ハッピークローバー
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第百七十三話 牛乳その五
「鮟鱇だってな」
「鮟鱇美味しいよね」
「外見は怖いけれどな」
それでもというのだ。
「美味いよな」
「そうなのよね」
「お鍋にしたらな」
「唐揚げでも美味しいわよ」
「特に肝な」
鳴海はあん肝の話もした。
「美味いよな」
「そうそう、実はあん肝一杯あるから」
「食っていいんだな」
「皆で食べよう」
「それじゃあな」
「お鍋は栄養一杯あるから」
かな恵はこうも言った。
「いいのよね」
「野菜も一杯入れるしな」
「お葱に白菜に春菊にな」
「茸も入れるしね」
「椎茸とかしめじとかな」
「お豆腐も蒟蒻も入れるし」
こうしたものもというのだ。
「それで今回は鮟鱇もだから」
「美味いよな」
「それでね」
そうであってというのだ。
「鳴海っちお鍋食べたら」
「身体も大きくなるか」
「力士さんみたいにね」
「力士さんがちゃんこ鍋食うのもな」
「そう、そのこともね」
まさにというのだ。
「身体大きくする為なのよ」
「栄養たっぷり摂ってな」
「それで鳴海っちもよ」
本人に言うのだった。
「お鍋はね」
「食うといいんだな」
「お野菜も沢山食べられて」
「肉やお魚もな」
「しかもね」
かな恵はさらに話した。
「安くつくのよ」
「そこでそれ言うのかよ」
「いやいや、安くつくってね」
このことはとだ、かな恵は鳴海に右手人差し指を立てたうえで真剣な顔で話した。それで鳴海も聞いた。
「大事よ」
「お金のことはか」
「お金は命よ」
「なくなると死ぬか」
「そう、お金がないことは」
それはというと。
「命がないとの同じよ」
「シビアな言葉だな」
「シビアであってね」
それと共にというのだ。
「リアルよ」
「現実にお金がないとか」
「何も買えなくなるでしょ」
「それはな」
鳴海も確かにと頷いた。
「そうだよな」
「だからね」
「お金も大事でか」
「安くつくなら」
それならというのだ。
「もうね」
「大事でか」
「それでよ」
「お鍋はそうした意味でもいいんだな」
「そう、沢山食べられることも考えたら」
それなというのだ。
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