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夢幻水滸伝

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第三百九十七話 提督としてその三

「アルゼンチンの」
「それとなる、では早速立ち上がり」
「そうしてですか」
「ことをはじめるか、しかし」
 インペルは難しい顔になった、そのうえで言った。
「私はここに来たばかりで何もない」
「武器や鎧は身に着けておられますが」
「あと多少この世界のお金を持ってるが」
 司令に話した。
「それ以外はな」
「何も持っておられないですか」
「ことをはじめるにもどうしよか」
「ではです」
 司令はまず何をすべきかわからないインペルに話した。
「これから市長にお会いされますか」
「このブエノスアイレスの」
「アルゼンチンの統一を目指されるならまず旗揚げされ」
「そうしてか」
「はい、そして」 
 そのうえでというのだ。
「そこから動かれはどうでしょうか」
「旗揚げとは」
「はい、勢力を立ち上げられ」
「そうしてか」
「そしてです」 
 市長はさらに話した。
「棟梁となられるのです」
「その勢力の主にか」
「そうされては」
「ほなこれからか」
「市長に会われますか、案内しますが」
「頼むわ」
 インペルはそれならと応えてだった。
 司令それに水兵に市長のいる市庁舎に案内してもらった、そのうえで会うとすぐにだった。リザードマンの初老の女の市長は司令の話を聞いてからインペルに話した。
「その時は全力で働かせて頂きます」
「私の下でか」
「はい」
 インペルに強い声で答えた。
「そうさせて頂きます」
「兵も出してくれるか」
「ブエノスアイレスはインペル様の下に」
 街全体がというのだ。
「兵も他の全てのこともです」
「私の下に入ってか」
「働かせて頂きます」
 こう言うのだった。
「宜しくお願いします、それで今何も持っておられないですね」
「多少の金位や」
 インペルは市長にもこのことを話した。
「ほんまな」
「ではです」
 市長はそれならと答えた。
「お家も用意します」
「そうしてくれるか、ほな棟梁の給料も」
「勢力のお金全てがインペル様のものですが」
「それは公のものやろ」
 市長に自分の中で線引きして話した。
「そやからな」
「勢力の予算はですか」
「手をつけへん、給料を貰ってな」
「暮らされますか」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「私は」
「そうされるのですね」
「家も空いてるとこでええわ」
「一軒家でもですか」
「ええわ」 
 そうだというのだ。 
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