世界の礎
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第二十三話 欧州進出その五
「私はな」
「そうされるのですね」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「世の者達を信仰から救ってくれ」
「わかりました」
ユリウスはそれではと応えた。
「その様に」
「頼む、私は神霊を尊いと考えている」
「信仰をお持ちですね」
「この世界でははっきりと見えるしな」
神霊の存在がというのだ。
「尚更だ」
「そうなのですね」
「無神論を否定している」
まさにというのだ。
「私はな」
「そうなのですね」
「起きた世界でも見た」
「そうした輩を」
「己の力だけで生きていくと言っていたが」
その無神論者はというのだ。
「君主制を否定したが」
「それ自体はあろうとも」
「それでいて世襲の独裁はいいとした」
「同じでは」
ユリウスはその話を聞いて怪訝な顔になった。
「それでは」
「確かに」
ダラムもその顔で言った。
「それでは」
「世襲の独裁ならな」
「君主と」
「しかも否定した君主制は法の下にありだ」
そうでありというのだ。
「民主的な政も行われている」
「独裁ではないですね」
「そうだ、しかしな」
それがというのだ。
「その輩は否定してな」
「独裁はいいのですか」
「民主的な要素なぞ全くないな」
そうしたというのだ。
「独裁者自体が法でだ」
「それが世襲の」
「そちらは民が支持しているからいいと言った」
「そうした国家での支持なぞ」
ダラムは顔を曇らせて述べた。
「間違いなくです」
「言わされているだけだな」
「そうかと」
「その国は独裁者への個人崇拝もさせていたがな」
「尚更ないですね」
「そうした国はいいと言ったのだ」
「民主政治が行われている君主制を否定して」
ダラムはそうした顔のままさらに言った、それはこれ以上はない愚かな輩を聞いて理解出来ないといった顔だった。
「それで、ですか」
「そうだった」
「あまりにもです」
「愚かだな」
「そう言うしかありません」
「無神論者でこうした輩を見てだ」
「無神論を否定されていますか」
「神を信じないとだ」
そうであるのならというのだ。
「ここまで間違え愚かになるのかとな」
「思われて」
「それでだ」
それ故にというのだ。
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