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世界の礎

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第二十話 広大な土地その十

「何があろうとも」
「そうだな」
「だからこそです」
 フェリペは義青に話した。
「我々検事もです」
「誠実に働いているな」
「警察の出した証拠を見まして」
「検証してな」
「そしてです」
 そのうえでというのだ。
「有罪か無罪かをです」
「突き止めるな」
「ですが」 
 それでもというのだ。
「検事が見ただけではです」
「間違いも起こる」
「その様なことは絶対にない様にしましても」
「だからこそだ」
「チェックしてですね」
「検事の間違いをな、そして容疑者を弁護する」
「弁護士も必要ですね、そして」
 フェリペはさらに話した。
「有罪か無罪かは」
「民達から選ばれたな」
「陪審員達が判断しますね」
「全員有罪となればだ」  
 その時はというのだ。
「有罪となる、凶悪犯には容赦しないが」
「その判断は、ですね」
「慎重かつ厳密にだ」
 その様にというのだ。
「行わなければならない」
「冤罪がない様に」
「冤罪で凶悪犯になってはだ」
 そうした事態に陥ればというのだ。
「最悪の事態だ」
「まさに」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「それはない様にしないとならない、そこまで考えるとな」
「それならですか」
「裁判が遅くなる危険があるが」
 それでもというのだ。
「陪審員も必要だと考えてな」
「設けましたか」
「そうだ、十二人全員が有罪としないとだ」
「有罪とならない」
「これではかなり有罪になる可能性は少ない」
 このことを言うのだった。
「凶悪犯の捜査それに裁判はだ」
「重罪を課すだけあり」
「そこまでする、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「有罪になればな」
「その時にですね」
「死刑なり重労働なりだ」
「厳罰を与えますね」
「そうする、そしてシベリアにもだ」
「送りそのうえで」
「酷使してな」
 そうしてというのだ。
「刑罰が明けるまでだ」
「酷使しますね」
「消耗品としてな」
「そうしていきますね」
「何度も言うが外道には人権は不要だ」
 一切というのだ。
「それでだ」
「容赦なくそうする」
「また戦でもな」
 この時もというのだ。
「人の盾にもしているな」
「はい、最初から」
 イシュが応えた。 
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