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引き籠っても許すか

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第三章

「犯罪者はここか!」
「ここから出て行け!」
「いじめは最低だ!」
「淫行女は死ね!」
「地獄に堕ちろ!」
 団体で怒鳴り家の壁には落書きも為され。
 ゴミも放り込まれた、その中で。
 岩清水は状況を見てだ、同志達に話した。
「次の一手ですね」
「はい、かなり追い詰めていますし」
「次の一手ですね」
「それを打ちますね」
「そうしましょう」 
 こう言ってだ、知り合いの動画サイトに志桜里の家の前まで行ってもらい彼女の行いを紹介してもらった。当然住所も顔写真も共にだ。
 そしてだ、同志達と共に彼女の家まで行って叫んだ。
「皆さん、いじめを許していいでしょうか!」
「駄目です!」
「絶対に許してはいけません!」
「いじめは悪です!」
「悪は許してはいけません!」
「報いを与えるべきです!」
「そうです、加害者はこの家の中に今もいます!」
 引き籠っているから当然だった。
「今こそ徹底的に糾弾するべきではないでしょうか!」
「その通りです!」
「ここに引き刷り出しましょう!」
「そして糾弾しましょ
「裁きを与えましょう!」
 同志達も叫んだ、そして。
 家の扉を壊すと雪崩れ込んだ、そのうえで。
 抗議の落書きだらけになった家の扉をこじ開けた、慌てて出てきた志桜里の母を無視して志桜里の部屋を探し。
 彼女の部屋を見付けるとだ、全員でその扉を激しく叩いた。
「筒地志桜里さんですね!出て下さい!」
「我々は貴女を許しませんよ!」
「出てきて裁きを受けなさい!」
「いじめは犯罪です!」
「貴女は犯罪者です!」
「絶対に許しませんよ!」
 こう叫んでだった。
 扉を鈍器で何度も激しく叩き壊してだ、無理にこじ開けて。 
 部屋のベッドの上で毛布を被り蒼白になって震えている志桜里を掴むとだ、毛布を剝ぎ取って家の玄関まで連れ出して動画の前に晒した、尚自分達の顔は公開の際はモザイクをかけていて声も同じである。
 そのうえでだ、彼は同志達と共に市庁舎に向けて告発した。
「皆さん、この人が筒地志桜里さんです」
「いじめの加害者の一人です」
「暴行と恐喝の常習犯です」
「売春を強要し犬や猫も殺していました」 
 ここでも嘘を入れていた。
「まごうことなき犯罪者です」
「ですがずっと引き籠って隠れていました」
「卑怯にもそうしていました」
「いじめっ子は卑怯ですかこいつもです」
「いじめを許してはなりませんね」
「あ、ああ・・・・・・」
 身体を抑えられ罪人の様に蹲った姿勢にさせている志桜里は震えたままだ、何も言えなかった。
「ああ・・・・・・」
「加害者は何も言いません」
「これまた卑怯にも口を閉ざしています」
「自分の悪事を反省していません」
「皆さんこれがいじめっ子の実態です」
「卑劣な犯罪者なのです」
「卑劣な犯罪者を許してはなりません!」
 岩清水は高らかに言った。
「ここで彼女の姿を攫い悪を告発します!」
「その全ての罪状を告発します!」
「悪を許してはなりません!」
「その罪をここに全て言います!」
 志桜里を前に宣言してだった。 
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