西遊記
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第六回 悟空二郎真君と戦うのことその十四
「他の者達にも」
「大聖だけではないか」
「大聖は確かにかなりの神です」
菩薩から見てもです。
「非常に強く頭も回る」
「やんちゃ者でもな」
「非常に優れた者です」
このことは事実だというのです。
「やはり」
「そうであるな」
「ですがあの者だけではです」
「限度があるか」
「大事それもその大事の中でもです」
「かなり大きなものとなるとか」
「如何にあの者といえどです」
菩薩は帝にお話を続けます。
「流石にです」
「為せぬか」
「しかもあの者は火そのものと言っていいまでにです」
「火の気が強いな」
「そうですので」
このこともあってというのです。
「あの者と同じく大事を為す運命の者達が集まり」
「ことを為すか」
「そうなりまして」
「その時にか」
「私はです」
菩薩はというのです。
「あの者そして他の者達にもです」
「力を貸すか」
「そうなります」
「その者達ですが」
老君が帝に恭しく言ってきました。
「万歳老もです」
「知ることが出来るな」
「世の運命をご覧になられれば」
「それをすれば楽だが」
それでもとです、帝は老君に仰いました。
「天帝の位にある者はだ」
「楽をしてはならぬ」
「何事もな、楽に楽に流れると」
「堕落してしまい」
「よくはない、しかとだ」
「物事を見極められことにあたられるのですね」
「朕はな、それこそがだ」
まさにというのです。
「神界の主だからな」
「それで、ですな」
「世の。誰の運命も見ぬ」
敢えてというのです。
「そうして神界も治める」
「そうされるので」
「だからだ」
「大聖の運命をご覧になられませぬな」
「決してな、見ようと思えば見られるが」
しかしというのです。
「朕はせぬ」
「それではその様に」
「そしてだ」
帝はさらに言われました。
「あの者と他の者達についてはな」
「私が助力します」
「そして運命を見ますと」
老君は再び帝に言いました。
「私もです」
「そうなるか」
「はい、あの者と他の者達は多くの試練を乗り越え」
「大事を為すか」
「その運命です」
「そうなのだな」
「ですからここはです」
悟空を捕らえた今はというのです。
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