西遊記
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第四回 悟空斉天大聖となるのことその十五
白馬は今も修行中でした、ですが。
その仙術を見てです、彼の父の西海龍王は言いました。
「あと一歩だな」
「一皮剥けますか」
「しかし一皮がだ」
それがというのです。
「随分とな」
「難しいですか」
「何でもそのあと一皮がだ」
「難しいですか」
「左様、だからな」
「それがしもですか」
「あと少しが欲しい」
こう言うのでした。
「どうにもな」
「左様ですか」
「きっかけがあればな」
「その一皮も剥きやすい」
「だからな」
それでというのです。
「何かあれば長い修行の旅にでもだ」
「行くといいですか」
「うむ」
まさにというのです。
「そうしてもだ」
「左様ですか」
「だからな」
それでというのです。
「今は時を待つのもよいな」
「修行をしつつ」
「その間に一皮剥ければよく」
修行をしてというのです。
「そうでないならな」
「機が来れば」
「そこでだ」
「一皮剥ける」
「そうなればな」
その時はといいますと。
「そなたは必ずだ」
「さらにですか」
「それこそ高位の神仏にもな」
そうした立場にもというのです。
「なれるぞ」
「そうなのですか」
「だからな」
「あと一皮」
「その成長が出来るならな」
それならというのだ。
「機があれば」
「その修行をですか」
「やってみるか」
「はい、私もです」
白馬はそれはと返しました。
「成長したいですし」
「それならな」
「修行を続け機があれば」
「やってみよ」
「そうさせて頂きます」
父である西海龍王に誓いました、
「私も」
「それではな」
「今は修行を続けます」
こう言って白馬は修行を続けました、その時が来ることも期待しつつ。まだ誰もそれぞれを待つ運命を知りませんでした。
第四回 完
2025・3・8
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