| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

西遊記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八回 観世音菩薩それぞれの者と会うのことその十四

「あの街にです」
「取経者がいますか」
「左様です」
「かなりの高僧ですね」
「非常に聡明で学識もあり」
「人格も備えた」
「まさに」
 それこそというのです。
「釈尊の二番弟子であられただけあり」
「高徳の方ですね」
「そうです、穏やかで決して声を荒げることなく手をあげることもです」
「決してない」
「非常にです」
 それこそというのです。
「これ以上はないまでのです」
「人としてはですね」
「素晴らしい御仁です」
 そうだというのです。
「ですから運命にもです」
「向かうことが出来て」
「そしてです」 
 そのうえでというのです。
「大きなことをです」
「果たすのですね」
「必ず。そうなることもです」
「定まっていますね」
「そうなのです。そしてこれより」
「その高僧にですね」
「宝を授けます」
 そうするというのです。
「これより」
「そうされますね」
「そして」
 そのうえでというのです。
「いよいよです」
「その高僧を軸として」
「運命がはじまります」
「そうなりますね」
「はい、ですが」
 菩薩は二太子に言いました。
「人であることはです」
「大事ですね」
「神とは違います」
「どれだけ高徳でも」
「ですから」
 それでというのです。
「至らない部分もです」
「ありますね」
「どうしても」
「そうなのですね」
「そのことはです」
 菩薩はさらに言いました。
「承知しまして」
「そのうえで、ですか」
「運命に向かってもらいます。ですから」
 それ故にというのです。
「私達もです」
「手助けをしますか」
「はい、そして」
 二太子にさらに言いました。
「もうおわかりですね」
「はい、運命に向かうのは」
 二太子はすぐに答えました。
「私達がこれまで巡った神々もですね」
「左様です、一人と四柱で」
「運命に向かいますね」
「取経の」
 それのというのだ。
「それに向かいます」
「左様ですね」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「彼等でも運命に向かうのはです」
「苦難が多いですか」
「実は待ち受ける者が多いです」
「彼等の運命の中で」
「実はそれぞれの神仏の弟子や乗りものにしている生きもの達が」
「神仏になりますね」
「彼等が人界に下りてきていますので」
 菩薩はこのこともお話しました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧