夢幻水滸伝
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三百九十六話 三方から追い詰めその十三
インペルは影を見た、そしてだった。
影がある彼に攻撃を放った、その攻撃は剣を両手に持ったうえでの右斜め上から左斜め下への一閃だったが。
アレンカールはその攻撃をスライディング、足からのそれでかわし。
インペルの足元にそのまま攻撃をかけた、すると彼はたまらずだった。
倒れた、アレンカールは即座に立ち上がり彼の前に立って言った。
「勝負ありね」
「くっ、スライディングか」
「まさかと思ったでしょ」
「分身をしてきてな」
上体を起こしつつ悔しそうに話した。
「影を見てや」
「本体を見抜いたわね」
「そうしたけどな」
「ええ、流石と思ったわ」
アレンカールはインペルに話した、分身達は彼に集まり一つに戻った。そうした中でさらに話すのだった。
「あの攻撃を見抜いてね」
「そうやったか」
「ええ、けれどよ」
「そこからさらにやな」
「あんたが攻撃してくると思ってたから」
既に読んでいたというのだ。
「そやからよ」
「その攻撃をかわしてか」
「そうしてね」
それと共にというのだ。
「仕掛けるつもりやったけど」
「それでスライディングか」
「ええ、これは思わなかったわね」
「まさかな。しかも私は提督でな」
「船の上で戦うのが本分でしょ」
「両足はしっかり踏み締めて戦う」
「そうね、しかもフルプレートに身体を包んでるわ」
全身を鎧に包んだ彼に話した。
「それやと余計にね」
「そうして戦うな」
「さらに両手で巨大な剣を持って戦うとなると」
「尚更やな」
「実際あんた蹴りは出してなかったわ」
一騎打ちの間というのだ。
「ジャンプも少なかったし」
「それやとか」
「ええ、あんたの弱点は」
一騎打ちの時のそれはというと。
「足元、そう見てよ」
「スライディングを仕掛けたか」
「サッカーのね」
「サッカーは私も好きやが」
「南米全体でね」
「まさかここで使うとは」
まさかというのだった。
「思わんかったわ」
「意表を衝いたわね、よかったわ」
アレンカールは微笑んで言った。
「あたいも乾坤の一滴やったから」
「その攻撃はか」
「勝負をつけるね」
「そやったんやな」
「ええ、けどね」
それでもというのだ。
「それが決まって」
「自分の勝ちや」
インペルは自ら認めた。
ページ上へ戻る