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金木犀の許嫁

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第六十七話 白華のお見合いその一

               第六十七話  白華のお見合い
 佐京と白華の両親が伊賀に来た、その二人を見て白華は言った。
「早いですね」
「そうかな」
「早いかしら」
「はい、思っていたよりも」
 こう言うのだった。
「そうです」
「そうかな」
「遅かったと思うけれど」
「俺もそう思うよ」
 佐京も言ってきた。
「早いってね」
「随分時間かかったよな」
「そうよね」
 両親は佐京にも言われて話した。
「随分ね」
「そうだよな」
「それはね」
 佐京は二人の話を聞いて言った。
「ニュージーランドから来たからね」
「遠路はるばるか」
「それでなのね」
「南半球のど真ん中から来たから」
 日本にというのだ。
「飛行機でね」
「まあそれはな」
「そうよね」
 二人も言われて頷いた。
「飛行機でね」
「相当時間かかったからな」
「アメリカに行くよりもね」
「時間かかるからな」
「ニュージーランドに行こうと思ったら」
「オーストラリアより遠いからな」
「そうだよ、それでね」 
 佐京はさらに話した。
「大阪からだね」
「ああ、ここまでな」
「伊賀までね」
 二人はこのことも答えて話した。
「電車と車で来たから」
「そう思うな」
「移動していると」
 それでというのだ。
「実感としてね」
「時間を感じてか」
「長く思うわね」
「それで俺達は」
 自分達はというと。
「待っていてしかも色々やっていたから」
「短かったです」
 白華も言った。
「本当に色々やっていまして」
「そうだったしね」
「それで待っていますと」
「あっという間だよ」
「そうだな」 
 父が確かにと応えた。
「そう言われるとお父さん達もだな」
「そうよね」
 母も言った。
「本当にね」
「そうだな」
「待つ間は長く感じても」
「何かしてるとね」
「あっという間で」
「移動する方がね」
「しかもな」
 父はさらに言った。
「あまり寝てなかったしな」
「移動の間ね」
「本読んだりして」
「そうしていたから」
 だからだというのだ。 
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