西遊記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第九回 易者龍王を占うのことその十
「お立場に関わらず」
「動かれる方ですね」
「以前よりそうです」
「ですから彼等に何かあれば」
「動かれますか」
「既にお弟子の方々を人界に送られていますね」
そうしているというのです。
「運命の中の試練として」
「そうなのですか」
「あの方はそうですが」
「それでもですか」
「やはり如来や高位の神々は」
そうした方々はというのです。
「そうはです」
「運命においてですね」
「出られないです」
そうだというのです。
「そうなります」
「左様ですか」
「はい、そして」
そうであってというのです。
「私は釈尊から仰せつかっていますしそれに」
「それに?」
「どうもです」
二太子にくすりとした感じで微笑んでのお言葉でした、菩薩は親しみやすそうなその笑顔になられて言いました。
「私は彼等が好きです」
「運命に向かう」
「まだ一人残っていますが」
「取経者がですね」
「これまでの四柱の神々は」
「斉天大聖達ですね」
「悪い者達ではないですね」
二太子に言うのでした。
「そうですね」
「はい」
二太子も否定しませんでした。
「それぞれ憎めず根はいい」
「そうした彼等なので」
だからだというのです。
「好きでして」
「お助けされることにですか」
「やぶさかではありません」
そうだというのです。
「その時が来れば常にです」
「助けられますか」
「そのつもりです」
「そうなのですね」
「これより長く山あり谷ありの」
そうしたというのです。
「大きな運命となりますが」
「その助けにですね」
「是非です」
まさにというのです。
「力添えをさせて頂きます」
「そこまでお気に入りとなりましたか」
「彼等が。既にそれぞれの神仏も仕込んでいます」
運命に対してというのです。
「ではです」
「それならですね」
「後は取経者が動けば」
「はじまりますね」
「そうなります」
いよいよというのです。
「まさに」
「ではこれより」
「彼がいる長安に入りましょう」
「わかりました」
こうお話しました。
そしてでした、その長安では。
ページ上へ戻る