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八条学園騒動記

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第八百三話 和歌を詠む位その二

「達人で剣術もね」
「凄かったのよね」
「今で言う文武両道でね」
 そうであってというのだ。
「スポーツマンで教養豊かな」
「大企業の跡継ぎとかね」
「そうなるわね、しかもね」
 彰子は今川氏真についてさらに話した、以前は無能で幼い日の徳川家康をいじめていた嫌な奴として言われることが多かった。
「実は内政はね」
「ちゃんとしていたわね」
「お父さんにも負けない善政を敷いていたのよ」
「そうよね」
「けれど武田信玄さんが攻めてきて」
 同盟を破ってそうしてきたのだ。
「徳川家康さんも叛乱起こして」
「その二人に攻められると」
「流石にね」
「負けるわね」
「どっちも強いから」
 戦上手なうえに武に秀でた家臣が多く兵も強かった。
「負けたわ」
「相手が悪過ぎたわね」
「実は戦の方も然程ね」 
 不得手と言われることが多くともだ。
「相手が悪過ぎたし」
「どっちかだけでもやばいわね」
「武田家と徳川家だと」
「徳に武田家ね」
 彰子は言った。
「あそこはね」
「無茶苦茶強かったから」
「織田信長さんも直接対決を避けたし」
 むしろ徹底した懐柔策に出た。
「対抗出来るのは上杉謙信さんだけ」
「戦国最強の」
「そんなお家が攻めて来たから」  
 しかも桶狭間の大敗北で当主まで討ち取られ衰えている時にだ。
「そうなったらね」
「数年持ちこたえただけでも凄いわね」
「そこに徳川家も叛乱起こして」
「三河一国そうなったから」
「滅びるわ」
「数年持っただけでも凄い」
「戦の方もね」 
 二人で話した、そして七美は言った。
「今川氏真さん実は結構以上に出来た人ね」
「しかも実は徳川家康さんと仲よしでね」
「叛乱起こされても後で和解したし」
「どうも子供の頃からで」
 徳川家康が人質だった頃からだ。
「いじめてもいないし」
「気さくで飾らない人柄で領民に普通の馬の名薬のこと教えたり」
 秘伝とされていたそれをだ。
「いい人よね」
「今だと普通に会社継いで経営して」
「いい経営者って言われてたわね」
「営業も人柄も」
「プライベートの能力もね、しかも」
 七美はふと思い出して言った。
「愛妻家だったのよね」
「北条家の人とね」
「北条氏康さんの娘さんで」
「ずっと仲よかったのよ」
「そのこともポイント高いわね」
「そうよね、あの頃だから側室さんもおられたけれど」
 この時代では少し立場があるといない方が稀だ。
「けれどね」
「それでもね」
「夫婦仲もよくて」
「かなりポイント高いわね」
「というかチートクラスでしょ」
 七美はこうまで言った。 
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