夢幻水滸伝
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第三百九十六話 三方から追い詰めその二
「覚悟しています」
「そやな、ウルグアイもな」
こちらもというのだ。
「モンテビデオまで撤退してるわ」
「何処も苦しい状況ですね」
「これはな」
インペルは苦い確かな声で語った。
「負けるな」
「我々は」
「ああ」
そうなるというのだ。
「もうな」
「そうなりますね」
「相手は大軍でしかもソツがない」
「それやとですね」
「もうな」
「勝てへんですね」
「実際に押されてる」
その戦局はというのだ。
「そやからな」
「それで、ですね」
「もうな」
それこそというのだ。
「このままやと負けるわ」
「そうなりますね」
「それがはっきりしてるからな」
だからだというのだ。
「もうな」
「劣勢は明らかで」
「ここから挽回することは難しいわ」
「手がないですね」
「はっきり言って思いつかん」
インペルは深刻な顔と声で言った。
「私としては」
「それ言うとわしもです」
セプルベダの声も深刻なものだった。
「何もかもが劣勢で」
「対する手段がないな」
「数も装備もあっちが圧倒的に上で」
そうであってというのだ。
「星のモンの数もです」
「こっちは三人でな」
「あっちはアレンカールさん含めて十四人です」
「劣勢でも南米の統一目指して戦を選んだが」
アレンカールの誘いを断ってだ。
「そうしたけどな」
「劣勢を承知のうえで」
「しかしな」
「その劣勢を覆せへんですね」
「ああ」
まさにというのだ。
「そうやな」
「ではどうしますか」
「あと一戦してな」
それでというのだ。
「何処かの戦線でな」
「それで負けるとですか」
「あっちから降伏のことを言うてくるやろからな」
「それを受けますか」
「こっちの世界は戦をしてもな」
「拳と拳でわかり合うところがありますね」
「そうした考えの世界やからな」
だからだというのだ。
「それでや」
「ここはですね」
「あと一戦や」
「それを節目にしますか」
「ああ、そこで勝ったらまだ望みがあるわ」
「戦を続けますか」
「そやけど負けたらな」
それならというのだ。
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