八条学園騒動記
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第八百三話 和歌を詠む位その一
和歌を詠む位
和歌を詠う中でだ、彰子は七美に話した。
「お侍さん達って戦の前に和歌詠んだのよね」
「連歌会やったのよね」
「そうすると戦に負けないって言って」
ゲン担ぎとしてそうしていたのだ。
「勝ち栗とか打ち鮑とか昆布も食べて」
「ゲンを担いでいたのね」
「そうなの、それで普通でもね」
「和歌を詠ってたのよね」
「恋愛もね」
これは同性愛も含む、この時代でもそうだが日本では同性愛は至って普通のことであり何も問題はないとされていたのだ。
「そうだったのよ」
「そうよね」
「それで」
そのうえでというのだ。
「多くの和歌が残っているのよ」
「お侍さん達が詠ったものも」
「今川義元さんなんか」
この戦国大名はというと。
「失敗した家臣の人がいい和歌を詠ったら」
「許したのね」
「そうなのよ」
「あの人お公家さん趣味だったわね」
七美は今川義元のこのことを話した。
「白粉とお歯黒塗って」
「髷丸くしてね」
「髷もそうして」
「もう完全にね」
その外見はだ。
「お公家さんだったのよ」
「それで普通のお侍さん以上にね」
「和歌がお好きで」
「それで家臣の人も許したのよ」
いい和歌を詠うとだ。
「元々都におられたし」
「お坊さんだったのよね」
「それがお兄さんが亡くなって」
今川家の当主であったがだ。
「跡を継いでね」
「お大名になったんだったわね」
「駿河のね」
「今の駿河星系の語源のお国ね」
「遠江とね」
「遠江星系の語源ね」
「その二国のお大名になったのよ」
それが今川義元の戦国大名になるまでの生い立ちである、尚今川家は室町時代の守護大名から戦国大名となった家の一つである。
「それで領地には戦乱を逃れたお公家さん達も大勢いて」
「その人達の影響も受けて」
「和歌に通じていたのよ」
「お大名、お侍さんでも」
「善政を敷いてね」
この時代はこのことでも有名になっている。
「領地をしっかりと治めて」
「和歌もお好きな」
「中々の傑物だったのよ」
「私としてはね」
七美は笑って話した。
「家臣の人が失敗しても」
「いい和歌を詠ったら許すなんてね」
「雅よね」
「寛大でね」
「いい人ね」
「そうよね、息子さんもね」
今川氏真である、この時代はこの人物の評価も低くはない。
「和歌がお好きだったのよ」
「そうだったのね」
「蹴鞠に和歌の達人で」
「そうそう、あの人はね」
「蹴鞠も得意で」
そうであってというのだ。
ページ上へ戻る