| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

金木犀の許嫁

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十九話 忍者の現実その四

「幸村公も得意でして」
「お強かったですね」
「そうでしたから」 
 だからだというのだ。
「薩摩に逃れてからもです」
「槍をですね」
「第一に修行していました」
 そうだったというのだ。
「真田家は」
「そうでしたね」
「ですから」
 それでというのだ。
「私もです」
「槍を第一にですか」
「修行しています」
「そうなんですね」
「忍術も修行し」
 そうしてというのだ。
「水泳もですが」
「あの、水泳ですが」
 夜空はこちらのことについて尋ねた。
「佐京君達もしていますね」
「熱心にですね」
「よくプールに行って泳いでいますが」
「必須です」
 幸雄は確かな声で答えた。
「武芸においては」
「そうなんですね」
「馬術と水練は」
 この二つはというのだ。
「絶対にです」
「欠かせないですか」
「左様です」
「武芸の中で」
「むしろ槍術よりも」
 真田家のお家芸と言ってもいいそれよりもというのだ、幸雄は夜空に対して真面目な面持ちで話していった。
「重要です」
「水泳は」
「そしてかつては馬術も」 
 こちらもというのだ。
「そうでした」
「そうだったんですね」
「逃げる時は一人です」
「逃げることも必要ですね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「この二つはです」
「馬に乗って駆けて逃げて」
「川を泳いで逃げる」
「その為にですね」
「絶対にです」
 強い声で話した。
「必要でした」
「その二つは」
「若しです」
 それこそというのだ。
「泳げないとです」
「泳いで逃げられない」
「ですから」
 だからだというのだ。
「水泳は絶対です、忍者もです」
「逃げるものなので」
「泳げないとです」
「駄目ですね」
「隠れるにも必要ですし」
 忍者はというのだ。
「ですから」
「幸雄さんもですか」
「水泳をしています」
「そうですか」
「若しも」
 幸雄はさらに話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧