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夢幻水滸伝

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第三百九十五話 パンパの野戦その十一

「ほんまにな」
「我が軍は殲滅されますね」
「後方を遮断され包囲されて」
「そのうえで、です」
「そうなりますね」
「そやからな」 
 そうなるからだというのだ。
「今のうちや」
「撤退できるうちに撤退する」
「そしてあらためて戦う」
「そうされますね」
「そうするで」
 インペルの決断は速かった、そして行動も。
 彼はすぐに全軍撤退を命じた、攻めてくるアレンカールの大軍に対して派手に一斉攻撃を浴びせると即座に踵を返してだった。
 撤退に入った、障害物になりそうなものは置いてそのうえでだった。
 軍を退かせた、足が遅い者達は接舷させた船達に乗る様に命じた。
「速く乗るんや」
「はい、そうしてですね」
「船から川を進んで撤退しますね」
「そうしますね」
「そうするんや」 
 まさにというのだ。
「足の速い部隊はそのまま南下してな」
「足が遅い歩兵や輸送隊はですね」
「船に乗り撤退ですね」
「そうしますね」
「そうするんや」
 こう命じてだった。 
 水運も使って撤退させた、そうしてであった。
 インペルの軍は戦場を離脱した、障害物を置き船も用いたそれはアレンカール達も手間取い追い付けないもので。
 撤退を許してしまった、だがアレンカールはさばさばとして言った。
「さて、南下するわよ」
「敵は撤退しましたが」
「十四万の兵の多くが」
「それでもよいのですか」
「ええわ、戦には勝ってね」 
 将兵達に笑って話した。
「次に進めるからね」
「目的を達したからですね」
 セスペデスが言ってきた。
「だからですね」
「そうよ、戦に勝ってね」
 そうしてとだ、アレンカールは答えた。
「南下出来るからね」
「よしですね」
「戦場の整理を終えたら」
 それからはというのだ。
「進撃再開よ、機雷もね」
「除去しますね」
「撒いたものはそのままにしない」
 決してというのだ。
「ちゃんと処理してね」
「一般市民に迷惑がかからへん様にしますね」
 マリアが言ってきた。
「そうですね」
「そうよ、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「あらためてサンタフェとパラナを目指すわよ」
「これであの二つの街を攻められますね」
「ええ、そしてね」
 さらにというのだ。
「あの二つの街の後は」
「ロサリオですね」
「あの街をとなるわ」
 次はというのだ。 
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