「菩薩様は神界でも万歳老が共に卓に着かれ」
「西王母殿や太上老君と共に」
「そこまでで」 
 それだけの待遇を受けてというのです。
「菩薩の中でもですが」
「ですが天帝と釈尊が同格ですね」
「そうですね」
 二太子はそれでとお話しました。
「共にそれぞれの界の主であられるので」
「天帝は神界の主であられ」
「釈尊は仏界の主であられます」
「私は如何に厚遇して頂けても」
「そこまでは至りませんか」
「如来の方々とはです」
 そうだというのです。
「とても」
「そう言われますか」
「そうです、ですが如来の方々がです」
「釈尊にしましても」
「この度の運命について出られることは」
 それはといいますと。
「流石にそうはです」
「ありませんか」
「神界でも」
 そちらでもというのです。
「天帝が出られるとなると」
「滅多にないですね」
「太上老君は気さくな方で」
 この方はというのです。
「何かと出られますが」
「あの方は昔から泰然自若とされていて」 
 二太子はそれでと応えました。 
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