夢幻水滸伝
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第三百九十六話 三方から追い詰めその十二
「どうしてもね」
「術は使えへん」
「そこが弱点でしょ」
「そやから自分は接近戦を取り」
「攻撃を続けてね」
そうしてというのだ。
「あなたに術を使わさへんで」
「自分は使うか」
「そうよ」
その通りだというのだ。
「そうしたのよ」
「そういうことか」
「さて、それでどうするのかしら」
ここでだ、アレンカールは。
両手を逆立ちの姿勢で地面につけ両手を駒の様に激しく回転させカポエラの蹴りを竜巻の様に浴びせた、そのうえで言うのだった。
「この攻撃に対して」
「こうする」
インペルは左手に剣をやった、そして。
右手の拳を前に突き出した、そこからだった。
剣を突き出した、そのうえで回転するアレンカールを攻撃するが。
アレンカールは蹴りを出し続け弾き返した、これにはインペルも歯噛みした。
「くっ、今のもあかんか」
「術で強くなってよかったわ」
「それがよお生きたな」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「見事な攻撃だったわ」
今のそれはというのだ、逆立ちから跳躍し身体を元の姿勢に戻しインペルと向かい合い構えを取ったうえで話した。
「ほんまに」
「そう言うか」
「ええ、術を使ってへんかったら」
それならというのだ。
「弾けなかったわ」
「さっきの激しい蹴りでもな」
「そうよ、やられてたのはあたいよ」
「術は一度使ったんやないな」
「どの術もね」
「重ねて使ったか」
「あたい達ならできるでしょ」
不敵な笑みを浮かべて話した。
「そやから使ったのよ」
「接近戦でも術を使えるのは強いな」
「そうでしょ、さてどうするかしら」
「こうするわ」
インペルは間合いが開いているのを見逃さなかった、それで構えを取っているアレンカールを前にしてだった。
今度は彼が術ウを使った、即座に補助系のあらゆる術を重ねて用いた、そのうえで彼に対して告げた。
「これで互角やな」
「見逃さなかったわね、機を」
「ああ、これでどや」
「お互い条件は同じになったわね」
「そやな」
「そうなると強いわね」
「ああ、こうして闘うわ」
こう言うのだった。
「私もな」
「やるわね、ほなあらためて闘いましょう」
「ああ、どう来る」
「こうするわ」
アレンカールは突っ込んだ、それと共に。
分身した、これも術であり数人になった彼がインペルにそれぞれの動きで襲い掛かった。その攻撃に対して。
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