夢幻水滸伝
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第三百九十四話 ウルグアイでの合流その四
「そやからね」
「だからですね」
「我々がそう動くと」
「危機を察せられて」
「そしてですね」
「撤退するわ」
ブラジルとの国境からというのだ。
「そうするわ」
「まして我々は飛兵に騎兵です」
「機動力に優れています」
「それならです」
「ネグロ湖にもすぐです」
「鉄道も使うわよ」
こちらもというのだ。
「ネグロ湖までのね」
「そうもして」
「そうしてですね」
「そのうえで」
「あの街に向かうわ、では補給を受けてからね」
サルドとパイサンドでというのだ。
「さらにね」
「攻めますね」
「そうしますね」
「それから」
「そうするわ」
こう言ってだった。
アレンカールは補給も受けさせかつ鉄道も積極的に用いるのだった。そのうえでだった。
ウルグアイの中央部に向けて進撃せんとした、当然その動きはリョサも見ていて彼はまずは貝殻でインペルに状況を話した。
「そうした状況でして」
「まずいな」
インペルは沈痛な声で応えた。
「それは」
「このままやと挟み撃ちに逢います」
「それもすぐにな」
「アレンカールさんの用兵が迅速で」
「ああ、流石と言うべきやな」
インペルは沈痛な声のままこうも言った。
「ほんまに」
「そうですね」
「このままやと負けるわ、そっちには八万の兵がおるな」
「そのうち六万をブラジルとの国境に置きまして」
「残り二万で他の場所を守ってるな」
「西部も海岸部も」
「そやな、その西部が突破された」
そちらの方がというのだ。
「アレンカールが率いている三万はな」
「大きいですね」
「私達にとってな」
「そうですね」
「こっちの戦力は三十万もないわ」
「およそ二十八万です」
「それでそっちには八万置いてな」
ウルグアイにというのだ。
「チリとアルゼンチンはな」
「チリに五万で」
「残りをアルゼンチンに置いてるけどな」
「その八万がですね」
「このままやと包囲されてな」
「殲滅されますね」
「そうなりかねん、そやから」
だからだというのだ。
「ここはもう退くんや」
「ブラジルとの国境から」
「ああ、モンテビデオまでな」
この街までというのだ。
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