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夢幻水滸伝

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第三百九十六話 三方から追い詰めその一

                第三百九十六話  三方から追い詰め
 セプルベダは自身の本拠地であるサンチアゴにおいてチリ方面の戦局をこちらのチリの地図立体のそれを開きつつ言った。
「劣勢なのは否定出来へんわ」
「はい、どう言い繕うとも」
「誰が見ても明らかです」
「我々の劣勢は」
「街や村を北から徐々に掌握されていっていて」
 そうしてとだ、周りの参謀達に話した。
「そしてな」
「こちらは防戦一方です」
「徐々に南下してくる敵軍に各個撃破されていっています」
「そうなっています」
「チリは南北に長い」
 その地理的環境はこの世界でも変わらない。
「そして山国やから海が重要や」
「海路で補給や移動を行います」
「そうすることが有効です」
「陸路もありますがやはり険しいです」
「そうですさかい」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「海路を使いたいけどな」
「敵の水軍がいますので」
「ままなりません」
「厄介なことに」
「こっちにも水軍はあるけどな」
 それでもというのだ。
「数が少なくてな」
「対応しきれません」
「まして敵の水軍はエチェニケ様が率いておられます」
「星の方までおられるとなると」
「尚更です」
「戦いにくいわ」
 苦い顔で話した。
「星のモンには星のモンやが」
「こちらの星の方はセプルベダ様だけです」
「それでは水軍まで向けられません」
「どうしても」
「ほんま辛い、このままやとこのサンチアゴにも来られるわ」
 自分達が拠点としている街にもというのだ。
「戦力を北に集結させてもそっちもな」
「数が足りません」
「相手は二十万です」
「こちらは八万です」
「それではです」
「勝てへんな、どうしたものか」
 軍の司令部の会議室で難しい顔で話した、そしてインペルから貝殻でアルゼンチン方面の戦局を言われると尚更難しい顔になったのだった。
「そうですか、負けましたか」
「相手は四倍でしかも川に機雷撒かれて動けん様になって」
「その結果ですね」
「退いたわ」
「そうなりましたか」
「今はサンタフェとパラナに向かっててな」
 撤退してというのだ。
「この二つの街に入ってな」
「戦われますか」
「そうするわ」
「そうですか、そっちも劣勢ですね」
「かなりな」
「やっぱりそうですね」
「数がちゃう」
 インペルは苦い顔で述べた。
「やっぱりな」
「そのことが大きいですね」
「そっちもやろ」
「はい、北部を侵食されていっています」
「そやな」
「このままではサンチアゴに迫られます」
 そうなるというのだ。 
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