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夢幻水滸伝

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第三百九十七話 提督としてその二

「ご自身のことをお話されて」
「ブエノスアイレスを救うってか」
「お願いします」
「よし、そうさせてもらうわ」
 インペルはそここでも答えた、そしてだった。
 水兵はすぐに軍港の奥に駆けていった、インペルもついていったが水兵とはレベルが全く違い彼は普通に歩いて水兵と同じ速さであった。
 そのうえで司令官、赤目の初老の赤い口髭の男と会うとだった。彼もまたインペルを見てまずは仰天した。
「これが星の方か」
「驚きますよね」
「うむ、レベルも特技も違い過ぎる」 
 司令は水兵に述べた。
「わし等とはな」
「そうですよね」
 水兵も応えた、水軍司令部の指令室は簡素で機能的だ。十九世紀中頃の南欧風の机やソファーがある。
「何もかもが」
「うむ、だがな」
「この方ならですね」
「間違いなくな」
 確信を以ての言葉だった。
「この状況を何とかして下さる」
「大変な状況を」
「そうだ、ブエノスアイレスのな」
「それでまずはです」 
 水兵は司令に話した。
「この軍港で演説をしてもらおうと」
「思っているか」
「はい、それで司令に紹介させてもらいました」
「演説か」
「この世界に来られたことと」
 インペル、彼がというのだ。
「そしてです」
「そのうえでか」
「はい、この街を救うと」
「言って頂くのだな」
「その様に」
「そのことやが」
 インペルはこれまで黙っていたが二人のやり取りを聞きつつ考えそのうえで二人に対してこう言った。
「まずはアルゼンチンを統一しよか」
「街だけでなく」
「この地域全体をですか」
「そや、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「アルゼンチン全体を統治してな」
「治める」
「そうお考えですか」
「そう考えだしたわ」
 今現在というのだ。
「ここはな」
「このブエノスアイレスだけでなく」
「世界を救うのなら」
 それが自分達の役目ならとだ、インペルは司令に話した。
「この街ははじまりでそこから」
「アルゼンチン自体の統一ですか」
「それを目指すわ、そして」
「えっ、まだありますか」
 水兵は驚いて言った。
「アルゼンチン統一なんて途方もないですが」
「いや、そこからも」
「世界を救われれるので」
「まずはそれを為す、そしてアルゼンチンを統治する」
「統一だけでなく」
「そしてこの国を豊かで安全にする」
 そうもするというのだ。
「私は」
「そうお考えですか」
「ブエノスアイレスはその拠点とする」
「首都ですね」
 司令はインペルの話を聞いて彼の中のこの街がどういった立ち位置なのかを考えた、そのうえで二人に対して話した。 
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