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西遊記

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第六回 悟空二郎真君と戦うのことその十三

 神界に戻りました、神々と十万の兵は猿や魔物達を解き放って戦の後始末をして陣払いをして神界に戻りました。
 そしてです、その一部始終を見て観音菩薩は言いました。
「これでよしですね」
「全く、とんでもないやんちゃ者だ」
 帝は憮然として言われました。
「つくづくな」
「はい、油断しますと」
「また暴れるな」
「あの者は」
「困った者だ」
「ですが妙に憎めずです」
 西王母は微笑んで言いました。
「見ていて面白いですね」
「それは確かに」
 真君に助力した老君も認めることでした。
「あの者は」
「そうですね」
「ですから」
 それでというのです。
「裁きを与えても」
「わかっておる、一度首を切ればな」 
 帝も仰います。
「それでよい」
「終わらせますな」
「また神界に置く」 
 そうするというのです。
「そしてまた働いてもらう」
「それがよいかと」
「確かにやんちゃ者であるが」
 老君に仰いました。
「それでもな」
「では大聖がここに来れば」
「速やかに裁きを下してな」
「ことを済ませますか」
「そうする」
 まさにというのです。
「あの者が来たならばな」
「それでは」
「しかし思えばな」
 悟空についてです、帝はこうも仰いました。
「あの者の生まれ自体がな」
「はい、不思議なものであり」
 菩薩が応えました。
「その時からです」
「何かとあることが定めれれていたな」
「そもそも石から猿が生まれること自体がです」
「まずないことだ」
「そうですし」
 それでというのです。
「あの者はどんどん力をつけてきたことも」
「運命であるな」
「そしてこの度暴れたことも」
 このこともというのです。
「やはりです」
「運命であるな」
「はい」 
 そうだというのです。
「左様です」
「そして運命はこれからもか」
「続きです」
「菩薩殿もだな」
「関わってくることがです」
「わかっているか」
「そうなのです」 
 まさにというのです。
「ですからその時は」
「何かとだな」
「何かあれば助力します」 
 悟空にというのです。 
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