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西遊記

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第五回 悟空蟠桃園暴れるのことその十三

「我等は」
「それではな」
「では十万の兵を集め」
「そしてな」
 そのうえでというのです。
「今言った神々達に率いさせる」
「ではすぐに神々を集めましょう」
「そうするとしよう」
「よし、やるぞ」
 ここでまた三太子が威勢よく言いました。
「斉天大聖、今度こそ勝つぞ」
「哪吒、そなたもやんちゃが過ぎるぞ」
 ここで長兄が嗜めました。
「それでは斉天大聖と変わらない」
「実は僕彼好きなんだよ」
「そうなのか」
「あの無鉄砲でやんちゃなところがね」
 彼のそうした部分がというのです。
「僕と一脈通じている気がするよね」
「確かにな」
「そうだな」 
 一太子だけでなく次兄の二太子も頷きます。
「似ているな」
「斉天大聖と」
「そうだよね、だからね」
 そうであるからだというのです。
「実は僕彼好きなんだよね、悪い奴じゃないしね」
「所謂荒ぶる神なのだ」
 金星がお話しました。
「斉天大聖は」
「やんちゃな神様だね」
「そなたもそうでな」 
 三太子もというのです。
「そしてだ」
「斉天大聖もそうで」
「神といっても色々でだ」
「荒ぶる神もいるんだね」
「それがそなた達なのだ」
「成程ね、それじゃあ荒ぶる神同士でね」
 三太子は金星の言葉を受けて言いました。
「戦ってくるよ」
「それではな」
「強くてもね」
 悟空がというのです。
「今度は負けないよ」
「うむ、若し斉天大聖に勝ち」
 帝も言われます。
「生け捕りとしたら褒美をやろう」
「褒美ですか」
「何でも好きなものを言え」
「じゃあお菓子下さい」
 三太子はそれならと笑顔で応えました。
「とても甘くて美味しい」
「そうした菓子をか」
「蜂蜜をたっぷりとかけた」
 そうしたというのです。
「杏仁豆腐かマンゴープリンを」
「ははは、そんなものでいいのか」
「だって父上も母上も甘いものを食べ過ぎるなって言うんですよ」
 お父さんの天王を見つつ言います。
「ちゃんと何でも食べなさいって。兄上達も」
「甘いものもいいが」
「食べ過ぎはよくない」
 その兄上達の言葉です。 
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