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夢幻水滸伝

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第三百九十六話 三方から追い詰めその十

「ケースの一つとしてね」
「そやったか、それでどないする」
「受けて立つわ」
 インペルに楽し気な笑みを浮かべて答えた。
「望むところよ」
「そう言うと思ったわ」
 インペルも笑って応えた。
「ほなやるか」
「時と場所はどうするの?」
「ここでとなるやろ」
 インペルはアレンカールに返した。
「そやろ」
「そやね、こうした場合は」
「攻めような」
 こう話してだった。
 二人は早速一騎打ちに入った、アレンカールはここでケツアルコアトル空に控えている彼に対して言った。
「一騎打ちやからね」
「私はですね」
「観戦していてね」
「そうですか」
「そう、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「他の皆もよ」
「将兵の方々も」
「手出しは無用よ」
 そうだというのだ。
「絶対にね」
「一騎打ちで、ですね」
「そうしてね」
「はい」
 ケツアルコアトルはそれではと応えた。
「そうさせて頂きます」
「ほなね」
「こっちもや」
 インペルも自軍の将兵達に顔を向けて告げた。
「手出しは無用、勝負を見てくれ」
「はい、それでは」
「そうさせて頂きます」
「この度の勝負は」
「アレンカール様の戦ぶりを見させてもらいます」
「そういうことでな、ほなな」
 対峙しているアレンカールに向き直って告げた。
「やろうな」
「ええ、楽しみましょうね」
 こう話してだった。
 一騎打ちに入った、インペルはマルミアドワーズを両手に持って振るう。アレンカールはその彼に対して。
 体術を駆使して闘う、右手にはナックルのシウラテクトリ、右手には爪のテスカトリポカがあり隙を見てだ。
 その二つの神具による攻撃を放つ、そして。
 カポエラの蹴りを縦横に繰り出す、インペルはその攻撃をかわしつつ言った。
「流石に強いな」
「あんたもね、あたいとここまで闘えるなんてね」
 アレンカールは縦横に動く竜巻の様に動きつつ言った。
「見事よ」
「そう言ってくれるか」
「事実やからね」
「そうか、ほなここはや」
「勝つっていうのね」
「絶対にな。私には運もある」
「イクトゥスの力ね」
「神具のな」
 胸のそれを見つつ話した。
「これもあるさかいな」
「運も味方してるのね」
「そや、実際にな」
「ええ、運でもかわしてるわね」
 実際、にというのだ。 
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