金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十九話 忍者の現実その五
「忍者が泳げないと」
「駄目ですね」
「水遁の術もです」
こちらもというのだ。
「出来ません」
「お水の中に隠れる」
「あれが出来ませんと」
それこそというのです。
「忍者は難しいので」
「だからですね」
「私も水泳は熱心にしています」
「今もですね」
「いい運動にもなりますし」
「そうですね、水泳は」
確かにとだ、夜空も頷いた。
「いい運動になるんですよね」
「そのこともありまして」
「水泳もされていますか」
「そうです」
まさにというのだ。
「健康にもいいですし」
「忍者としての鍛錬だけじゃないんですね」
「左様です」
「本当に泳げないとお話にならないんだ」
佐京も夜空に言ってきた。
「忍者は」
「本当にそうなのね」
「つまり陸上もして」
「跳んだり跳ねたりで」
「水泳もするから」
「身体をかなり動かすのね」
「実は手裏剣はそうしたものの次なんだ」
佐京は話した。
「これがね」
「そうなのね」
「うん、水泳をして走って跳んで」
そうしてというのだ。
「道具の使い方を身に着けて」
「それから手裏剣なのね」
「それで刀だよ」
「忍者刀ね」
「もうこっちは殆ど使わないよ」
刀はというのだ。
「刀はね」
「戦うことは稀だから」
「それで俺も白華も言う程していないから」
「素振りしてないの」
「他の修行と比べてね」
「そうなの」
「兎に角走って泳ぐ」
佐京はさらに話した。
「そして隠れる」
「そうすることね」
「忍者はね、だから」
「水泳は大事なの」
「もう一生ね」
それこそというのだ。
「忍術をやっているのなら」
「やっていくのね」
「うん」
そうだというのだ。
「水泳はね」
「忍者に必須だから」
「そう」
まさにというのだ。
「本当にね」
「そこまでのものなのね」
「それこそ剣術をしなくても」
「水泳はする」
「そうでないとね」
さもないと、というのだ。
「とてもね」
「やっていけないのね」
「そこまでなんだ」
「成程ね」
夜空もそれはと頷いた。
ページ上へ戻る