世界の礎
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第二十話 広大な土地その九
「嬉々として人を嬲り弄び嘲笑い命を奪う」
「そうした輩に権利が必要か」
「そんな筈があるものか」
義青は言い切った。
「私はそう考えるからだ」
「統治として行っていかれていて」
「シベリアでもそうしていく」
「そうなのですね」
「だからだ」
それでというのだ。
「シベリアに重罪人を送り酷使してだ」
「民に募集をかけ」
「働いてもらう」
「高給と好待遇で以て」
「そうしていく、いいな」
「民と重罪人を分ける」
完全にというのだ。
「罪人でもだ」
「仕方なくならいいですね」
「確信犯で大罪を犯すなら別でだ」
「そうした輩を成敗しますね」
「世の中悪人もいるのだ」
善人がいると共にというのだ。
「それもどうにもならないだ」
「極悪人ですね」
「人でなくなった様な」
義青は起きた世界でも知っている輩共の話もした、何処にもでも善人がいれば悪人もいるものであるしどちらにもレベルがあるのだ。
そしてだ、救い様がないまでの極悪人はというのだ。
「腐り果てた外道はだ」
「大罪を犯せば」
「容赦しない、ただ外道でもだ」
重罪人にもなるこの輩共はというのだ。
「法に照らしてだ」
「罪を犯していないのなら」
「構わない」
「そうなりますね」
「規範は法だ」
これだというのだ。
「法治国家ならばな」
「人ではなくですね」
「法であってな」
「法に照らしてどうか」
「それで法を犯しているのならな」
「裁きを与えますね」
「捕らえて裁判にかけてな」
そのうえでというのだ。
「断罪する、当然裁判には裁判官とだ」
「弁護士と検事がいます」
最高裁長官のマーリンが応えた、亀人の男の老人である。
「必ず」
「それも定めた」
「法治の為に」
「そうされましたね」
「どうしてもだ」
義青は話した。
「冤罪がありまた誰でも弁護される資格がある」
「罪人であろうとも」
「だからだ」
「裁判制度も整え」
「弁護士も置いた」
「検事も」
「そしてだ」
義青は話を続けた。
「陪審員もだ」
「置いていますね」
「有罪か無罪かを決めるな」
そうすることを委ねられたというのだ。
「そうした者達もだ」
「定めましたね」
「冤罪はあってはならない」
義青は強い声で言った。
「それはな」
「はい」
フェリペが言ってきた、尚彼は前の議長であり前任者のフェリペは今は検事長官となっている。その彼もここにいるのだ。
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