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夢幻水滸伝

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第三百九十七話 提督としてその一

                第三百九十七話  提督として
 インペルはこの世界に来て声からこの世界そしてこの世界における自分達のことを聞いた、そのうえで目を開くとだった。
 そこは港だった、しかも只の港ではなかった。多くの水兵達が行き交い停泊している船には多くの大砲が見える。
 軍港だ、そう思った時に前を通っていたマーマンの若い男の水兵が彼を見た瞬間仰天して言ってきた。
「あんたそのレベルとステータス何や」
「何やと言われると」
 どうかとだ、インペルはその水兵に答えた。自分を星の者とかいうと言うと水兵はさらに仰天した。
「星の方ですか」
「口調瞬時に丁寧になったな」
「なりますよ、星の方ですよ」
 それ故にというのだ。
「まさかここで出て来られるとは」
「こっちの世界に来たらここやった」
「ブエノスアイレスの軍港に」
「やっぱりここ軍港か」
 インペルはやはりと頷いた。
「水兵さん多いし船に大砲多いし」
「はい、ただです」
「ただ?」
「最近こっちもどうにもなりません」
 インペルに困った顔で話した。
「これが」
「どうにも?」
「はい、ブエノスアイレス自体が苦しくて」
「街がか」
「我々は街の軍隊、水軍の者ですが」
 それでもというのだ。
「あまり活動出来てへんです」
「そうなんか」
「それで、です」
 そうした事情がありというのだ。
「水軍どころか街もどうにか出来る人がいれば」
「そう思ってるんやな」
「市長さんも頑張ってくれていますが」
「例えば星の方みたいな物凄い力のある」
「それまんま私やな」
「はい、星の方ですから」
 水兵も否定しなかった。
「そうです」
「そやな」
「それで、です」
 インペルにあらためて言った。
「ここはまずは港でお話してくれますか」
「この軍港でか」
「水軍全体に」
「私が星の者かとか」
「そうです」
 まさにというのだ。
「そうしてくれますか、そしてです」
「水軍ひいては街をか」
「どうにかして下さい」
「この世界を救うのが私の役目」
 インペルは水兵に真面目な顔で答えた。
「そやからな」
「おいらの申し出を受けてくれますか」
「私でよかったらな」
「お願いします、もう海は水軍が動けへんので」
「賊やモンスターがやりたい放題か」
「はい」
 まさにというのだ。
「そうした状況です」
「そやねんな」
「では今から港を取り仕切る司令官にもお話します」
「水軍のやな」
「そうさせてもらいますので」
「それでやな」
「お話、演説でもして下さい」 
 そうしてくれというのだ。 
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