ハッピークローバー
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第百七十六話 暖衣その五
「美味しいもの息子の嫁さんに食べさせるなっていう」
「ええ、けれど別の意味もあって」
「赤ちゃん産むから」
「身体を冷やさない様にね」
「言うのね」
「そうした説もあるのよ」
「そうなのね」
「実際身体冷やすって」
それはというと。
「身体に悪いから」
「冷やさないことね」
「それで私もね」
美奈代自身もというのだ。
「今はね」
「焼酎飲んでるのね」
「身体を温めるね」
「そうしてるのね」
「しかもお湯割りね」
こちらだというのだ。
「ロックじゃなくて」
「本当に冷やさない様にしてるのね」
「それで日本酒も」
こちらの酒もというのだ。
「熱燗でもね」
「飲むの」
「そうしようかって考えてるわ」
実際にというのだ。
「私もね」
「熱燗ね」
「泉鏡花さんみたいにはしないけれど」
「沸騰はさせないのね」
「そこまでやったらアルコール飛ぶでしょ」
そうなるというのだ。
「だからね」
「そこまではしないのね」
「あの人は特別だから」
泉鏡花はというのだ。
「何でも火を通してお水でもね」
「熱消毒して」
「沸騰させて」
「そんな人だから」
「真似しないわね」
「あっためることはしても」
酒をだ。
「消毒はしないから」
「そのつもりはないわね」
「ええ、別にね」
食べる妹に飲みつつ話す。
「そこまではね」
「しなくていいわよね」
「鏡花さんは変わってると言えばね」
そう言えばというのだ。
「相当な変人さんだったから」
「変人さんね」
「潔癖という点ではね」
「異常だったのかしら」
「もうね」
妹の言葉を否定しなかった。
「そう言ってよかったわ」
「やっぱり」
「それでね」
「鏡花さんみたいにはしないのね」
「そこまで沸騰させたらアルコール飛んでるからね」
美奈代はまたこのことを話した。
「それでよ」
「お姉ちゃんもしないわね」
「しないわよ、熱燗にしても」
「普通ね」
「それでいくわ、飲むにしてもね」
「そうなのね、私はね」
今はご飯を食べつつ話した。
「冬でもお酒は冷たいのがいいわ」
「ロックとか」
「それでいいわ」
「あんた基本お酒はロックよね」
「氷入れたね、冬でもね」
この季節でもというのだ。
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