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夢幻水滸伝

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第三百九十八話 細長い国その一

                第三百九十八話  細長い国 
 トニオ=セプルベダはこの世界に来た瞬間に声からこの世界とこの世界においての自分達のことを聞いた、そのうえで目を開くと。
 ボクシングジムの前にいた、それでそのままだった。
 ジムの扉を叩くとだ、すぐに駆け出しと思われる話かいバーバリアンのボクサーがジャージとシャツ姿で出て来た。
 そしてだ、ボクサーは彼を見てすぐに仰天した。
「何だあんた」
「何だってわしはわしや」 
 セブルベダはボクサーに平然として返した。
「鬼の闘士や」
「いや、そういうことじゃなくて」
 ボクサーは驚いた顔のまま話した。
「凄い能力と特技だな」
「そのことは」
「俺なんてレベル二だぞ」
 彼のステータスを見ればそうだった。
「それが二百四十とかなんてな」
「それはな」
 セプルベダはボクサーに話した。
「わしが星のモンやからやな」
「星の方ですか!?」
 ボクサーはまた驚いて言った。
「そうですか」
「そう言われたわ、こっちの世界に来てな」
「そうなんですね」
「自分口調変わってるな」
「星の方ですから」
 ボクサーはそれでと話した。
「当然です、兎に角です」
「兎に角?」
「中に入って下さい」
 ジムの中を見つつ話した。
「そうして下さい」
「そうしてか」
「会長と先輩達にも紹介させてもらいます」
「まずはそれからか」
「お願いします」
「ほな」 
 それならとだ、セプルベダも頷いてだった。
 ジムの中に入った、そしてだった。
 ジムの会長それにボクサー達に自分のことを話すとだ、すぐに亀人の初老の男である会長が腕を組んで言った。
「正直驚いてます」
「わしが星のモンで」
「うちに来るなんて」
 そうなったことにというのだ。
「寝耳に水で」
「それでかいな」
「はい、信じられません」 
 全くというのだ。
「ここにいる全員がそうだと思います」
「そうなんやな」
「はい、ですが」
「ですが?」
「星の方でしたら」
 それならというのだ。
「お願いがありますが」
「何や、それは」
「このサンチアゴも色々ありまして」
「ああ、ここサンチアゴやったか」 
 セプルベダは今そのことを知った。
「そやったか」
「わし等も自警団もしていまして」
「治安が悪くてやな」
「そうです」
 まさにというのだ。
「そうなっています」
「そやねんな」
「ですから」 
 それでというのだ。
「よかったらです」
「この街の治安をか」
「守る手助けをしてくれますか、勿論です」
 会長はさらに話した、ジムのトレーニングルームの中でセプルベダを中心にボクサー達が卓を囲んでいる。中にはサンドバッグやリングもある。 
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